8月30日(日)に福岡県の芥屋GC(7293ヤード・パー72)で「Sansan KBCオーガスタゴルフトーナメント2026」の最終ラウンドが行われた。通算23アンダーで日本ツアー初優勝を飾った李尚熹(イ・サンヒ)と、通算20アンダーでフィニッシュした細野勇策が最終日のプレーと大会を振り返った。

イ・サンヒ「必ず優勝トロフィーを持って墓参りをする」

日本ツアーに参戦して14年目のイ・サンヒが、「65」でラウンドし日本ツアー初優勝を達成した。

初日から6位タイ、5位タイ、そして3日目は首位と1打差の2位という、連日のバーディ合戦に後れを取ることなく食らいついた。最終日でもその勢いは途絶えることは無かった。

1番でバーディ発進を決めると、6番でもバーディを奪取。さらに9番もバーディを奪い前半をボギーフリーの「33」でハーフターン。

後半は10番から12番までをパーセーブ。続く13番で後半初バーディ、さらに続く14番でもバーディを獲る。この連続バーディで「優勝を意識しました」と心境を話した。

15番では「緊張が入ったのか、ドライバーでミスショットして、右の方に入ってしまった」とピンチを迎えたが、「なぜか運が良くてピンが見えて狙えた。ラインも綺麗に読めたので、上手くバーディが取れました」と運も味方につけた。17番もバーディで収め、真夏の福岡決戦を制した。

悲願の初優勝を達成した

2013年から日本ツアーに参戦し、これまで2位が8回とあと一歩のところで優勝を逃してきた。苦労の末の初優勝に「もし優勝したらやっぱり泣くんじゃないかなって自分で思ったんですけど、優勝した瞬間に、やっぱり自分で日本語を喋らなきゃいけないっていうことで頭がいっぱいで、全然そういう余裕がなかった」と苦笑いを見せた。

実は、表彰式のスピーチで一番言いたかったことがあったという。2023年1月に亡くなった父に対して「『必ず優勝トロフィーを持って墓参りをする』っていう、自分の中での約束を今回、守れたことをあの時に一番に言いたかったんだけど、日本語が足りなくて」と明かした。父へ伝えたい言葉を問われると、「『やりました』」と短くも力強く答えた。

19歳まで父が付きっきりでマネジャーやキャディを務め、日本に来てからも両親とともにツアーを回っていたという。父から言われ大事にしてきた言葉は、「稲が熟したら頭を下げる(実るほど頭を垂れる稲穂かな)」だという。「常に頭が下げれる人になってほしい」という教えを胸に刻んでいる。

「日本で必ず優勝したくて残りました」と、コロナ禍でも日本ツアーにこだわり続けたイ・サンヒ。今後は「(PGAツアーの)ベイカレントクラシックに行くことをまず目標にしています」と、さらなる高みを目指す。

細野勇策「苦手意識を払拭できた」

3日目にコースレコードの「61」を叩き出した細野勇策は、最終日を「67」でまとめ、通算20アンダーで大会を終えた。

最終ラウンドについては「もったいないミスもたくさんありましたが、上手く乗り切ることもできたので良かったと思います」と振り返った。

2日目までは首位と11打差の45位タイ。予選をギリギリ通過したボーダーラインにいたものの、決勝ラウンドで優勝戦線へ浮上し、ポイントランキング1位を走る実力を見せた。

3日目に大爆発した細野は惜しくも優勝に届かなかった

そんな今大会については、「今まで苦手意識のあった大会だったので、それを払拭できたことは良かったと思います」と手応えを感じている。特に「高麗グリーンでもしっかりと最後まで打ち続けることができたので、そういう点が収穫かなと思います」と、自信を深めることができた。

今シーズンはメジャー大会の「日本プロゴルフ選手権大会 センコーグループカップ」で、プロ初優勝を達成するなど充実した時間を過ごしている。2勝目を惜しくも手にすることができなかっただけに、「(この大会で)また優勝争いをして、今度は勝ち切れるように頑張ります」と、早くもリベンジを誓った。

写真/姉崎正


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