デシャンボーが語る「1週間遅れ」の真意と執念
初日を終えたあとの会見で、デシャンボーに対して質問が飛んだ。

ラウンド後の会見を受けるブライソン・デシャンボー
「ハーバートとの同組対決は、1週間遅かったのではないか?」
先週の全英オープンで、彼らが優勝争いの最終組で激突する姿を見たかったというファンの声を代弁した問いだ。全英の2日目、デシャンボーも「66」の猛チャージを見せたが、5番ホールでのライの改善(※ゴルフ規則8.1)により2罰打で順位を落とし、幻の最終組対決となってしまった背景がある。
これに対し、デシャンボーは少し微笑みながら、あの日の裁定への本音と現在の心境をこう答えた。
「1週間遅いかって? まあ、ゴルフとはそういうものだよね。もちろん、先週彼と戦いたかったというのは確かだ。誰の人生にも逆境の時はあるし、私はあの時、自分が正しいと信じたことを熱く主張した。でも、今はもう起きたことであり、乗り越えて前に進み続けるしかないんだ」
ペナルティへの無念を飲み込み、前を向いた達観した言葉。そして彼の目は、すでに目の前の標的にしっかりと向けられていた。彼は初日のラウンド中、14番ホールでリーダーボードを見てハーバートが10アンダーまで伸ばしているのを知り、「なんてこった、全ホールでバーディを獲らなきゃ」と、よりアグレッシブなマインドに火がついたと明かしている。
「我々にはまだあと3日間ある。我々はこのトーナメントに勝つためにここにいるんだ」
デシャンボーは、第2ラウンドでの直接対決に闘志を燃やしつつも、それが最終決戦ではないことを熟知している。72ホールという長丁場において、この同組対決はあくまで主導権を握るための「熱い通過点」の一つに過ぎないのだ。
互いへのリスペクトと、観客を巻き込むエネルギー
一方、首位でデシャンボーを迎え撃つハーバートもまた、この直接対決を心待ちにしている。

コースレコードの「61」をマークし、第2ラウンドでデシャンボーと同組になることへの喜びを話すルーカス・ハーバート
「水曜日の時点では、彼は『今年のすべての予選を落ちるかもしれない』なんて言われていたんだ。ところが金曜日になると、彼に関する話題は一変した。彼が素晴らしいゴルフを見せつけたからね。彼がそうやって見事なプレーをするのを見るのは、本当に気分が良いものだよ」
同じプロゴルファーとして、デシャンボーの爆発力と精神力をリスペクトしてやまないハーバート。彼はこの直接対決がもたらす相乗効果に、大いなる期待を寄せている。
「彼と一緒にプレーするのは、いつも本当に楽しい戦いになるんだ。彼は観客を巻き込んで、とてつもないエネルギーをコースにもたらしてくれるからね。明日のラウンドが今から楽しみだよ。イングランドのファンがコースに出てきて、その熱気とエネルギーを感じてくれることを願っている」
残り54ホールの長丁場へ。大会の行方を占う第2ラウンド
大会はまだ、最初の18ホールを終えたばかりだ。残り3日間、54ホールという長丁場において、何が起こるか分からない。しかし、この第2ラウンドの最終組で繰り広げられる「1週間遅れの直接対決」が、今大会の最大のハイライトとなることは間違いない。

全英OPからの好調を維持するハーバートとデシャンボー。この二人の一騎打ちになるか、注目だ
さらに初日を終え、ハーバート擁する「リッパーGC」が首位、デシャンボー率いる「クラッシャーズGC」が2位と、チーム戦でもこの2人がバチバチの首位攻防戦を繰り広げている。
完璧なゴルフで首位を快走するハーバートが、このまま独走態勢に入るのか。それとも、虎視眈々と逆転を狙うデシャンボーが強烈なプレッシャーをかけ、王者の意地を見せつけるのか。72ホールの過酷なサバイバルレースの行方を大きく左右する運命の第2ラウンドから、決して目を離してはならない。
写真/LIVゴルフ提供
