7打差の完全優勝・長﨑大星。物理と数値で探求する“絶え間ない上達”

まずは高校男子から。7打差のぶっちぎりで“完全優勝”した長﨑大星(勇志国際高2年)は、好きなプロに松山英樹とマイケル・ブレナンを挙げる“通ぶり”。
松山とは今年「ソニーオープン・イン・ハワイ」で一緒にプレーし、間近で観察できたことが本当に参考になったという。また、ブレナンについては自分と異なるスタンスやプレースタイルを見るのが好きだと語る。以前は好きな選手にアレックス・ノレンも挙げていた。目標とするPGAツアーの選手たちをよく観察し、自分のゴルフに取り入れようという貪欲さが感じられる。小3から4年の間、水泳をしていたのもゴルフのため。体の可動域を改善しながら腰に負担をかけずに体を動かせるスポーツだからだ。
以前は感覚でゴルフをしていたが、中1頃から自分でゴルフについて考え始め、物理的かつ数値的に取り組むようになった。スウィング軌道をニュートラル(ゼロ)に保ち、その状態からドローやフェードを打ち分けるなど、一方に偏らない基準を持つことが大切だと考えている。JGAのナショナルチームに入って、技術も経験もより増した。今年の2〜3月、そのコーチと大幅なスウィング変更、ドローヒッターだがフェードのようなスウィング軌道だった部分の修正などを行い、ボールの軌道がコントロールできるようになって安定感が増したという。
練習して考えることによって、技術の質が大きく変わっていく。その「絶え間ない上達」こそがゴルフの最大の魅力であり、最近は練習がとても好きだという。
今年の目標はアジア太平洋アマチュア選手権などを通じてメジャー選手権の予選出場権を獲得することと、通常のレギュラーツアーの大会で優勝争いをすること。夢はマスターズで優勝すること。ゴルフに向き合う姿勢はプロ顔負け。名の通りの“ビッグスター”になる夢に向けて、着々と歩んでいる。

海外選手のロングアイアンの技術に感銘を受けて取り入れたことで、アイアンのプレーが大きく上達した
キャリー310ヤード超の規格外・松山茉生。データを武器に最速でプロの道へ

今の課題は100ヤード以内のウェッジコントロール。自身のプレースタイルと現在地を極めて客観的に分析している
2位に入った松山茉生(福井工大付福井高3年)は、同年代でトップクラスの飛距離(キャリー310ヤード超)を誇る規格外のスケール感を持つ。
こちらも小2の終わりまで水泳をしており、バタフライを含むすべての泳法を習得、ある程度の距離も泳ぎ切った。ゴルフと並行してやっていた時期もある。
ゴルフが上達したのは、子どもの頃から頻繁にラウンドへ行くのではなく、練習場でしっかりと基礎を固めたことだという。また、2年前まではデータ(トラックマンなどの計測器の数値)の意味も読み方もわからず、「数字より技術が大事」だと思っていたが、昨年ナショナルチームに入ってからはデータへの意識が高まった。自身の課題である「打ち出し角が低いこと」を改善するため、スピン量を抑えて高い打ち出し角を目指すなど、データを活用することで視野が広がり、プレーの向上につながっているという。
得意クラブはもちろんドライバーだが、理由は「方向性に自信があり曲がらないから」。ヘッドスピードは56m/sで、キャリーで310〜320ヤード飛ぶ。打ち出しが高くスピン量が抑えられると、330ヤード飛ぶこともあるという。日本のコースではこれ以上飛ぶと狭く感じて点でしか狙えなくなるため、「これ以上のヘッドスピードや飛距離は必要ない」と冷静に捉えている。
ゴルフは個人スポーツならではの魅力がある。難しいことや辛いこと、苦労はすべて自分一人のものになるが、そのぶん、勝ったときの喜びや嬉しさ、達成感もすべて自分のものになるところが楽しい。
高校卒業後、アメリカの大学に進学するか、日本ツアーのQTを受けるか悩んだが、早い段階でプロゴルファーの道に挑戦したいという思いから、QT受験を選んだ。秋に行われるサードステージから出場し、トップで来年の日本ツアーに参戦することが今年の目標だ。夢は同じ苗字を持つ大好きなプロ、松山英樹以上に、世界で長く活躍できるプロゴルファーになること。2024年に当時最年少で日本アマを制してからは少し苦戦しているようにも見えるが、これも“成長の道のり”。大器は必ず覚醒する。
強靱なフィジカルで300ヤード超・河口聖哉。「松山英樹超え」を見据える高い志

河口聖哉
3位に入った河口聖哉(興國高3年)もまた、幼少期には水泳をしていた。好きなプロはローリー・マキロイ。自分と身長が変わらないのに飛んで曲がらない。見ていて気持ちいいのだという。
中3くらいからウェイトトレーニングを始めて、飛距離もアップし、ショットの安定感も増した。その飛距離を聞くと、「300ヤード」と“普通に”返ってきた。欲を言えば350ヤードは飛ばしたいという。得意クラブは「安心感があるから」54度。課題は100~130ヤードくらいのミドルゲームの精度を上げること。
大学進学ではなく、QT受験を選んだ。大学に行くと遊んでしまうかもしれないから、誘惑にあまり強くないタイプだと真面目に語る。今年の目標は、そのQTでファイナルまで行くこと。夢は松山英樹を超えること。松山が日本選手の最高峰に君臨しているからこそ、そこを目指したいという。
体幹と瞬発力でギャラリーを魅了・山田龍之介。憧れのタイガー像を追って

山田龍之介
同じく3位に入った山田龍之介(興國高3年)は、河口と小学校時代から同じアカデミーに通う、仲間でありライバルだ。
スポーツ経験は、空手を少々。そこで「芯(体幹)」の大切さを実感したためか、上達の秘訣は日々の努力と練習を継続することだと語る。ドライバーが得意。小学校の頃から飛ぶほうで、徐々に飛距離は伸びてきて、細身ながら300ヤード飛ばす。こちらも距離はもう少し、キャリーで300ヤードは飛ばしたいという。飛ばしの秘訣を聞くと「筋力より体幹と瞬発力です」。

同級生コンビ(左が河口、右が山田)は今年、そろって日本のQTにチャレンジする。日本ジュニアの結果を自信にし、さらなる高みを目指す
課題はチャンスホールで取りこぼさないこと。それができないとプロのなかでは戦えないと思っている。山田も今年、QTを受験する。今の調子がいい状態でチャレンジしたいと考えた。ファイナルまで行けるように頑張りたい。夢はPGAツアーで戦う選手。大好きなタイガー・ウッズのように、ギャラリーを沸かすプレーをするプロになることが目標だ。(高校女子につづく)
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