【男子優勝・吉行ローリ】「ご飯を食べてよく寝る」だけで280ヤード!? プロツアーでも健闘した“職人”兄弟の自然体な強さ

兄弟そろって今のところ海外志向はないが、着実に経験を積み重ねた先に、世界が見えてくるのかもしれない
中学生の注目ジュニアたちにも聞いた。
男子の部で優勝したのは吉行ローリ(東広島市立高屋中3年)。日本ジュニア後に開催されたACNツアー「ダンロップフェニックストーナメントチャレンジ in ふくしま」で優勝争いを演じた(結果6位タイ)。
小学校に入学したばかりの頃、1~2年ほど空手をしていた。上達のきっかけは飛距離がアップしたこと。230~240ヤードだった飛距離が現在は280ヤードほどになり、それに伴ってスコアや成績もよくなった。飛距離アップのために特別なトレーニングをしたわけではなく、たくさんご飯を食べて「いっぱい寝ること(笑)」で自然と伸びたという。得意クラブは8番アイアン。フェードやドローなど、いろいろな球筋を打ち分けしやすいから。パッティングを最大の武器とするクレバーな試合巧者でもあり、“職人気質”の顔がのぞく。
ゴルフはビッグスコアが出たときが一番楽しくて気持ちいい。今年の目標は「春中」(全国中学校ゴルフ選手権春季大会)でも勝つこと。夢は、日本の賞金王になることだ。

兄である吉行アムロ(広島国際学院高2年)もトップジュニアで、高校男子の部で5位タイに入る実力
兄である吉行アムロ(広島国際学院高2年)もトップジュニアで高校男子の部で5位タイに入った。「アイアンでピンに向かって真っすぐに飛んでいくのを見るのが好きで、美しいと感じる」と語る兄にも職人気質アリ。2人とも好きなプロは兄の高校の先輩である金谷拓実。理由も同じで「何度か一緒にラウンドさせてもらう機会があり、プレーのさまざまな部分がすごくて、とても勉強になる選手だから」。兄弟で認め合うライバル関係で、「パットは僕が上、アイアンの精度は兄が上」と常に切磋琢磨している。そろって堅実で自然体なキャラクターが魅力的だ。
【男子2位・谷口絢飛】おばあちゃん仕込みのしなやかスウィング! 弾道測定器とライバルの存在で開花した大物の予感

課題はドライバーショットが右に行くことだという
2位は谷口絢飛(鹿屋市立第一鹿屋中1年)。ゴルフを始めたきっかけは、“片手ハンディ”だった祖母の影響。最初は空振りばかりだったが、そのうち当たるようになりゴルフにハマる。小3のとき、同じ九州のトンプソン・ジャックルーカス(宮崎市立広瀬中2年)と試合で出会ってライバル関係になり、グッと上達した。
おばあちゃん仕込みのしなやかなスウィングで、さらに高みを目指す
上達したのは、父が買ってくれた弾道測定器「ラプソード」を取り入れデータを見るようになってから。特に入射角をチェックしている。
「球が高いのでそこをコントロールしています」
ゴルフは見るが好きなプロも目標とするプロもいない。「馬が好き」で、オルフェーヴルのファン。妹が好きなアニメ「ウマ娘」を見てカッコよくて好きになった。得意クラブは9番アイアンや8番アイアン。“ピンを刺した”ときが気持ちいい。ゴルフの魅力は、友だちがたくさんできること、ナイスショットしたときに気持ちがいいこと。
今年の目標は、ドライバーを真っすぐ行かせることと3パットを減らすこと、そして全国大会で優勝すること。夢は全英オープン、全米オープン、オリンピックで勝つこと。日本人で優勝している人がいない大会だからだ。「あまり自分からはぐいぐい行かない」というシャイボーイだが、サラッと大きな目標を語るあたり、大物の予感がする。
【女子優勝・木下陽菜子】憧れのコーチへ“アポなし突撃”! 圧倒的な情熱と実戦環境で掴んだ金メダル

女子の部で優勝したのは木下陽菜子(津市立久居中3年)
女子の部で優勝したのは木下陽菜子(津市立久居中3年)。小4年~6年の初めまで水泳をやっており、体の疲れを取り、リフレッシュできる効果があると感じていた。スケートボードの経験も少しだけある。
上達のきっかけは、地元・三重にあるジュニアゴルフチームの環境がよかったこと。チームにいる2歳上の男子のお父さん(野球経験者で熱心な方)がコーチのように教えてくれて、ほぼ毎週、夏休みなどはほとんど休みなしでラウンド練習を重ねたこと。実戦の回数をこなしたことが、大きく実力を伸ばす要因になった。
好きなプロは岩井明愛・千怜姉妹、菅楓華選手。得意クラブは9番アイアンと52度。52度でのフルショットはぴったり100ヤードで気持ちよく打てるところが気に入っている。ゴルフはパットが入ってバーディが取れたとき、今回の日本ジュニアのように、バーディが続いて良いスコアが出た時が一番楽しいと感じる。
今年の目標は秋の青森で行われる国民スポーツ大会(国スポ)、春の全国中学校ゴルフ選手権大会で優勝すること。アマチュアランキングを上げてナショナルチームに入ること。夢は宮里藍のように、世界ランキング1位のプロゴルファーになることだ。

永井コーチのもとには現在も2~3カ月に1度通い、LINEでもスウィング指導を受けている。その積極性も大きな武器だ
強いメンタルと冷静な分析力を持つと同時に飾らない等身大の無邪気なキャラクターも非常に魅力的。憧れの岩井姉妹のコーチである永井哲二のもとへ、アポなしで会いに行って指導をお願いするなど、ゴルフに対する情熱と行動力には目を見張るものがある。さらなる成長が楽しみだ。
【女子2位・道上稀唯】パッティング器具で劇的進化! 兄妹そろって「オリンピック金メダル」を目指すアスリート魂
小柄ながら最近では250~260ヤード飛ぶこともある。課題はロングアイアンを曲げずに5m以内に寄せること。世界を見据えている
2位に入ったのは道上稀唯(滝川第二中2年)。父と母がアルペンスキーの国体選手で、子どもの頃にスキーを少しやっていたが、ケガをするとゴルフによくないので今はまったくやっていない。上達のきっかけは、最近、プロゴルファーの杉本スティーブのアドバイスもあり、倉庫に眠っていたミラーのパッティング練習器具を使って練習したこと。短い距離を全然外さなくなった。小6の終わりから、小さい筋肉を育てる体幹トレーニングを始めて、飛距離も年々伸びている。好きなプロはネリー・コルダ。「スウィングもキレイだし、今年全米女子オープンに勝ったし可愛いのでめっちゃ好きです」。得意クラブは50度。世界ジュニア出場時、しっかり練習したら得意になった。ゴルフの魅力は世界ジュニアなどに出て海外に友だちを作れること。そのために英語も話せるようになりたいという。今年の目標は春と秋の全国大会での優勝だ。
ゴルフを始めたきっかけとなった兄・道上嵩琉(滝川第二高2年)
ゴルフを始めたきっかけとなった兄・道上嵩琉(滝川第二高2年)も、昨年高校男子の部で優勝したトップジュニア。兄妹は仲が良く「良いライバル」。「トレーナーも同じで、タケルは上手いので教えてくれます」。最後に「やっぱり、夢は兄妹でそろってオリンピックで優勝することです」と華やかな笑顔で答えてくれた。
【女子3位タイ・陣内結愛】パット専門コーチで才能解き放つ!
山下美夢有に憧れるしっかり者の夢

廣吉優梨菜(福岡第一高2年)が目標の選手。人柄やプレーの仕方が好きで同じコーチに習うようになった。目的意識が高いのだ
3位タイに入った陣内結愛(熊本市立力合中3年)は、幼少期は様々なスポーツに取り組んでいたが、地元で開催された女子プロの試合で“輝く”山下美夢有を見て、プロゴルファーになりたいと思い、ゴルフの道を選んだ。
今までは、ショットがよくてもパットが入らず「ポテンシャルを生かせていなかった」が、昨年、パッティング専門のコーチを付けて、打ち方などを修正したら入るようになったという。得意クラブは9番アイアン。「顔が好きだし、一番練習するクラブであり、フィーリングを作るクラブだから」。実際、ピンに寄せる自信はある。ゴルフは、他のスポーツにはない苦しさがあり難しいけれど、だからこそ次の目標がしっかり立てられるところが面白くもある。また、ゴルフの試合は間近で見られて、プロと話ができることも楽しい。
夢は、皆から好かれるプロゴルファーとなって賞金女王になること
好きなプロは山下美夢有。飛距離はないのに上手いから。竹田麗央も好き。地元も同じで練習場でも話をしたこともある。今年の目標は、出場した試合で優勝すること。夢は、皆から好かれるプロゴルファーとなって女王になり、海外メジャーにも出場して親に楽をさせたいという、しっかり者だ。
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