7月12日(日)、国内女子ツアー「ミネベアミツミレディス 北海道新聞カップ」の最終ラウンドが北海道の真駒内カントリークラブ・空沼コース(6700ヤード・パー72)にて行われた。2254人のギャラリーが見守ったこの日のコースは、雨に加えて途中でゲリラ豪雨による29分間の中断を挟むタフなコンディションとなり、気温23.4度、南南東の風2.5m/sを記録。グリーンのスピードを示すスティンプメーターは12 1/3フィート、ファームネスは236と軟らかくボールが止まりやすいコンディションとなった。そんな中、首位から出た永井花奈が3バーディ・1ボギーの「69」で回り、トータル19アンダーで9年ぶりとなる涙のツアー通算2勝目を飾った。
画像: 9年ぶりに優勝を果たした永井花奈(撮影/有原裕晶)

9年ぶりに優勝を果たした永井花奈(撮影/有原裕晶)

「ダメだと思わないでできる!」9年の苦悩を乗り越えた永井花奈

単独首位でスタートした永井花奈が、プレッシャーと悪天候を跳ね返し、ついに悲願の2勝目のトロフィーを掲げた。

前半は我慢の展開が続いた。7番(パー4)のティーショットを右に曲げてしまい、隣の6番ホールへ打ち出すトラブル。そこからセカンドショットを打った直後の12時11分に悪天候による競技中断となった。このホールをボギーとし、前半を1オーバーの「37」で折り返す。「奥ピンに対して突っ込むことが苦手で、ロングホール(パー5)ではバーディが獲りたいという想いがあったので獲れなくて残念でした」と前半を振り返った。

しかし、ハーフターン時に「20アンダーに乗せるにはそろそろやばいぞ」と危機感を覚えた永井は、後半に底力を発揮。迎えた10番(385ヤード・パー4)、150ヤードからのセカンドを7番アイアンで3メートルにつけてバーディを奪うと、続く11番(パー5)もバーディ、そして14番(パー3)、15番(パー4)でも連続バーディを奪取。バックナインを「32」でまとめ、4バーディ・1ボギーのトータル「69」、通算19アンダーで後続を振り切った。

優勝インタビューでは「最高です!!1勝してから、まさか2勝目がこんなに時間が掛かるとは思っていませんでした」と歓喜の表情。「9年ぶりは長いように見えて、1勝目がすごくラッキーだったので、実力的には今のほうがあると思います。足りないものが本当に多かったので2勝目まで時間が掛かったと思います」「気持ちはとっくにボロボロになっていました。応援してくれる人がいるから簡単には辞められなかったですし、恩返しをしたかった。応援してくれている人たちが2勝目を挙げたら喜んでくれるんだろうな、と考えていました」と、長い苦悩の道のりを振り返り涙をにじませた。

先週の「資生堂・JAL レディスオープン」でのプレーオフ敗退を経て、「ダメでしたけど、改善点もあって同じミスをしないように。ダメだと思わないでできる! という自信を持っていかないと勝てるものも勝てない」とメンタル面を強化。今季の平均ストローク70.9130(3位)、平均バーディ数3.4310(6位)、平均パット数1.7768(5位)、リカバリー率65.4615(12位)というトップクラスのスタッツが示す通り、総合力を飛躍的にアップさせた。

記念撮影では大好きな『ONE PIECE』の「ニカ(ルフィ)」のポーズを披露し、89歳の誕生日を迎えたばかりの祖母への最高のプレゼントを届けた。

画像: 大好きな『ONE PIECE』の「ルフィ(ニカ)」のポーズを披露

大好きな『ONE PIECE』の「ルフィ(ニカ)」のポーズを披露

ホステスプロ阿部未悠が単独2位、猛チャージの青木瀬令奈が3位タイへ

首位と3打差のトータル16アンダー単独2位には、地元・北海道出身で所属契約を結ぶホステスプロの阿部未悠が入った。

この日は2番でバーディを先行させるも、雨と中断の影響でパーが続く展開に。それでも13番(パー4)で残り137ヤードから2mにつけてバーディ、16番(パー4)でも6mの難しいスライスラインを沈め、3バーディ・ノーボギーの「69」でフィニッシュ。4日間を通してボギーをわずか1つに抑える抜群の安定感を示した。「今日はゲリラ豪雨のような雨もあって、グリーン上でタッチを合わせるのが難しかったです。2番でバーディを獲れたけど、そこからパーを積み重ねる時間が長くて、どこかでバーディが獲れていれば流れが変わっていたかもしれません」と悔しさをにじませつつも、「大会を盛り上げることができたと思います。優勝争いができていい1週間になりました。調子は悪くないと思いますし、勝てるまで頑張りたいです」と前を向いた。

今季の阿部はパーオン率67.6955%(16位)、平均バーディ数3.1481(20位)とショットメーカーとしての実力を証明しており、地元でのツアー最上位フィニッシュは次戦「meijiカップ」(北海道開催)への大きな弾みとなりそうだ。

また、この日最もリーダーボードを沸かせたのが、トータル15アンダーの3位タイにくい込んだ青木瀬令奈だ。

前半の2番、4番、5番、6番、9番でバーディを奪い、驚異の「31」で折り返す猛チャージ。後半の12番でもバーディを奪い、6バーディ・ノーボギーの「66」を叩き出し、今季初のトップ10入りを果たした。

「やりました(笑)! 気負わずにやれたのが良かったですね。トップ10というより18ホールしっかりゴルフして帰ろう、というマインドでやれたことが良かったと思います」と笑顔を見せ、「伸ばし合いになると思っていたので、自分が前半5個伸ばしたところでまだ3打差はあるな、という感覚でした」「後半は13〜15番とピンチだったので、パーセーブできて良かったです」と納得の表情で4日間を締めくくった。

画像: 【左】阿部未悠【右】青木瀬令奈(撮影/有原裕晶)

【左】阿部未悠【右】青木瀬令奈(撮影/有原裕晶)

首位争いを演じた仲宗根澄香「いつかは優勝できる日がくる」

そして、2日目まで単独首位に立ち、最終日最終組で優勝争いを演じた仲宗根澄香は、2バーディ・2ボギーの「72」で回り、青木瀬令奈と並びトータル15アンダーの3位タイでフィニッシュした。

6番(パー5)と8番(パー3)でバーディを奪うも、9番(パー4)と16番(パー4)でボギー。「前半からあんまり良くなかったというかバーディパットが打てていなかったです。それでも悪いなりにいいプレーができていたと思います」と振り返る。

今季リカバリー率66.5354(10位)、平均パット数1.8027(23位)の強みを発揮し、「3パットしそうな場面でもいいパットをしっかり打てていたので、自分でも成長をしていると思います」と手応えを語った。

悲願の初優勝には一歩及ばなかったが、「もちろん悔しいですし、優勝したかったです。今まではダメなところばかり見てしまうけど、良いところを見ていかないと自分の成長にもならない」「今のゴルフでもこうして優勝争いができることは分かりましたので、あえて何かを変えるよりも、いつかは優勝できる日がくると思っています。この位置にいられた自分を褒めたいです」と力強く語り、確かな自信を胸に会場を後にした。

画像: 仲宗根澄香(撮影/有原裕晶)

仲宗根澄香(撮影/有原裕晶)

悪天候と緊迫した戦いの中、永井花奈の9年ぶりの復活優勝という感動的な結末で幕を閉じた今大会。次週以降も、熱き戦いを繰り広げる女子プロたちの活躍から目が離せない。


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