1週間のオープンウィークを終え、いよいよ2026年国内女子ツアーの後半戦が今週の「北海道meijiカップ」からスタートする。プロゴルファー・中村修が前半戦の初優勝、ルーキー、ベテラン勢の活躍を振り返り、後半戦の展望を語る。

序盤は佐久間朱莉と菅楓華がツアーを牽引

画像: 開幕戦で優勝を手にしたのは佐久間朱莉(撮影/岡沢裕行)

開幕戦で優勝を手にしたのは佐久間朱莉(撮影/岡沢裕行)

開幕戦「ダイキンオーキッドレディス」は昨年の年間女王・佐久間朱莉の優勝で幕を開けました。その後は2週連続で2位(タイ)と好調をキープする佐久間選手に対し、開幕戦を6位タイで終えた菅楓華が台湾で開催された2戦目「台湾ホンハイレディース」で優勝(通算2勝目)。以降2位タイ、3位、4位と上位に入り続け、序盤はこの二人がツアーを席巻しました。

画像: 2戦目「台湾ホンハイレディース」は菅楓華(撮影/有原裕晶)、5戦目「ヤマハレディースオープン葛城」・7戦目「KKT杯バンテリンレディスオープン」は髙橋彩華が制覇(撮影/有原裕晶)

2戦目「台湾ホンハイレディース」は菅楓華(撮影/有原裕晶)、5戦目「ヤマハレディースオープン葛城」・7戦目「KKT杯バンテリンレディスオープン」は髙橋彩華が制覇(撮影/有原裕晶)

佐久間選手はフェードボールの精度向上のためにスウィングをアップライトに変更し、クラブもコントロール性の高いモデルにチェンジ。菅選手はオフトレで走り込みを増やし体力面を強化するなど、26シーズンへの準備が奏功しました。同じようにオフに徹底的に取り組んだショートゲーム強化の成果が表れ、「ヤマハレディースオープン葛城」と「KKT杯バンテリンレディス」で一番乗りの複数回優勝を果たしたのが髙橋彩華選手です。特に「ヤマハレディースオープン葛城」の最終ホールで3打目を直接放り込むイーグルを決め3人のプレーオフに持ち込み勝ち切った姿は印象的でした。

存在感を示すベテラン勢と、年間女王を争う河本・桑木の躍進

画像: 3戦目「Vポイント×SMBCレディス」では笠りつ子(撮影/姉﨑正)、4戦目「アクサレディス」では永峰咲希(撮影/姉﨑正)、15戦目「ニチレイレディス」ではイ・ミニョン(撮影/大澤進二)が優勝

3戦目「Vポイント×SMBCレディス」では笠りつ子(撮影/姉﨑正)、4戦目「アクサレディス」では永峰咲希(撮影/姉﨑正)、15戦目「ニチレイレディス」ではイ・ミニョン(撮影/大澤進二)が優勝

ベテラン勢に目を向けると、3戦目の「Vポイント×SMBCレディス」で難コースとして知られる紫カントリークラブ・すみれコース(千葉県)を制したプロ21年目の笠りつ子選手、4戦目の「アクサレディス」で地元優勝(UMKカントリークラブ・宮崎県)を飾った永峰咲希選手、「ニチレイレディス」でイ・ミニョン選手が大出瑞月選手と吉﨑マーナ選手と戦ったプレーオフを制すなど、低年齢化が著しい女子ツアーの中で豊富な経験とクラブの進化を味方につけたベテラン勢の優勝が目に留まりました。

画像: 永井花奈は18戦目「ミネベアミツミレディス」で悲願のツアー2勝目を達成(撮影/有原裕晶)

永井花奈は18戦目「ミネベアミツミレディス」で悲願のツアー2勝目を達成(撮影/有原裕晶)

そして、何度も優勝争いを繰り広げながらも勝ちに恵まれなかった永井花奈選手が「ミネベアミツミレディス」では見事に勝ち切り、2017年「樋口久子 三菱電機レディス」以来のツアー2勝目を飾ったことも記憶に残りました。

画像: 今季初の国内メジャー「サロンパスカップ」、12戦目の「リゾートトラスト レディス」で優勝を挙げた河本結(撮影/大澤進二)

今季初の国内メジャー「サロンパスカップ」、12戦目の「リゾートトラスト レディス」で優勝を挙げた河本結(撮影/大澤進二)

年間女王を狙う河本結選手の「ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ」という公式戦での優勝は、技術力の高さと食事管理やトレーニングの成果を物語っており、同じく4日間大会の「リゾートトラスト レディス」で、髙橋選手に続く複数回優勝を遂げました。河本選手はこの結果に満足することなく、普段の歩く姿勢にも目を向けるなど生活のすべてをゴルフに注ぎ、年間女王を目指すと公言しています。

画像: 10戦目「Sky RKBレディス」を制したのは、桑木志帆(撮影/有原裕晶)

10戦目「Sky RKBレディス」を制したのは、桑木志帆(撮影/有原裕晶)

その争いのなか、名乗りを上げたのが桑木志帆選手です。昨年は国内未勝利と辛酸を舐めていましたが、今季は4月から上位に顔を出し「Sky RKBレディス」で2年ぶりの優勝(通算4勝目)を飾ると、約1カ月後の「宮里藍サントリーレディス」で早くも2勝目を挙げて一気にポイントランクを駆け上がりました。つい先日開催されたLPGAツアー「AIG女子オープン」では、初の海外メジャー制覇を成し遂げ、その他の試合でも予選落ちなく結果を残し、佐久間選手や菅選手を追い抜きポイントランク1位へと躍進しました。

ルーキーから中堅まで!ツアーを盛り上げるニューヒロインたち

画像: 吉田鈴は13戦目「ヨネックスレディス」で待望のツアー初優勝を飾った(撮影/有原裕晶)

吉田鈴は13戦目「ヨネックスレディス」で待望のツアー初優勝を飾った(撮影/有原裕晶)

今季最初のツアー初優勝者は「ヨネックスレディス」を制した吉田鈴選手でした。ルーキーイヤーだった昨年は惜しくもメルセデス・ランキング51位で終えていましたが、前半戦の出場権を得て臨んだ2年目のシーズンに初優勝を挙げ、着実にレベルアップしていることを見せつけました。

画像: そのほか倉林紅が17戦目「資生堂・JALレディス」、加藤麗奈が20戦目「大東建託・いい部屋ネットレディス」でツアー初優勝を飾っている(ともに撮影/岡沢裕行)

そのほか倉林紅が17戦目「資生堂・JALレディス」、加藤麗奈が20戦目「大東建託・いい部屋ネットレディス」でツアー初優勝を飾っている(ともに撮影/岡沢裕行)

そして「資生堂・JALレディス」で、JLPGA史上初の7名でのプレーオフを制し、ルーキー一番乗りの初優勝を挙げた倉林紅選手。プレーオフで見せた距離のあるバンカーから寄せた見事なバンカーショットは、スタート前に練習していた成果が出たと言いますから、準備の大切さを教えてくれます。

続いて真夏の暑さとなった「大東建託・いい部屋ネットレディス」では、プロ2年目の加藤麗奈選手が伸ばし合いの混戦を抜け出して初優勝。最終ホールの強気で決めたパーパットは、強く印象に残っています。

カギはトップ10入りの回数! 過酷な夏場を制する選手は誰だ

画像: 左から荒木優奈(9回、撮影/大澤進二)、吉澤柚月(3回、撮影/大澤進二)、政田夢乃(6回、岡沢裕行)*カッコ内は今季のここまでのトップ10回数

左から荒木優奈(9回、撮影/大澤進二)、吉澤柚月(3回、撮影/大澤進二)、政田夢乃(6回、岡沢裕行)*カッコ内は今季のここまでのトップ10回数

年間女王を目指すうえで重要なのは、トップ10入りする回数の多さです。優勝はもちろん大切ですが、調子が悪くてもスコアをまとめて上位で終えることが、最終的なポイント獲得に直結します。

ただし、それを達成するにはタフな体力が必要です。国内女子ツアーは試合数が多い上に、前年覇者の出場義務や「2年連続欠場NG」といったルールもあり、過密日程の中で簡単に休むことができません。年間女王に若い世代の選手が多く輝くのも、このハードな日程を戦い抜く体力的なアドバンテージがあってこそでしょう。

そうした体力が試される後半戦の幕開けとして、今週開幕する「北海道meijiカップ」からの比較的涼しい地域での3連戦は注目です。フレッシュな状態でどんな選手が上位に顔を出すのか、後半戦の展開を占う上で非常に楽しみです。個人的には、安定した成績を残している荒木優奈選手、そして初優勝を目指す吉澤柚月選手、政田夢乃選手に注目しています。


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