
宮里藍が個人金メダルを獲得した釜山アジア大会。横峯さくらと上原彩子、3人も世界で活躍する選手になった
アマチュアゴルファーの目標である国内メジャー・日本女子オープンと、4年に1度のアジア競技大会のゴルフ競技が、今年は同週開催となってしまった。日本女子オープンは10月1日(木)〜4日(日)に兵庫県の宝塚ゴルフ倶楽部 旧コースで開催される。一方、「第20回アジア競技大会」のゴルフ競技は、9月30日(水)〜10月3日(土)の日程で実施される。さらに今年は日本(愛知・名古屋)で行われるという、特別な大会でもある。
日本女子アマの上位選手たちは、当然ながらアジア大会の日本代表候補になりうる(代表は選考中で後日発表予定)。日本女子オープンは優勝すればプロ転向のチャンスがあり、最終プロテストの権利を持たない選手もローアマチュアでプロテスト挑戦権が得られる。プロの試合の中でも圧倒的に注目を浴びる国内最高の舞台であり、喉から手が出るほど欲しい切符に違いない。
一方で、日の丸を背負って戦うアジア大会も、トップアマにとっては日本女子オープンに勝るとも劣らない大きな価値を持つ。過去を振り返ると、2018年のジャカルタ大会では男子では中島啓太が個人戦で金メダルを獲得し、中島や金谷拓実、今野大喜、米澤蓮を擁した男子日本代表も団体戦で金メダルに輝いた。彼らはその後、海外でも活躍するトッププロへと成長している。また、2002年釜山大会では宮里藍が個人金メダルを獲得し、後に世界ランク1位に上り詰めた。
さらに、2023年の杭州大会では馬場咲希もアジア大会を選択している。馬場は2022年に「全米女子アマ」を制覇し、同年の「日本女子オープン」でもローアマチュアを獲得していた。同大会では馬場、新地真美夏、橋本美月が日本代表として出場し、タイが団体金メダルを獲得する中で日本は団体5位と、個人・団体ともにメダル獲得には及ばなかった。それでも、世界を見据える馬場が「日本代表は名誉」としてアジア大会を選んだことは、この国際舞台がいかに重要であるかを物語っている。韓国のように金メダル獲得で男子は兵役免除となる国もあるなど参加国の熱量も高い。さらに今年は日本で行われるという点も非常に大きい。自国開催の国際大会で強豪と戦う経験は、選手たちのキャリアに計り知れないプラスとなるはずだ。
国内最高のタイトルか、日の丸を背負う国際舞台か。両大会が同等の魅力を持つからこそ、この日程重複は非常に悩ましい。
日本女子オープンを主催し、代表を派遣する立場でもある日本ゴルフ協会(JGA)は調整に尽力したが、日程を数日ずらすことは叶わなかった。出場権を持つ選手が代表に選ばれた場合の対応について、JGAの関係者は次のように語る。
「スケジュールの調整をお願いしたんですけども、残念ながら……」とした上で、「そこには選手の思い、選手のスケジュールや今後の目標がありますので、そこは尊重して決めてもらう。あるいは一緒に相談しながら決めることになります」と、個人の意思を尊重するスタンスを示した。
また、この日程重複は別の選手に思わぬドラマをもたらす可能性もある。昨年の日本女子オープンは「世界女子アマチュアゴルフチーム選手権(エスピリトサントトロフィー)」と日程が重なり、代表メンバーが欠場した。そのため、昨年の日本女子アマ17位タイだった廣吉優梨菜が繰り上げ出場し、見事3位に入りローアマチュアを獲得した。今年も上位選手がアジア大会を選択すれば、他の選手たちに国内メジャーへの出場チャンスが巡ってくることになる。
プロへの近道となる「日本女子オープン」か、自国開催の「アジア大会」か。 この2択に悩む可能性がある3選手にどちらを選択するか聞いてみると、今大会2位の廣吉優梨菜と3位の岩永杏奈は日本女子オープン出場を明言。優勝した長澤愛羅は「まだ決めてません」とのこと。
後日発表されるアジア大会の日本代表メンバーに注目したい。
