ニューヨークのシネコックヒルズGCで行われた全米オープンでウィンダム・クラークは初日から首位を守り、14年のマーティン・カイマー以来の完全優勝を飾った。
画像: 全米オープンが揺れた

全米オープンが揺れた

だが、3年ぶり2度目の戴冠を祝福するムードはない。試合中は激しいヤジが飛び交い、最終日最終組を一緒に回り、盛大な声援を受けたスコッティ・シェフラーでさえ、クラークがグリーンを外して喜ぶギャラリーに「僕を応援してくれるのは嬉しいけれど、あれはやり過ぎ」と苦言を呈するほどだった。

アメリカのナショナルオープンでアメリカ人が首位を走っているのだから応援して然るべき。しかしニューヨークのギャラリーは厳しい。クラークが昨年の全米プロゴルフ選手権で投げたクラブがボランティアを直撃しそうになったり、昨年の全米オープンでオークモントCCのロッカーを怒りに任せて破損した事件を絶対に許さない姿勢を彼らは貫いた。

敵意に満ちた雰囲気のなか、6打あったリードはサム・バーンズの追い上げでみるみる縮まり最後は1打差に。「お前なんか大嫌いだ!」「バンカーに入れ!」など度を越す罵声に、4番ホールでは警察が出動してヤジを飛ばしたファンに退場を命じ、ほかにも何人かが退場させられた。

最終日はシェフラーの誕生日で「ハッピーバースデー」の合唱がコース内に響いた。勝てばキャリアグランドスラム達成となるシェフラーを応援するギャラリーの気持ちを察し、クラークは「グランドスラムのチャンスは貴重ですから応援は当然。でも彼はいつか必ず達成するでしょう。だって世界最高の選手ですから。ただ今日は僕の日」と語った。

18番でパーをセーブし優勝を決めた瞬間はさすがにクラークにも拍手が送られた。

表彰式でクラークは「ニューヨークの皆さんは僕のことが好きじゃないみたいですね。僕は大好きだけど。でも自業自得です。昨年は本当にひどいことをしましたから。今後は皆さんに認められるように頑張ります」と語った。

「アウェイの試合で勝つことほど素晴らしいものはない」とクラーク。チャンピオンは実感を込めた。

※週刊ゴルフダイジェスト2026年7月14日号「バック9」より


This article is a sponsored article by
''.