ピーク時から約50%激減! 少子化以上のスピードで縮小するジュニアゴルフ界

いのうえとおる・1973年生まれ、神奈川県出身。アメリカでゴルフ理論を学び、中嶋常幸、佐藤信人、穴井詩など多くのプロを指導。08年レッスン・オブ・ザ・イヤー受賞。東大ゴルフ部の監督として初心者レッスンにも尽力している
本プロジェクトの運営団体である一般社団法人国際ジュニアゴルフ育成協会(IJGA)の代表理事でもある井上透。ゴルフ界に“危機感”を持ち、2、3年前から考えてきた企画だという。
「現在のゴルフ界は、表面上は女子プロゴルファーが米LPGAで大活躍をしたり、素晴らしい時期を迎えているように思えますが、ジュニアのゴルフ人口を見たとき、15年前がピークで、現状はそこから約48%、急激に減少したという状況。この状況が続けば、ゴルフ界は悲惨な状況になる。今、手を打たなければいけないと考え、こういったプロジェクトを立ち上げました」

日本の6~10歳人口(男女合計)とジュニアゴルファーの人口の推移
確かに、日本ゴルフ協会(JGA)の資料をもとに、井上が作成した図表を見ると、6歳から
18歳までのジュニア数は、ピーク時の2011年から男子は約56%、女子は約34%減少している。
「もちろん、日本の子どもの人口も減ってはいます。しかし、6~10歳のJGA会員と比較すると、日本全体はこの15年間で18%減ですが、同年齢のジュニアゴルファーは約56~57%減っています。もちろん、データがJGAの会員という部分に少し偏りはあるかもしれません。この会員になる理由は、大会出場やゴルファー保険に入る目的があると思いますし、エンジョイ層はカウントされていませんから。でも、それを差し引いても深刻な数字でることは間違いありません。サッカーの100分の1程度の数字です」

ジュニアゴルファーはピーク時の約50%に減少しているという
それ以外にもジュニアゴルフ界の課題はあるという。
「プロ志向選手に対するキャリアパスの不足。将来の進路設計が十分に整備されていません。また、プロになれなかったらゴルフ自体から離れてしまうケースも多い。そして、子どもがゴルフを始めると保護者がゴルフをやめるケースも多くあります。ゴルフ普及のためにやってきた育成なのに……これらがゴルフ界に潜んでいる問題です」
だからこそ、今、ゴルフを始める子どもを増やすことが必要だし、それは可能だと“熱く”語る井上。
「本プロジェクトは5歳から小4の子どもを対象にしています。それはなぜか。まずは神経系発達の“ゴールデンエージ”に合わせて、ゴルフの基本動作を自然に身につけることが重要で、運動神経や身体操作能力が大きく発達するため、低年齢から始めることで継続しやすくなります。また、早期の競技経験は、判断力や精神力にも寄与します。実際、米LPGA参戦中の日本選手15人中12人が8歳まで、14人が10歳までにゴルフを始めています。もうひとつ。受験と競合しない年代だということ。今の日本では中学受験する子も多いからです」

キックオフイベントに参加した石川遼。自身でも長くジュニアイベントを開催してきた
「僕がやっていることは単発になっていて構造改革には至っていなかった。でも、ジュニアのゴルフ人口が減り、何十年後かの日本のゴルフ人口も減るだろうなと自分なりに課題は感じていました。井上さんの資料を読んですぐ素晴らしいなと。僕のやりたいこと、いや、さらに何十倍も大きなことが詰まっています。今、金銭面でも物理的な面でもゴルフと子どもの距離がある。その距離を縮めていくのがコンセプトだと思うので、強く共感しました」
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この壮大なプロジェクトを実現するための「低価格×継続×認知」という画期的な施策の全貌が明かされる。「練習場2時間500円」「ショートコース9ホール500円(土日含む)」という、従来のゴルフの常識を覆す破格の利用環境を実現するビジネスモデルの仕組みとは?さらに、親の長距離移動負担を減らし、子ども同士のコミュニティを作る「1時〜2時スタートの9ホール月例戦『クイック9ツアー』」の具体的な開催プランや、プロジェクト顧問に就任した佐藤信人プロ・田島創志プロが親目線・指導者目線で語る切実な期待の言葉も収録している。
※図表は、井上透氏作成のデータを参照
THANKS /美浦GC
PHOTO/ Tadashi Anezaki
※週刊ゴルフダイジェスト8月18・25日号「ジュニアゴルフ成長支援プロジェクト始動!」より
