悔しさを胸に攻めの姿勢を誓う横峯さくら
初日、9アンダー「63」で回り単独2位となった横峯さくら。13年ぶりのキャリアベストタイとなるスコアに「嬉しいです」と笑顔を見せていた。

軽井沢は飛距離が“1割増”だと言っていた横峯。「当たれば、です(笑)」
「標高が高くてボールが前に前に行くなかで、セカンドショットのジャッジが上手くいったかなと思います。ショットの状態はそこまで良いとは言えないんですけど、ここからまた頭を使いながら1打1打やっていきたいですね」
実際、2日目も1打ごとに考え決断し、丁寧にプレーしているように見えたが、結果は1オーバー「73」。我慢のゴルフとなった。前夜に降った大雨の影響もあり、この日のグリーンに対応しきれなかったのだという。
「7番、8番はどちらも3パットにしてしまい、ボギーが続いてしまいました。どうしても見た目より前に転がらなくて。でも、次の9番でバーディが取れてよかった。唯一のバーディでしたけど(笑)」
その9番(パー5)は、首位を突っ走る安田祐香の内側に付け、1.5メートルのパットを沈めてバーディ。久しぶりの最終組でのラウンド、そして多くのギャラリーの声援のなかでのプレーは、「あ、こんな感じだったな」と思い出したそうだが、「こういった場所で戦えたということが、すごく大きな経験になったと思います」と語った。
いや、これまでそれ以上に数多くの経験を積んできた横峯さくらだ。しかし、こうした言葉が自然と口から出るのは、今なお新しいチャレンジを繰り返している証しなのだろう。

「朝は少し寒かったけど途中でめっちゃ暑くなって、山の天気だなと思いました、最終日も頑張ります!」(横峯)
「2日目はせめてイーブンパーで回りたかったんですけど……。でも、最後のほうはアプローチも良くなりましたし、バーディが取れそうな手応えもあります。最終日は守って良い方向にいくことはないと思うので、攻めることを忘れずに戦いたいと思います」
話し込みながら何度も咳をする横峯。先週、息子さんから風邪をもらってしまったらしい。
「体力は大丈夫です。でも、風邪が流行っているみたいですね。息子は元気ですし、主人が軽井沢のどこかに遊びに連れて行ってくれています。最終日は会場に見に来るかもしれません」と嬉しそうな笑顔を見せ、愛息の前での活躍を密かに心に誓っていた。
マイペースにスコアを伸ばす小祝さくらと、驚異の17歳・後藤あい
もう一人の“さくら”、小祝さくらも先週から軽く咳が出ており絶好調とはいえない状態だ。それでもいつも通りニコニコとプレー。初日はキレキレのショットを連発する安田祐香と同組だったが、小祝はマイペースを崩さずラウンドし、4アンダー「68」をマークした。

決勝ラウンド平均ストロークが69.8500で1位の小祝さくら。最終日の追い上げに期待したい
「手首の痛みはないんですけど、ショットの精度やパッティングなどにちょっとしたズレが出ているのかもしれないです」
しかし、それでも焦らずプレーファストでラウンドするのが小祝さくらの持ち味。2日目もシレッと3アンダー「69」で回ってみせた。
手応えを聞くと「まあまあです」と一言。しかし、この日一緒にラウンドした17歳のアマチュア・後藤あいについて尋ねると、途端に饒舌になった。
「本当に飛ぶし、曲がらないですよ。ショットの音も違う。それに、プレーも早いんです。特にパッティングであんなに早い選手、久しぶりに見ました。ラインを読むのも打つのも早い、“いさぎよい”というんですかね。なかなかいません。最初に会った時、年上だと思ったくらい落ち着いていますし、すごく頭が良いと思います。ゴルフはもちろん勉強も頑張っているらしいです」

ゴルフがかみ合うためには、今季“らしくない”フェアウェイキープ率(58.3333%で87位)、とパーオン率(65.2299%で52位)がカギだ
改めて最終日の目標を聞くと、「まあまあ、頑張ります」とニコニコ答える小祝さくら。何だか、やってくれそうな気配が漂う。

兵庫県出身、松陰高等学校3年。来週、日本ジュニアにも出場予定の伸び盛りの17歳。その落ち着いたプレーぶりと300ヤードの飛距離は、世界に羽ばたく予感をくれるのだ!
さて、その小祝さくらを驚かせた後藤あいは、2日目を7バーディ・2ボギー・1ダブルボギーの3アンダー「69」でラウンド。
「まず予選を通ることを第一にプレーしていました。でも調子は悪くなかったので、出だしから基本、攻めながらプレーしました」
“飛ばし”に関しては、自らの武器であり大きなモチベーションでもある。今大会でもドライビングディスタンスは、初日の9番で304ヤードを記録した。
「私はキャリーが出るので、雨の中でも飛距離が落ちずにアドバンテージがあると思います。球が上がるので、今日はスピンコントロールに気を付けながらプレーしていました。でも、(飛距離を)計測しているホールは力が入りがちですね。やっぱり終わった後にスタッツは見ます。モチベーションが上がりますから」
クレバーにハキハキと語る後藤。小祝さくらとのラウンドについても、「自分もプレーが早いので、小祝プロのペースに合わせられて良かったですし、リズムが崩れずに淡々とプレーできました。もちろん、自分にない技をたくさん持っていらしたので、すごく参考にすることができました」と振り返る。
1カ月ほど前に「邪魔だったので」と髪をバッサリ切ったという彼女。1年前に入ったナショナルチームについても、「良い刺激にはなりますけどライバルです。でもプレースタイルは皆違うので、自分は自分です」と頼もしい。
1985年生まれの「さくら(横峯)」、1998年生まれの「さくら(小祝)」、そして2008年生まれの「あい(後藤)」。「さくら」と「さくら」と「あい」。世代は違えど、マイペースで自分という確固たる“芯”を持つ3人は、最終日は同組でラウンド(7時50分、1番ティースタート)する。それぞれの魅力あふれるプレーを楽しみにしたい。
写真/大澤進二

