ゴルフ界は時代の変遷を繰り返してきた。アーノルド・パーマー、ジャック・ニクラス、ゲーリー・プレーヤーのビッグ3時代からセベ・バレステロスやニック・ファルドらがメジャー制覇を繰り返した欧州黄金時代を経て、やがて時代はタイガー・ウッズというスーパースターを生み、彼に憧れた多くの少年少女がプロを目指すことになる。
タイガーの全盛期に少年時代を過ごしたのがいわゆるタイガージェネレーションと呼ばれる選手たち。彼らは1990年から97年の間に生まれゴルフ界で支配的地位を築き上げてきた。

タイガー・ウッズの全盛期を少年時代に目の当たりにした1990~1997年生まれの「タイガージェネレーション」は枚挙にいとまがない(写真/2024年の全英オープン、撮影/姉崎正)
90年生まれのブルックス・ケプカはメジャー5勝、96年生まれのスコッティ・シェフラーが同4勝、93年生まれのジョーダン・スピースが3勝、94年生まれのジョン・ラーム、97年生まれのコリン・モリカワ、93年生まれのシェウフェレ、デシャンボー、ジャスティン・トーマス、ウィンダム・クラークがそれぞれメジャー2勝、92年生まれの松山英樹、94年生まれのマット・フィッツパトリック、パトリック・リード、キャメロン・スミスがメジャー1勝ずつ。

現世界ランク1位のスコッティ・シェフラーもタイガージェネレーション(写真/2026年のキャデラック選手権、撮影/岩本芳弘)
さらに昨年の全米オープン覇者J・J・スパーン(90年生まれ)、今年の全米プロで優勝したアーロン・ライ(95年生まれ)もタイガージェネレーションの一員。もっといえばトミー・フリートウッド(91年生まれ)、ビクトール・ホブラン(97年生まれ)もそうで名前を挙げれば枚挙にいとまがない。
ただ89年生まれのローリー・マキロイはこのカテゴリーに含まれていない。タイガージェネレーションが台頭する直前にメジャー4勝を挙げたマキロイ。彼の黄金時代がこの先も続くと思われたが、グランドスラム達成まで10年以上のブランクがあったのはタイガージェネレーションがそれを阻んだからだ。
では直近の2試合で勝ったコイブンやソービヨンセンをはじめとするニュージェネレーションは今後タイガージェネレーションを凌ぐ存在になるのだろうか?
代表格はラドビッグ・アバーグ。26歳の彼はデビュー間もなく欧米両ツアーで優勝を挙げ、メジャーに出たことのない選手としてはじめてライダーカップのメンバーに抜擢された。しかしまだPGAツアー2勝。24年に初出場したマスターズで2位に入りすぐにでもメジャーチャンピオンの仲間入りをするのでは? と思われたがここのところ一時の勢いは止まっている。

ニュージェネレーションの代表格ラドビッグ・アバーグ(写真/2025年のマスターズ、撮影/岩本芳弘)
24歳のアクシャイ・バティア、スコットランドオープンで3年ぶり4勝目を挙げたトム・キム(24歳)、さらに初優勝が待たれる23歳の久常涼もニュージェネレーションの代表格。
実は27年のメジャー初戦マスターズが開幕する時点で30歳未満のメジャーチャンピオンはひとりもいなくなる。これはタイガージェネレーションがいかに強靭な壁であるかを物語っている。
ゴルファーのピークは30代という説もあるが、30歳になったばかりのシェフラーを中心に今後もタイガージェネレーションがゴルフ界を牽引するのか? 来年大どんでん返しがあるかもしれないが、現状世代交代はもう少し先になりそうだ。
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