テネシー州のザ・オナーズコースで開幕した、アマチュアゴルフ界の世界最高峰「第126回 全米女子アマチュア選手権」。歴史と伝統を誇るこのビッグトーナメントの初日、リーダーボードの最上段に日本の17歳がその名を刻んだ。日本ゴルフ協会(JGA)のナショナルチームメンバーである岩永杏奈が、6バーディ・1ボギーの5アンダー「67」をマークし、初出場にして堂々の単独首位発進を決めたのだ。

6バーディの猛チャージと「強気の反省」

画像: 初日5アンダーで2位に2打差のトップスタートを切った岩永杏奈(写真/USGA提供)

初日5アンダーで2位に2打差のトップスタートを切った岩永杏奈(写真/USGA提供)

10番ホールからスタートした岩永は、序盤から見事なリズムでコースを攻略していった。10番、12番、15番と立て続けにバーディを奪って前半を折り返すと、後半(アウトコース)に入っても攻撃の手を緩めず、1番、6番、そして最終9番でもバーディを奪取。唯一のボギーを8番(パー3)に抑え込み、2位に2打差をつける完璧なゴルフを展開した。

しかし、ラウンド後の彼女の口から出たのは、単独首位という結果への満足感よりも、さらなる高みを見据えた「強気の反省」だった。

「今日は4つあるパー5のうち、1つしかバーディが取れませんでした。明日の目標は、すべてのパー5でバーディを獲ることです」

世界最高峰の大舞台で初日から首位に立ちながら、決して満足せず、自らに高いハードルを課す。まったく物怖じしないこの強靭なメンタリティこそが、彼女の最大の武器である。

世界を股にかける17歳の実績とポテンシャル

日本勢の全米女子アマといえば、2022年に馬場咲希が快進撃を見せて37年ぶりの日本人優勝を成し遂げた記憶も新しいが、岩永がこの全米女子アマで堂々たるプレーを見せているのは、決してまぐれではない。彼女はすでに、世界を舞台に華々しい実績を積み上げている、紛れもないトップアマチュアの一人だ。

昨年(2025年)は「世界ジュニアゴルフ選手権(15〜18歳の部)」をはじめとする世界アマチュアゴルフランキング対象大会で実に7勝をマーク。さらに、国内のプロツアーであるステップ・アップ・ツアーでもアマチュア優勝を果たすなど、その才能を遺憾なく発揮してきた。

今年も「全米女子ジュニア」で過酷なマッチプレーを戦い抜いてベスト16に進出し、「オーストラリア女子アマ」や「ジュニア招待(セージ・バレー)」で準優勝を飾るなど、着実に国際舞台での経験値を高めている。世界の厳しいセッティングを知り尽くした17歳が、アマチュア最高のタイトル「全米女子アマ」の頂点に手をかける準備は、すっかり整っていると言っていいだろう。

廣吉優梨菜ら日本勢の健闘とサバイバルレース

岩永の首位発進に負けじと、他の日本勢も奮闘を見せている。廣吉優梨菜は初日を2アンダーの「70」でまとめ、岩永と3打差の4位タイという絶好のスタートを切った。

また、坂下一咲と川崎りなが2オーバーの46位タイ、長澤愛羅が4オーバーの80位タイ、岡嵜マイヤが7オーバーの123位タイで初日を終え、2日目の巻き返しを狙っている。

全米女子アマチュア選手権は、2日間のストロークプレー(予選ラウンド)を行い、上位64名のみが過酷なマッチプレーによる決勝トーナメントへと駒を進めることができる、極めてシビアなフォーマットだ。

単独首位を走る岩永杏奈、そして好位置につける廣吉優梨菜を中心に、日本勢がどこまでリーダーボードを駆け上がるのか。そして、誰がマッチプレーへの切符を手にするのか。「明日はパー5で全バーディを」と力強く宣言した岩永のさらなるチャージに期待しつつ、激しさを増すサバイバルレースの行方を見守りたい。


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