「MT-28」「MTIウェッジ」など数々の名器を世に送り出し、日米両ツアーで多くのプロ支給品を手がけたクラブ設計家、宮城裕治氏が流行に惑わされないクラブ選びとクラブ設計の真実をクールに解説。今回はパターをころころ替えるメリットとデメリットについてクラブデザイナーの意見を聞いてみた。
画像: パターの”新車効果”は大きい、と宮城氏は語る(写真はイメージ)

パターの”新車効果”は大きい、と宮城氏は語る(写真はイメージ)

丁寧にセットアップ!

みんゴル取材班(以下、み):オデッセイの「2ボール・イレブン」のパターを半年くらい前に中古で買いました。最初はけっこうよかったのですが最近はだんだん怪しくなってきました。使い始めた頃によく入っていたのは”新車効果”みたいなものだったのでしょうか?  そもそもパターにも新車効果はありますか?

宮城:あります。パターだけではありませんが、とくにパターの新車効果は大きいと思います。入っていたものがだんだん入らなくなる原因は、一言でいえば曖昧なまま打ってしまうからです。買ったばかりの頃はそのパターに慣れていないため、だれでも丁寧に構えてストロークします。でも慣れてくるにつれ、セットアップからだんだん適当になってきます。端から見てもそれじゃあ入らないよねみたいな構えをしているアマチュアはよくいます。

み:それではいまのパターを使い続けたほうがいいのでしょうか?

宮城:もちろんです。買ったときにはそのパターの感触がよかったから選んだはずです。だから我慢して当分使い続けてください。入らなくなったのはパターが悪いわけでなく、自分のかまえや打ち方が悪くなったからです。ちょっと入らなくなったからといってポンポン替える人もいますが、それでは自分がどう構えて打ったときに真っすぐいくのかいかないのかわからなくなります。ぼくも10何年同じパターを使っていますが、同じパターを長く使い続けることで自分がどうしたときにどんなミスが出るかがわかってきます。

み:パッティングで上達するためにはミスをカバーしてくれるネオマレットよりも、ピンタイプみたいな難しいパターのほうがいいとも聞きます。

宮城:やさしいパターを使うとパッティングが下手になるとプロもよく言いますが、それは適当に打っても入るしOKの距離に寄ってしまうからです。ピン型とかL字とかブレードの難しいパターは、ラインに対してフェースをきっちり合わせ、タッチを出して芯に当てないと入りません。その代わりにミスをしたときの原因がわかりやすいというメリットがあります。ぼくがネオマレットを作らないのもそれが理由です。そもそもあんなに小さい穴をねらうわけですから、緊張感を持ちながら真剣に打たなければ毎回入るわけがありません。

み:難しいパターのほうが集中しやすいわけですね。

宮城:パッティングで一番大事なのはタッチです。タッチが決まらなければラインも見えてきません。じゃあ、タッチが何なのかといえば自分の感覚です。テークバックを30センチ引いたら5メートル転がるといった方程式があるわけではなく、そのときのグリーンの速さや傾斜によってタッチは変わります。その際、自分の感覚を出しやすいのはシビアなパターです。逆にいえばやさしすぎるパターを使ったり、パターをころころ替えたりすると人間の持っている潜在能力を引き出せなくなってしまいます。

み:パター以外だとドライバーの新車効果がかなり大きいように思います。

宮城:そうですね。最初は当たるか不安でこわごわ振っていたのが、ちょっと当たるようになり振り回すようになったとたん当たらなくなることはあります。パターと一緒でセットアップから丁寧に行うようにしてください。


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