連日続く猛暑の中、23日より開幕を迎える「大東建託・いい部屋ネットレディス」。コース管理スタッフの並々ならぬ努力と散水作業によって保たれたグリーンだが、今大会はひと味違うドラマが待ち受けていそうな予感がある。その理由が練習ラウンドを終えた選手たちが一様に口にした「今シーズンで一番グリーンが柔らかくて重い」という言葉だ。通常のトーナメントであれば、キャリー後のランを計算して番手や狙いどころを決めるのが鉄則だ。しかし今大会、プロたちが迫られているのは「ボールが戻ってしまう距離」の計算。狙い通りに落としたはずのショットが、スピンで戻りすぎてピンから遠ざかってしまう……そんなコンディションに、選手たちはどう立ち向かうのか? 異例のコースセッティングを攻略すべく、選手たちが明かした「秘策と対策」に迫る。

阿部未悠の2週連続優勝へのカギは”サブ”パターの活躍

画像: 先週の明治安田レディスより使用しているというテーラーメイドの「スパイダーツアー・V」(撮影/有原裕晶)

先週の明治安田レディスより使用しているというテーラーメイドの「スパイダーツアー・V」(撮影/有原裕晶)

まず攻略への糸口を教えてくれたのは、先週の明治安田レディスにて2年3カ月振りの優勝を挙げた阿部未悠だ。

「先週からグリーンがやや重めだったんですが、エースパター(普段はピンゴルフの『PLDプロトタイプ』を使用)だと届かないことがあったんですが、そのままエースを使用して強く打ってしまうと変なイメージが残ってしまうと思い、初速が出てエースよりも少し飛んでくれるイメージの『スパイダーツアー・V』を使用したんです。今週もグリーンが柔らかく重めなので続けて使おうと思っています」と先週に引き続きエースではないサブパターでグリーン攻略を目指すという。続けてショット面での対策も話してくれた。

「キャリーしてから戻ってきてしまうようなホールのときは手前意識というよりも下りのラインが残ってもいいと思ってしっかりピンに打っていくようにしようと思っています。もともと下りのパットが苦手ではないので多少オーバーしても許せるかなと」

番手を上げてスピンを落として狙う!

画像: 試合に向けハーフショットの練習を行っていた稲垣(撮影/有原裕晶)

試合に向けハーフショットの練習を行っていた稲垣(撮影/有原裕晶)

阿部とは違った対策を明かしてくれたのプロが2人いる。一人目は稲垣那奈子だ。

「まずはピンの根元まで打っていくイメージにしています。それでも、受けているグリーンなどではロングアイアンでもボールが戻ってきてしまう。なので、いつもより1番手上げてハーフショットにして、できるだけスピンを入れないスウィングを意識しています」

ここで何より重要になるのが、スウィングの「力感」だという。

「少しでも力んで打ち込みにいくと、余計にスピンが入って戻ってしまうんです。だからこそ力感は変えず、流れるように振るイメージを大事にしています」(稲垣)

力感を変えずに体の回転意識で振ることで、入射角は緩やかになるためスピンも”入りすぎない”でグリーンを狙うことができるというわけだ。

パターのロフトを変えて試合に臨む

画像: 河本結は「WHITE HOT OG パター ROSSIE S」のロフト4.5度で試合に臨む(撮影/大澤進二)※写真はリゾートトラストレディスのもの

河本結は「WHITE HOT OG パター ROSSIE S」のロフト4.5度で試合に臨む(撮影/大澤進二)※写真はリゾートトラストレディスのもの

そしてもう一人、河本結はショットに対してさらにダイレクトな攻めの姿勢を見せたいという。

「すべてダンクインするくらいのイメージで打っていかないと、戻りすぎてショートしてしまいます。だからこそ、しっかりピンの根元に落としていくマネジメントを徹底したいですね」

さらに河本はパターにも工夫を加えていた。

「重いグリーンは芝が長いので抵抗がありますし、ボールが最初から少し埋まっているような状態なんです。そうなると、いつも通りのロフト3.5度のパターではインパクト時にボールが芝に当たってしまい、初速が出なくなる。その結果、ショートが連発してしまうんです。なので今週は、ロフトを1度寝かせた4.5度のパターで臨むことにしました」

ロフトを1度寝かせることで打球にわずかなキャリーを生み出し、芝の抵抗に負けずに本来の初速をしっかり出す。真夏のコンディションに合わせた、プロならではの緻密なアジャストだ。

プロたちが口をそろえて話す「今シーズンで一番柔らかくて重いグリーン」をどう攻略していくのか、今週はそれぞれの攻め方に注目してみるのも面白い。

※2026年7月22日 22:05 一部修正しました


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