今回、リンクス研究家・武居振一氏が渡英した目的はAIG全英女子オープン観戦(観戦記はWEB『みんなのゴルフダイジェスト』掲載)のほかに、懸案だった“隠れた宝石”3コースを訪ねることにあった。その第2回、武居氏のレポート――。
画像: イングランド北西部ソルウェイ湾の河口に位置する「シロス・オン・ソルウェイGC」

イングランド北西部ソルウェイ湾の河口に位置する「シロス・オン・ソルウェイGC」

コース名は「シロス・オン・ソルウェイGC」。同GCはイングランド北西部ソルウェイ湾の河口に位置し、イングランドで最も辺鄙なところにあるので、なかなか行く機会がなかったのだ。

同GCへどうしても行きたいと思った動機は2つ。愛読書『クラシックゴルフリンクス』(ドナルド・スティール著)に「シロスは人里離れた宝石として今でも輝いている」と。また伝説のゴルフ作家、バーナード・ダーウィンが「シロスリンクスに一目で恋に落ちた」と語っていることも気持ちを揺さぶった。

もう一つはセシル・リーチ(1891〜1977)のホームコースであったこと。全英女子アマ3連覇を含む4勝の「シロスのお転婆娘」を育てたホームコースの風を筆者も体験したかったのだ。

同GCは1892年設立。設計はウィリー・パーク・ジュニア。息をのむ眺望、戦略的デザイン、そして最大の特徴はレイアウトの妙にある。伝統的アウトアンドバックで、フロントナインはソルウェイ海岸ヘ向かい、バックナインはインランドを戻るルート。カンブリア(イングランド北西端)の風景の中に溶け込むゴルフ旅であった。砂丘がリンクス特有の野生を表出させている。印象に残ったホールをいくつか。

4番ビアリッツグリーンは前後から中央に傾斜していて、両側はグリーンを守るかのように棺おけの造形をしていた。

3、4番はアリスター・マッケンジーが修復。また9番パー3も風変わり。深いポットバンカーに囲まれた「切手」グリーン。そして中央が盛り上がっているくら形のフェアウェイの13番は「ホッグスバック」と名付けられていた。

シロスへは220マイルの長旅だったが、ヒースの鮮やかな色を見た途端、旅の疲れは吹っ飛んだ。

武居振一: 1952年生。英国300コース(リンクス100)行脚。リンクス研究家。R&A会員。JGAゴルフミュージアム参与

※週刊ゴルフダイジェスト2026年9月15日号「バック9」より

武居氏のAIG全英女子OP観戦記と隠れた宝石第1回はこちら


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