今回指南してくれるのは、茨城県取手市にある「取手桜が丘ゴルフクラブ【アコーディア・ゴルフ】」の2025年クラブチャンピオンで、“ツッチー”こと辻垣内柾好(つじがいと・まさよし)さん。実は彼、シャフト製造メーカーを自ら経営する社長でもあります。飛距離アップに欠かせない「ギア」にめっぽう強いクラチャンの登場に、みやびさんは目を輝かせていました!

3人目は取手桜が丘GCのクラチャン・辻垣内柾好さん
●辻垣内柾好さんのプロフィール
2025年に取手桜が丘ゴルフクラブのクラチャンに輝く。職人技から生まれる高弾性と高性能がウリのカーボンシャフト製造メーカー「シンカグラファイト」を運営。吉澤柚月などの女子プロたちが同社のシャフトを実戦投入している。得意クラブは「パター」。
シャフトメーカー社長が、自社製品でつかんだクラチャンの座

辻垣内さんの話に興味津々
みやびさんも興味を持った「辻垣内」という珍しいお名前。出身である和歌山県に多いそうで、読みにくいと言われる反面、一度覚えられると忘れられないメリットもあるとか。
そんな辻垣内さんがシャフト製造メーカーを立ち上げたのは約12年前のこと。それまでも仕事でゴルフには関わっていたものの、メーカーを立ち上げる前は年に数回プレーする程度だったそうです。
ただ、製品を世に出すからにはその良さを語らなければならず、そのためには説得力も必要になります。次第にゴルフの回数も増え、それに伴い腕前も上がっていったそうです。
そんなこんなで迎えた昨年のクラブ選手権。なんとか決勝戦まで進んだ辻垣内さんですが、なんと決勝戦の相手が「自社のシャフトを使用している方」だったといいます。それも何か運命めいたものを感じざるを得ません。激闘の末、見事にクラチャンに輝いた辻垣内さんは、改めてギアやシャフトの重要性を感じたとのことです。
シャフトに機能はない? スウィングを作る大切なパーツ

練習場にて、即席フィッテングを開催してくれた辻垣内さん
みやびさんの今年の目標の一つが「飛距離で200ヤードを越すこと」。そのためには技術はもちろんですが、自分に合っているギアを使用することも重要です。そこで辻垣内さんは、シャフトがどのように大切なのかを、ほぼ知識を持っていなかったみやびさんに説明してくれました。
「これは私の個人的な意見ですけど、『シャフトには機能がない』と私はよく言います。シャフトを作っているメーカーの人間が言うのも変な話ですが、もちろん広告は作りますし、テクノロジー的なことも謳います。『このシャフトは飛ぶんだ』と思わせるようなことも言います。でも、シャフトを分類すると『手元が硬いか軟らかいか』『先が動くか動かないか』だけなんです。
そのうえで、一番触れている部分って手元側ですよね。だから、その手元側のしなりがその人に合っているかどうかを最初に見なければならないんです」(辻垣内さん・以下同)

「シャフトを変えるだけ」で、みやびさんの悩みを解決できちゃう⁉︎
ショップに行けば星の数ほどあるシャフトから自分に合うものを選ぶのはかなり困難。知識のないみやびさんのようなビギナーなら、なおのこと言われたままのクラブを使うしかなくなります。実際、みやびさんはピンのドライバーを使っていますが、2、3年前にフィッティングして以降は特に何も変えていないといいます。それが良い悪いではなく、大事なことは「そのシャフトが自分に合っているかどうか」だと辻垣内さんは語ります。
「シャフトって機能ではなく、その人の『スウィングを作るパーツ』なんです。シャフトが変わるとスウィングも変わる。ネガティブな言い方をすれば、悪い方向に変わってしまうこともある。だからフィッターとしては、そのシャフトを持たせてあげることによって、その人がどんどん良くなるような目利きをしなければならないんです」
特に大事なのは「切り返し時の感覚」。シャフトが合う・合わないでスウィングに変化が起こるそうですが、まだシャフトの役割の入り口に立ったばかりのみやびさんのため、辻垣内さんのご厚意により、いまのスウィングの状態を見てもらうことになりました。
飛ばない原因はアドレスにあり! 重量アップで劇的変化

右に行く傾向がある人は、まずはアドレスに問題がないかチェック。「練習場のマットは真っすぐ置かれていないので、そこも気にして立ってみてください」と辻垣内さん。この打席の場合、狙いは右から2つ目のポールあたり
練習場で数発打ってみたみやびさん。ボールは右に行く傾向がありました。
「右にいく原因は、かなりカット軌道に入っていることですね。右に飛んだりスライスしたりする原因は、自分が思っているよりも右を向いてしまっているからです。右を向くというのは我々アマチュアには本当に多いことなんですが、無意識に右を向いてしまっているものだから、そのアドレスのままターゲット方向に飛ばそうとして左に振ってしまう。だからカット軌道になってしまうわけです。本来はスタンスに沿って振ればいいだけなんですが、そもそもアドレスが間違っているからスタンスなりに振れない。結果、カットに振るしかなくなるわけです」

記念すべき一本目は、「50gのR」シャフトを試すことに!
さっそくみやびさんの飛ばない原因を解明した辻垣内さんでしたが、本領発揮はここから。みやびさんの構えを修正してから行われたプチフィッティング会で、飛距離アップの新たなヒントを得た様子。辻垣内さんがみやびさんに渡したのは、50gのシャフトが入ったクラブでした。
「元々ご自身のクラブに入っていたのは約35gで、これは50gのRフレックスです」
みやびさんが打った感触は、1発目からかなりの好感触。何もわからないまま同じシャフトを使用し続けていたみやびさんでしたが、実際は「重めのシャフト」のほうが気持ちよく打てたのです。
「初心者だから軽いのがいい」「まだまだ技術が乏しいから軟らかいシャフトがいい」という考え方は、シャフトを選ぶうえでの本質ではなく、単なる想像でしかありません。それよりも、自分に合ったものを選ぶことが重要だと辻垣内さんは言います。
辻垣内さんのホームコースである取手桜が丘GCは、高低差が3mと言われるほどフラットなのが特徴。正確な飛距離を計測するにはもってこいのコースだけに、次回、さらにフィッティングの知識を深めて臨むラウンドでのみやびさんの進化にご注目ください!
~【今回の舞台:取手桜が丘ゴルフクラブ】~
今回、辻垣内さんによるフィッティングとラウンドの舞台となったのは、茨城県取手市にある「取手桜が丘ゴルフクラブ(アコーディア・ゴルフ)」。1991年に開場した片山康氏設計による林間コース(18H・6836Y・Par72)です。
コース最大の特長は、全体の高低差が3m以内という非常にフラットな地形。女性や初心者、シニアゴルファーでも体力の負担が少なく、乗用カートのフェアウェイ乗り入れ(※有料)も可能なため、快適にラウンドできる設計になっています。今回のような正確なキャリーの計測やスウィングチェックには最適な環境です。

アプローチ練習場やバンカー練習場もある
また、15打席(120ヤード・ドライバー使用可)のドライビングレンジに加え、実践的なアプローチやバンカー練習場も完備されており、スタート前にじっくりと調整を行える充実した練習環境も魅力の一つ。JR常磐線・藤代駅から車で約5分とアクセスも良好で、駅からの無料送迎バスも運行しているため、電車派のゴルファーも気軽に足を運べるコースです。
撮影/岡沢裕行
