
埼玉栄高等学校ゴルフ部の同級生・伊藤きららを聞き手に、菅沼菜々がいろんな“素顔”を見せてくれた。ちなみに、菅沼は「ダージリンティー」、きららは「ハーブティー」をチョイス
●菅沼菜々
東京都出身、26歳。埼玉栄高等学校ゴルフ部卒業後、2018年にプロ入り。23年に初優勝、複数回優勝を達成するも、翌年にシードから陥落。苦難を乗り越えた25年に復活勝利を遂げ、今季も春先に1勝を挙げてメルセデス・ランキング16位につけている。
●伊藤きらら
菅沼と同じ埼玉栄高等学校ゴルフ部出身かつ同級生で、高校・駒澤大学では主将を務めていた。現在はDSPE GOLF STUDIOに所属し、USGTF資格を持つティーチングコーチとしてアマチュア指導で活躍中。
菅沼菜々の素顔①「ビビっててもしょうがないから狙っていく」

2日目を1オーバー61位タイからスタートした菅沼。この日は6つスコアを伸ばし、通算5アンダー、12位タイでフィニッシュ。最終日も5バーディ1ボギーと追い上げ、通算9アンダーで6位タイに入った(撮影/有原裕晶)
リラックスした雰囲気のなか、まずは先週の国内女子ツアー「CAT Ladies 2026」の振り返りからスタートした。
菅沼は「初日は前半はよかったけど後半にダボを2回打ってしまったのが残念だった。調子自体はよかったので、頑張ればトップ10には行けるかなと思っていた。来てくれた日にいいプレーができてよかった」と笑う。2日目、実は現場で観戦していたきららの姿には「スタートホールでわかった。気づいても遠いから手は振れなかったけど……」と驚きの観察力を発揮。風や運も絡む混戦のなか、着実にスコアをまとめた。

2日目のプレーを帯同観戦したきらら「いいものが見られました」(きらら)(撮影/有原裕晶)
現地ではメモを取りながら観戦していたきらら。特に気になった3ホールについて聞いてみることに。まずは2つ目のバーディを獲得した14番(418ヤード・パー4)について。
きらら:めっちゃ近いやつ、バーディだったよね。
菅沼:1メートルくらい。あれは左ピンでちょっと距離を飛ばしたくて、つかまえて打ったんだけど、いいショットができたから。

パターが得意という印象がある菅沼。しかし今の得意クラブは「アプローチ」だと話す(撮影/有原裕晶)
続く15番(559ヤード・パー5)。カート道の間の芝から放った3打目が、この日の見せ場となった。
きらら:3打目を手前に外して……もしかしてチップイン狙ってた?
菅沼:あれは狙ってた!!!うふふふ(笑)
きらら:だよね⁉ 奥の人が先にパターをしてたから、「あ、菜々、きっとこれパターじゃなくてアプローチで狙うかな」と思った。
菅沼:そう、狙いました。(グリーンは)奥からだとめっちゃ速いから、ピンより手前につけたかったんだよね。それにカラーからのアプローチはすごい得意だから、「入れたろっ!」って思って(笑)
計算し尽くされた一打は、見事なチップインバーディに。
菅沼:確率的には10回打って2回か3回だと思うけど、得意だから狙って、入ったのはラッキー。あれですごい流れがよくなったんだよね。

現地で取っていた【きららメモ】。14番・15番と連続バーディを獲得しており、きららも大興奮
一方で唯一のピンチだったと話すのは、8番(378ヤード・パー4)だ。
きらら:奥に行って難しいアプローチだったかなと思ったけど……。
菅沼:そうだ、ラフまで行ったやつ。結構グリーンが速いのに1ヤードくらい手前にキャリーして「やばいかな」と思ったけどちょうどよかった。あれはラッキーだったな。
きらら:こういうチャンスとか、ピンチのアプローチの場面は、どう考えているの?
菅沼:アプローチは「寄るかな」と思って打ってるよ。でも8番のシチュエーションだと「ラフで下は抜けないし、ちょっと強く入る可能性もある」から、そういう時は「パーを取れたらいいな」と思って、頑張って打つかな。高校の頃まではそこまで強気のゴルフではなかったけど、今はバーディ合戦だからどんどん攻めていかないといけない。だから若干怖いけど、狙っていくところはビビっててもしょうがないから狙いにいってるね。
プロ8年目にして国内ツアー通算4勝。着実に積み重ねてきたこの成績は、プロの舞台だからこそひるまず、「攻めていく」と覚悟を決めた挑戦心の賜物と言えるだろう。
菅沼菜々の素顔②「今季はパターが全然入らないから、もう変えよっ」

菅沼ときららが声を揃えて、高校時代に流行っていたというピンゴルフの「ケーデンスTR パター TOMCAT C」。菅沼「たくさん形がある」、きらら「センターシャフトが珍しかった。グリップが青くてツルツルしてる」(撮影/有原裕晶)
初日を1オーバーの61位タイでスタートしていた菅沼だったが、最終日には通算9アンダーの6位タイまで浮上。勝負を分けたのは、グリーン上の相棒だった。
「パターを変えたんだよ!2015年のやつ」と切り出すと、きららも「だよね、思った。懐かしっ!」と声を弾ませる。この大会から6年ぶりに変えたというパターは、何かの縁か、高校3年生の頃に使っていたピンゴルフのセンターシャフト「ケーデンスTR パター TOMCAT C」だった。

これが「ケーデンスTR パター TOMCAT C」です!(撮影/菅沼菜々)
菅沼:今年ほんっとにパターが入らなくて。優勝した「ドコモビジネスレディス」の週は入ったけど、それ以外は入ってなかった。「ずっと入らない」ことは自分にはないと思ってたけど、あまりに入らなすぎて「変えるのは好きじゃないけど、気分転換に変えよっ」って。家の倉庫にあるものを掘り出してきた。
倉庫にはパターが20、30本あるというが、なぜまた約10年ぶりに握ることになるパターだったのか?
菅沼:いつもお世話になってるピンのパターが10本くらいあるから、火曜日の練習場で全部打ってみて「コレだっ!」って。(今までツノ型を使っていたから)最初はすっごい変な感じがしたけど。重くてフェース面が固めのパターで飛ぶ。だから距離感は意識して打ってる。上げやすいし、キャディさんやお父さんから見ても転がりが一番良かったらしくて。(今後も)とりあえずこれで行こうと思ってる。

今季優勝した「ドコモビジネスレディス」では、ツノ型のパターを愛用。6年間はパターを変えずに戦ってきた(撮影/岡沢裕行)

2日目の「66」は、この日のベストスコアだった
続く第2回では、きららが見抜いた菅沼のグリーン上のクセから、話題は“意外な一面”へ。対談前は、「ギャップはあんまりないと思う。人当たりがよくて誰とでも仲良くできるタイプだし、ざっくばらんに話してくれる」と菅沼の印象を語っていたきらら。同級生でも知らない素顔と、プロとしてのこだわりを紐解く。(文/川野真美)
【次回予告】第2回公開は9月5日(土)18:00!
次回のテーマは、グリーン上で見せる「あの独特なポーズ」の真相と、親友の前で明かしてしまった菅沼菜々の“強烈なギャップ”。
● 「ラインを読むときに手をかざす理由、知ってる?」
● 「おしゃれカフェは行かない。試合中はサイゼ・ガスト・ココイチ甘口!」
● 「爪の感覚が変わるから、ネイルは絶対しない」
● 「ヤフコメ? めっちゃ見てるよ(笑)」
コース上の華やかなイメージを心地よく裏切る、等身大の素顔が爆発。同級生対談・第2回をお楽しみに!
