夏になるとラウンド機会が増えるコーライグリーン。ベントに慣れた人は思いのほか手こずってしまう。週刊ゴルフダイジェスト月714日号では、ひと癖あるコーライの攻略法をプロに聞いた。「みんなのゴルフダイジェスト」でもその一部をご紹介しよう。
画像: ベント感覚は通用しない! 猛暑で遭遇率が急増する“コーライグリーン”の罠と攻略法

解説/小林大介

日夜、世界のトッププロのスウィングを研究し、アマチュアへの指導経験も豊富。
湘南衣笠ゴルフ所属

コーライグリーンは準備が大事

これからの暑い時期や河川敷でラウンドをする場合、コーライグリーンでプレーするケースがある。しかし、ほとんどのゴルファーが普段ベントグリーンを回り慣れているため、久々にコーライグリーンでラウンドすると、思いのほか苦戦したという人も多いだろう。

今回、小林大介プロにコーライグリーンについて教えてもらった。

「コーライグリーンはみなさんが日頃多くラウンドするベントグリーンに比べて、芝の葉が太くて硬く、ハリのある芝質です。また、芝の密度もベントはきめ細かく密度が詰まっているのに対して、コーライの場合は密度はやや粗く、当然ボールの転がり方や止まり方などが変わりますので、ベント感覚でプレーをすると影響が大きいです。

また、コーライ芝は耐久性が高いので、2グリーン制を取り入れているゴルフ場においては、片方に暑さに強いコーライグリーンを採用していることも多いので、これからの暑い時期になると、アマチュアゴルファーもコーライグリーンでプレーする機会が増えてくると思います」

では、具体的にコーライグリーンはどのような難しさがあるのか。

「グリーンを狙うショットやアプローチでグリーンにキャリーをしても、地面が軟らかくボールの落下の勢いを吸収するベントとは違い、コーライの場合はボールが落下した際のエネルギーが吸収されず、スリップするような着弾からランが多く出たり、勢いよく弾んでしまったりすることで、グリーンをとらえられない難しさがあります。アプローチにおいても、ベントであればスピンが利いてくれるような弾道でも、コーライの場合はスピンがほどけてしまい、想定より転がってしまうことも多いです。

画像: コーライグリーンが難しい理由は3つ

コーライグリーンが難しい理由は3つ

『ゴルフは手前から』と言われますが、コーライグリーンの場合は、ショットやアプローチは手前から攻略していくのがより賢明な判断になります。

また、コーライで特に厄介なのが、グリーンに乗ってからのパッティングです。ベントのように滑らかにボールが転がらないので、芝の葉の抵抗を強く受けてしまい、いつもの感覚でストロークするとショートしてしまいます。一本一本の葉が強いので、芝目の影響も強く出ることが多く、距離感を合わせるようなストロークだとカップ際でことごとく芝目に沿って、カップから嫌われてしまいます。

また、コーライグリーンの場合、日本の限られた敷地の中に2グリーンを並べた背景から、グリーンが小さく、砲台グリーンになっていることが多いです。この小ささと砲台も相まって、さらに難易度が高くなります」

コーライグリーンが難しい理由

①表面が硬いのでショットが止まらない
着弾してからのランが出やすく、止まりにくい。また、スピンがほどけやすいことによって、着弾時に球が滑ってしまい、日頃の距離感との感覚が狂いやすい

②芝の抵抗が強いためストロークがショートしやすい
ハリがあり強い芝質のため、ボールの転がりに対して、強い抵抗を受ける。転がりにブレーキがかかるので、ベント感覚のストロークでは容赦なくショートする

③芝目の影響が強いため、ラインが読みづらい
芝質が硬くて強いので、芝目の影響がベントよりも格段に強い。特に、ストロークではボールが減速した際に影響をもろに受け、ライン読みが難しい

コーライとベントは何が違うの?

コーライは葉が太くて硬い
西洋に多い寒冷地型のベント芝は細くて柔らかく、密度が高い芝質で温暖気候での維持が難しい。一方、暖地型のコーライ芝は暑さに強く、葉は太くて硬く、ハリのある芝質であるのが特徴。近年の猛暑から、夏の時期のゴルフでは需要が高くなっている

コーライはグリーンが小さく、砲台が多い傾向にある
2グリーン制のゴルフ場が多い日本では、ベントとコーライの組み合わせが多い。グリーンの面積は小さくなり、水はけの関係から砲台形状が多く、グリーン周りの難易度が高くなる

取手国際はベントからコーライに変更した

近年、記録的な猛暑日が続く夏の時期。ゴルフ場のグリーンのメンテナンスが年々難しさを増していき、各ゴルフ場が悲鳴を上げるなか、トーナメントの舞台にもなり、茨城県の人気コースの一つ取手国際GC西Cが、昨年の11月より従来のベントグリーンからコーライグリーンにリニューアルした。

リニューアル後、以前のベントグリーンからグリーン面積はほぼ倍増。ここ数年ベントグリーンをバミューダに変更するコースは多いが、日本でも珍しい2種類のコーライ芝による2グリーンは、今後の日本の気候変動を見据えたモデルケースとなるだろう

画像: 取手国際ゴルフ倶楽部は2種類の高麗グリーンを採用

取手国際ゴルフ倶楽部は2種類の高麗グリーンを採用

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西洋生まれの柔らかいベント芝とは違い、太く硬くハリがあるコーライ芝は、着弾した瞬間にスピンをほどいてボールを滑らせ、ストロークには強烈なブレーキをかけてきます。では、グリーン周りの砲台形状や、カップ際でことごとくボールをさらっていく厄介な芝目を攻略し、パーを拾うための解決策とは一体なんなのか?続く【後編】では、数多くのアマチュアを救ってきた小林プロが、スコアを劇的に変えるための具体的かつ明確な“コーライ特効薬”を提示しています!

● フワリと上げる高い球は今すぐ封印せよ!
着弾後の不規則な跳ねを完全に抑え込み、計算通りのランを生む「PW転がしアプローチ」のメリット。
● カップに美しく届かせるジャストタッチは罪悪!
強い摩擦とよれる芝目を完全に無効化するための「常に30センチオーバー」のストローク論。
● 実はベントよりも驚くほどハッキリ見えている!
難解なラインを読み解く鍵となる「カップのふち(切り口)のへばりつき」を観察するプロの眼。

ひと癖ある夏の魔女を味方につけ、ショートゲームの引き出しを劇的に増やすプロの技術は後編に続きます。

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