今回でPGAツアーのレギュラー大会として第8回目の開催を迎える「3Mオープン」が本日、いよいよ開幕する。 本大会を配信するU-NEXTが、丸山茂樹プロとの名コンビでお馴染み・杉ちゃんこと杉澤伸章キャディに見どころを詳しく聞き、その内容を「みんなのゴルフダイジェスト」に寄稿してくれた。大会の注目ポイントをおさらいしよう!

プレーオフ進出をかけた、シーズン最終盤のサバイバル戦

「3Mオープン」は26年間続いたシニアツアー(PGAツアー・チャンピオンズ)の「3Mチャンピオンシップ」を引き継ぐ形で、2019年にPGAツアーとして新設された。また、本大会はPGAツアーにおいて「プレーオフ進出をかけた、レギュラーシーズン最終盤のサバイバル戦」という非常に重要な立ち位置にある。2026年大会は世界ランキング1位のスコッティ・シェフラーや日本の松山英樹が出場し、例年以上にハイレベルで注目度の高い大会となっている。なお、今大会はアーノルド・パーマーが設計し、2000年に開場したミネソタ州の名門コースであるTPCツインシティズで開催される。

「今回開催されるTPCツインシティズの最大の特徴は18ホール中15ホールに池が絡むことです。フェアウェイ幅は平均35ヤードとPGAツアーの中では比較的に広めですが、池を恐れずにドライバーを振り抜き、飛距離を稼ぐことができるかどうかが鍵を握ります」(杉澤・以下同)

連覇を狙うカート・キタヤマ、強さの秘密

今大会を語る上で、どうしても杉澤キャディがプッシュしたい選手がいる。

画像: TPCツインシティズのラウンドは過去8回で36アンダー(1ラウンドあたり4アンダー)と相性がいいカート・キタヤマ(写真は26年ソニーオープン・イン・ハワイ)

TPCツインシティズのラウンドは過去8回で36アンダー(1ラウンドあたり4アンダー)と相性がいいカート・キタヤマ(写真は26年ソニーオープン・イン・ハワイ)

「今大会の注目選手は、やはりカート・キタヤマですね。彼は2025年大会でPGAツアー通算2勝目を挙げており、ディフェンディングチャンピオンとして連覇を狙って出場します。今シーズンはすでに4度のトップ10フィニッシュを記録し、全米プロゴルフ選手権では史上最少タイスコア『63』をマーク。この猛チャージで10位タイまで浮上し、成績もかなり良かったので調子はいいと思います」

なかでもイチ推しの理由として、杉澤キャディはカート・キタヤマとコースの相性の良さを挙げる。

「カート・キタヤマの最大の特徴は総合力の高さです。ショットは飛んで曲がらず、平均飛距離は314.1ヤード(ツアー20位)と屈指のパワーを誇りながら、ティーショット全体のトータル指標(SG:オフ・ザ・ティー)でもツアー32位と高水準を維持しています。またグリーンを狙うアイアンショットの貢献度(SG:アプローチ・トゥ・グリーン)もツアー10位と圧倒的です。さらにショットだけでなく、世界中で戦ってきた精神の強さが彼を推すもう一つの理由です。彼はかつて米下部ツアーで苦戦し、アジアンツアー、欧州(DPワールド)ツアー、南アフリカ、日本などの世界中のあらゆるツアーを回り這い上がってきた異色の経歴を持っています。このタフな経験が『アウェイや過酷な状況でも動じない精神力』を作りました。池が絡み、プレッシャーのかかるホールが多いTPCツインシティズにおいて、池を恐れずにドライバーで飛距離を稼げる彼の『飛んで曲がらないショット』と、過酷な状況でも動じないメンタルは非常に大きな武器になります。だからこそ、このコースとの相性が抜群に良いのです」

実際、公式資料に目を向けると、キタヤマは同コースでの過去8ラウンドで通算36アンダーという驚異的なスコアを記録している。本人も「なぜかこのコースは自分に合っている」と口にしている通り、データと本人のフィーリングの両面から、相性の良さは折り紙付きなのだ。

名伯楽との出会いがもたらした圧倒的な進化

そんな不屈の男がさらなる安定感を手に入れた背景を杉澤キャディはこう語る。

「名コーチであるクリス・コモとの出会いです。師事して以降、課題だったティーショットの精度は劇的に向上し、本人も『かつてなら避けていたタイトなホールでも、自信を持ってドライバーを振り抜けるようになった』と語っています。その言葉通り、圧倒的な飛距離にツアー屈指の正確性が加わりました。これは余談ですが、バスケで鍛えた強靭な下半身と体幹の強さ、爆発的なヘッドスピードを誇り、これが平均314ヤードの飛距離を生み出す原動力となっています」

培ってきた世界基準の精神力と、名伯楽の手ほどきによって進化したショット力。この二つが完璧に噛み合っている今、彼がディフェンディングチャンピオンとして迎える今大会で、再び表彰台の真ん中に立つ姿を想像するのは決して難しいことではない。

U-NEXT/窪山京真
写真/岩本芳弘


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