最近、海外ツアーに挑戦する日本選手が増えたけれど、日本ツアーに挑戦する海外選手も増加中。一体、なぜニッポンの舞台を選んだのか。聞いてみると、彼らからみた日本ツアーはどんなところか、そして彼ら自身の魅力が見えてきました! 「みんなのゴルフダイジェスト」では、先週、モロッコでアジアンツアー「インターナショナルシリーズモロッコ」で優勝した香港出身のスター候補、コ・タイチーのインタビューを紹介します。
画像: コ・タイチー/ノートルダム大出身の25歳。香港在住。試合のときに来日し転戦する。「香港は最高です。次はモロッコに行き、一度香港に戻ります。アジアンツアーにも出ながら、できるだけ日本ツアーにも出場するつもりです」

コ・タイチー/ノートルダム大出身の25歳。香港在住。試合のときに来日し転戦する。「香港は最高です。次はモロッコに行き、一度香港に戻ります。アジアンツアーにも出ながら、できるだけ日本ツアーにも出場するつもりです」

ライバル中島啓太の背中を追って。流暢な日本語で語る覚悟

画像: 「BMW日本ゴルフツアー選手権 森ビルカップ」最終日、17、18番を連続バーディとし観客を沸かせプレーオフに。「ギャラリーが多いとワクワクします」

「BMW日本ゴルフツアー選手権 森ビルカップ」最終日、17、18番を連続バーディとし観客を沸かせプレーオフに。「ギャラリーが多いとワクワクします」

国内メジャー2戦目、「BMW日本ゴルフツアー選手権 森ビルカップ」最終日は、3人のプレーオフとなった。その中の1人、コ・タイチーは、プレーオフを待つ間の心境を「中島啓太とアジアパシフィックでプレーオフしたときと、まったく同じ状況。それが思い出にあったので今回は決めたいと思っていました」と表現した。

結果は、岩田寛がバーディパットを沈め優勝。コは惜しくも2位タイで終わったが、これは日本ツアーに参戦しての最上位だ。

コ・タイチーの名を日本で有名にしたのは本人が言ったように、21年の「アジアパシフィックアマ」。あのときもプレーオフで中島に敗れ2位。「今でもあのときのことはよく言われますね」と笑うが、本人はとても悔しい思いをしたという。しかし、その中島もコが日本ツアーに参戦するきっかけの1つとなった。

「ジュニアのときから一緒に試合に出ていて連絡も取っていた。最近は会ったら挨拶するくらいだけど。彼は、日本で賞金王になって今、PGAツアーで活躍している。それを見て彼ができるなら僕もできると思って、彼を目指して頑張っています」(コ・以下同)

2000年香港生まれ。母は日本人で、小学校低学年のときは日本人学校に行ったので日本語と中国語も話せる。4年生からインターナショナルスクールに行き、大学はアメリカのノートルダム大学へ。だから今も英語が日常会話だ。しかし、「日本語も最近またちょっと頑張っています」と流ちょうな日本語でインタビューに応じてくれたから、日本ツアー参戦の覚悟がうかがえる。

ゴルフを始めたのは5歳の頃。きっかけは、父と母がゴルフをしていたから。

「ゴルフが好きでずっとハマってやっています。お父さんはHC4くらい。お母さんも僕が大学に行ってから毎日1時間くらいドライビングレンジで練習して、今HC20くらいですけどすごく頑張っています」

試合に出始めたのは7歳の頃。ジュニア時代から香港の大会で数々の成績を残し、自然とプロゴルファーになる夢を抱くようになった。大学卒業後の23年にプロ転向しアジアンツアーでプレー、同3月にはプロ4戦目にして「ワールドシティ選手権」で初優勝、香港勢初のチャンピオンとなり、新人賞も獲得。10月には中国開催のアジア大会で金メダルを獲得した。

そして昨年、日本のQTにサードから初挑戦し、ファイナルで6位に。今年はアジアンツアーと掛け持ちして戦っている。

日本のコースで精度を磨きPGAツアーへ!素顔はファミチキ好き

画像: 日本とアジアのコースは違う。だから、違う技が必要となる。「早く学ばないと、皆に遅れるので、そこはきちんとしたいです」

日本とアジアのコースは違う。だから、違う技が必要となる。「早く学ばないと、皆に遅れるので、そこはきちんとしたいです」

改めて、順調なキャリアのなかで、Youはなぜ日本へ?

「24年に太平洋御殿場でのISPSの試合を、昨年は北海道での2つのISPSの試合を経験して、日本ツアーのレベルの高さを感じ、アジアだけではなくて日本でもプレーして自分のゴルフを上達させたいと思ったんです。今年のチャンスをつかめたので、すごく楽しみにプレーしています」

アジアンツアーと日本ツアーのレベルに関して聞いてみた。

「日本の選手も上手くてレベルは高いです。ただ面白いのが、(アジアンツアーの経験豊富な)池村(寛世)さんや比嘉(一貴)さんに聞くと、『アジアのほうがレベルは高い』と言う。でも僕の場合は日本のほうが高いとも感じる。今、日本ツアーは世界ランキングのポイントが低くなってしまったけど、たぶんレベル的には変わらないと思います。ただ、日本人選手は日本のツアーやコースに慣れていて、僕はアジアに慣れているから、その違いがあるんだと思います」

コースには違いがあるという。それは優劣ではない。

「アジアのほうがいろいろなタイプのコースや芝質がありますけど、日本は、今までプレーした経験では、芝はほぼ同じで、コースもあまり長くなくてフェアウェイが少し狭い感じです。でもだから、僕はそれに慣れる必要がある。そうしないと置いていかれますから」

当然、違う技術も要求される。

「たとえばインドに行くと高い木があったりするから球の打ち分けをたくさんしないといけない。イギリスでは強くて低い球が必要になる。でも日本では、練習場で打つ普通のショットをすごく上手く打たないとダメという感じ。アプローチもそうで、アジアはライによって違う技が必要で、セットアップを変えたり、ウェッジのバウンスを考えないといけない。日本のラフはつかまらなくて打ちやすいので1つのテクニックで出せますけど、それをすごく正確に打てることが必要です」

郷に入っては郷に従え。海外選手から見れば、日本のコースが簡単なのではなく、“違う”のだ。だから挑戦することで経験と引き出しが増え、次へのステップにできる。

ツアーの雰囲気はとてもよいと感じる。

「皆、優しくしてくれてありがたいです。それに皆プロフェッショナルだと感じます。ファンとも近いし優しいので、僕もサインなどしっかりするようになりました。ギャラリーはアジアンツアーより多いです。実はシンガポールなんかは、いいコースでいい大会なのにギャラリーが来ないんです。それに日本のギャラリーは皆さん、ゴルフが本当に好きそうだから、僕もプレーしていてワクワクしますね」

日本の開幕戦、東建ホームメイトカップでは8位タイに入り、早々と実力の片りんを見せたが、ここまでツアー会場で、一生懸命練習するコ・タイチーの姿を何度も目撃してきた。

「今まではプロアマ戦には出なくてよかったので……アジアでは月曜には練習しないですけど、日本に来てからは月曜と火曜に9ホール回ることも多いです。初めてのコースがほとんどだから、ノートをする時間も作りたい。早く学ばないと皆に遅れるので、それはきちんとしています」

真面目な性格なのだろう。こちらの質問にも一つ一つ丁寧に答えてくれる。

「いえいえ(笑)。まあゴルフに関しては真面目だと思いますけど、ゴルフしないときはリラックスしていますよ。YouTubeも見ますし、彼女とゆっくりすることが多いですね」

香港で仕事をしている彼女も、日本に応援に来たいと考えているという。最近はNetflixで見る日本のドラマにもハマった。

「『リブート』を見て『地獄に落ちるわよ』を見ました。めちゃくちゃ面白くて、2日くらいで全部見ました」

好きな日本食は?

「全部好きです。でも最近、日本に来るときに一番楽しみなのはコンビニ。香港やほかの外国のコンビニとは全然違います。お菓子の種類も多いし、お米、おにぎりがすごく美味しい。ファミリーマートが一番で、ファミチキが美味しいですね。味はオリジナルと決めていて、プレーの後は必ず行かないとダメです(笑)」

今年の目標は?

「結果の目標はないんです。とにかく自分のゴルフがきちんとできること。最近自分のベースラインからちょっと落ちているので、頑張って少しずつ調子を上げていきたい。シーズンが終わるまでには、“僕のゴルフ”を自分に見せたい。そうすれば優勝もできると思いますし、自信を持てるはずです」

プロになってからずっと、この目標設定は変わっていないという。

「ルーキーイヤーですぐに勝って、アジア大会でも勝って、自分のゴルフがいいときは優勝できるという経験をしてきました。プロゴルファーは常に波がある。下がっているときはあまり気にしないで自分に集中して頑張るようにしています」

そしてさらに先の目標を聞くと、すぐにはっきり答えが返ってきた。

「PGAツアーに行きたいです。啓太とも一緒にプレーしたい。アジアパシフィックで負けたことはすごく悔しかったんですけど、啓太と同じレベルでプレーできると信じています」

中島啓太もきっと、アメリカで心待ちにしているはずだ。

日本のファンに見てほしいプレーは、得意のアイアンショット。

「けっこうピンに向けて打つので、それを見てください」

「BMW日本ゴルフツアー選手権 森ビルカップ」では・・・
6Iで自身6回目のホールインワンを達成!

画像: 3日目、3番・パー3(実測値200Y)にて

3日目、3番・パー3(実測値200Y)にて

自慢のショット力を見せてくれた。

「完璧なショットで、風が4時の方向でピンも右だからちょっとフェード気味で打って、芯に当たってボールも高く上がって、打った瞬間にこれはすごい攻めることができたという感じでした。試合では初めてのホールインワンで興奮しました」

画像: ツアー選手権でキャディを務めたのは香港出身の日本人でプロゴルファーの水野眞惟智(みずの・しんいち)。「心強かったです。彼は台湾と中国とアジアの下部ツアーでプレーしています」

ツアー選手権でキャディを務めたのは香港出身の日本人でプロゴルファーの水野眞惟智(みずの・しんいち)。「心強かったです。彼は台湾と中国とアジアの下部ツアーでプレーしています」

爽やかに笑う25歳のルーキーに注目したい。

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週刊ゴルフダイジェスト6月30日号やMyゴルフダイジェストでは、注目の海外選手、旅好きハッピーパーソンであるトリスタン・ロバーのインタビュー記事を掲載。アメリカ・コロラド出身、冬はスノーボード、それ以外の季節はゴルフに打ち込むという二刀流の生活を送っていた彼はなぜ、ゴルフに人生を捧げることを決意し、日本ツアーに参戦することになったのか。30歳になったばかりのニューフェースの素顔に迫る。

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協力/BMW日本ゴルフツアー選手権森ビルカップ、太平洋クラブチャレンジトーナメント
撮影/岡沢裕行、姉﨑正

週刊ゴルフダイジェスト6月30日号「~Youは何しに日本へ?~ ニッポンにあるよき食、よき技、よき人々」より一部抜粋


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