新しい命の誕生。姪っ子の名前は「サハリー」
ラウンド後の公式会見で「今週、何か特別なことが起きていると感じるか?」と問われたヘンダーソンは、満面の笑みでこう答えた。
「今週がこれほど素晴らしいのは、すべて姪っ子がこの世界に産まれてきてくれたおかげなんです」
実は今週、彼女の姉であり、長年キャディとして共に戦ってきたブリタニーが初産を迎え、無事に女の子を出産したのだ。そして、その姪っ子に名付けられた名前は「サハリー(Sahalee)」。この名前はヘンダーソンが10年前にメジャー初制覇を成し遂げた、思い出深いゴルフ場の名前である。
新しい命の誕生、そして自らの原点とも言える名前を持つ姪っ子の存在。「姪っ子のおかげで、私たちはとても良いエネルギーに乗れている」と語るように、この感動的で運命的なエピソードが、彼女の心に計り知れないポジティブなパワーをもたらしているのだ。
姉の代役、元大工の「いとこ」との絶妙なコンビネーション
出産を迎えた姉に代わり、今週彼女のバッグを担いでいるのは、幼馴染でもありいとこでもあるライアンだ。

ブルック・ヘンダーソンのキャディは姉・ブリタニーではなく幼馴染でいとこのライアン・ヘンダーソン
彼はプロのキャディではなく、元々は大工としてリノベーションなどの仕事をしていた。しかし、ヘンダーソンは「私たちは一緒にゴルフをして育ってきたから、コース上でもコース外でもお互いをよく理解している。彼への移行はとてもスムーズだったし、彼はゴルフをよく理解して、私が必要な時に的確に助けてくれる」と全幅の信頼を置いている。
今週の絶妙なコンビネーションで結果を出しつつ、彼女は離れた場所から常にサポートし続けてくれる姉への感謝も忘れない。
「彼女はすべてをやってくれる。今も私を見守ってくれている」
新しいキャディとの強い絆と、家族の温かいサポートが、メジャーの重圧から彼女を解き放っている。
最終組で迎える、運命のサンデーバックナイン

メジャー3勝目に向けてユ・ヘランを1打差で追うブルック・ヘンダーソン
通算10アンダーの単独2位で、彼女は最終日の「最終組」に入った。彼女が最終組でプレーするのは、母国カナダでの大会(2025年CPKC女子オープン)以来のこととなる。充実した精神状態で運命の18ホールに挑む彼女の言葉には、静かなる決意と喜びに満ちていた。
「このフィールドにいる誰もが、日曜日を最終組でスタートしたいと思っていたはず。だから最終組でプレーできるのが楽しくて仕方ないし、明日が楽しみでたまりません」
彼女がこれほどまでに自信をのぞかせるのには、明確な裏付けがある。公式データによれば、彼女は過去にLPGAツアーの最終日最終組に20回入っており、そのうち11回で優勝(勝率55%)を飾っている。さらに驚異的なことに、直近5回の最終日最終組でのプレーに限れば、なんと4回も優勝を果たしているのだ。データが示す通り、彼女は最終組に入った際に無類の勝負強さを発揮する「サンデー・キラー」なのである。
ポジティブなエネルギーに包まれ、最高の状態で最終日のティーイングエリアに立つブルック・ヘンダーソン。愛する姪っ子「サハリー」へ、10年ぶりのメジャータイトルという最高のプレゼントを届けるため、彼女は運命のサンデーバックナインへと向かっていく。
写真/PGAオブ・アメリカ
