6月11日(木)から4日間の日程で、兵庫県「六甲国際ゴルフ倶楽部」で開催された「宮里藍 サントリーレディスオープンゴルフトーナメント 2026」。14日、最終日が行われ、2日目から首位を守り続けた桑木志帆が今季2勝目を飾った。一方で9年ぶりの2勝目を狙った永井花奈は1打差で惜しくも届かなかった。注目の韓国のアマチュア、ソア・キムは「68」で3位に入った。

前半は我慢の桑木とチャージをかけた永井

初日から多くの選手がバーディをもぎ取る姿を目にした今大会。その中でも抜けていたのは最終組の桑木志帆と永井花奈、そして韓国から参戦しているアマチュアのソア・キムだった。初日にソア・キムが「63」で首位に躍り出るも、1打差の2位に桑木、3位タイに永井が続いていた。この上位争いは続き、3日目終了時点でもこの3人が上位を占めた。

勝てば日本ツアー最年少記録になるソア・キム、2年ぶりとなる複数回優勝を達成する桑木、そして9年ぶりの2勝目を狙う永井花奈、それぞれに記録がかかった理由があった。

画像: 左から桑木志帆、ソア・キム、永井花奈

左から桑木志帆、ソア・キム、永井花奈

多くのギャラリーが見つめる中、1番ホールからスタートダッシュを決めたのは永井とソア・キム。ソア・キムは自慢の飛距離を生かして見事に2オンしイーグルチャンス。永井は確実に刻み3オンさせる。一方の桑木は3打目がピンのやや奥に着弾。

ソア・キムは長いイーグルパットを打ち切れなかったもののバーディパットを決めきった。永井も連日冴え渡るパッティングでバーディ。桑木はフックラインの下りパットを惜しくも外しパーとした。

これ以降、1番のように前半は追いかける二人が伸ばし、桑木が我慢する展開が9番まで続くことになる。永井は4番、5番で連続バーディを奪うなど前半をボギーフリーの「33」、ソア・キムは2度のバウンスバックで持ち直し4バーディ、2ボギーの「34」でハーフターン。桑木は6番でバンカーにつかまりボギー、そのほかのホールもパーでしのぐ展開となり「37」で後半へ向かった。

この時点では永井が優勢に進め、終盤まで駆け抜ける勢いを感じた。

勝負を分けた「12番」

前半終了時点で桑木が通算16アンダー、永井は17アンダーそしてソア・キムが14アンダーという構図に。後半始めの10番でも永井の勢いは止まらずバーディを奪取、一方の桑木とソア・キムはパーセーブ。永井が桑木に2打差をつけた形になった。

しかし「追いつかれて、追い越された時もあったんですけど、全然動じなかった。自分でもびっくりしたんですけど、最初から最後まで自分のプレーだけに集中しようと思ってできました」と話し、「全米女子オープン」を経たことで桑木の技術もメンタルも一皮むけた。

構図が変わりは決めたのは12番(509ヤード/パー5)。

永井はティーショットがバンカーにつかまり2打目でフェアウェイへ出す。しかし3打目をグリーン奥のカラーまでオーバーしてしまう。対照的に桑木はティーショットと2打目をフェアウェイキープ。そして3打目に入る前、入念に歩測を行った。

「近くまで来た時は歩測するようにしているので、いつもと変わりませんでした。ただ、永井選手が左に外していたので、ここはしっかり獲らなきゃいけないホールだなと思っていました」と振り返る。見事にカップ近くまで寄せ、今日初めてのバーディを決める。

画像: 後半からゴルフが噛み合い始めたのが桑木だった

後半からゴルフが噛み合い始めたのが桑木だった

永井はカラーからのロングパットがカップをすり抜け、さらにパーパットが決まらず1打落とし、桑木と永井が17アンダーで並んだ。

続く13番で永井はバーディでバウンスバックするも、桑木もバーディ。ここまで互いに譲らぬ攻防を繰り広げていた永井は「志帆ちゃんは後半に戻してくるなと思っていたので、気を緩めず目標の5バーディを取ることを意識してずっとやっていました」と話した。

そして勝負を分けたのは16番(160ヤード/パー3)。桑木はバーディで締めたのに対し、ティーショットで一番遠い位置につけた永井は、放ったロングパットがわずかにカップの横を外れパーとした。

画像: 永井はいい流れだった前半とは打って変わり、後半を伸ばしきれなかった

永井はいい流れだった前半とは打って変わり、後半を伸ばしきれなかった

続く17番、18番を両者がパーで収め、桑木が最終日を「70」の通算19アンダーで今季2勝目を挙げた。プロ2勝目を狙った永井は「68」、通算18アンダーで惜敗した。

3人が見据える展望

全米女子オープンの戦いと時差、そして長い移動の疲れがある中で強さを見せた桑木は、「今季2勝目ということ、そして先週の全米女子オープンから帰ってきてすぐの試合だったので、『やったー!』というよりは、プレーもフラットな気持ちで臨もうと思っていたので、最後まで感情の上下がなく終わった感じでした」と口にした。

昨年の「全米女子オープン」は自身初の海外メジャーで、56位タイと思うような結果にはならなかった。しかし今年は14位タイと飛躍し、「自分が思っているより上の順位でいけたので、もっと自分に自信を持っていいんだなと思えました」とこの経験が今回の優勝を後押しした。

画像: 2年ぶりとなる複数回優勝を達成した桑木志帆

2年ぶりとなる複数回優勝を達成した桑木志帆

惜しくも敗れた永井は「目標のスコアだったり、優勝に1打足りなかったのはすごい悔しいですけど、今日1日すごいやり切れたかなって思います」と素直な心境を口にした。ただ悪いことだけではない。2位に入ったことで「AIG女子オープン(全英女子)出場権」を獲得した。

画像: 敗れはしたものの初の海外メジャーへ挑む永井花奈

敗れはしたものの初の海外メジャーへ挑む永井花奈

「初海外メジャーなので、すごい楽しみです。まだスキルとしては足りない部分がたくさんあって、全英は難しいセッティングだと聞くので、しっかり自分も(調子を)上げていって、いい戦いができるようにしていきたいなって思います」と新しい挑戦に向けて気を引き締めた。

4日間を通して多くの日本ゴルフファンの記憶に刻まれたソア・キムは、「日本でたくさんのことを学ぶことができました」と振り返った。最終日は3ボギーを打つも、7バーディの「68」。「目標にしていた4アンダーを出せたので悪くなかったと思います」と話し、3位で初の日本ツアーを終えた。

画像: 今大会で強烈なインパクトを与えたソア・キム

今大会で強烈なインパクトを与えたソア・キム

スタッツでは今大会のドライビングディスタンスで271.500ヤードと堂々の1位というパワーを披露した。またプレーだけでなくギャラリーの声援に対し、キャップのつばに手を添えながら丁寧に会釈を返す愛くるしい一面も見せてくれた。

強烈なインパクトを残した彼女の今後は「(試合に)いつ出るか分かりませんが、KLPGAツアーには出場する予定があります。日本のツアーにも機会があれば出場したいです」と語った。

それぞれがベストパフォーマンスを見せた最終日。彼女たちの次戦が待ち遠しい大会となった。

撮影/有原裕晶


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