女子ゴルフの今季国内ツアー第25戦「ゴルフ5レディス」(9月4〜6日、岐阜県・GOLF5カントリーみずなみコース=6531ヤード・パー72)2日目、49歳の大山志保が2アンダーで予選通過。4000人を超えるギャラリーを沸かせた。
画像: 最終ホールの9番で20メートルのバーディパットを沈め両手バンザイで喜びを表現する大山志保(撮影/岡沢裕行)

最終ホールの9番で20メートルのバーディパットを沈め両手バンザイで喜びを表現する大山志保(撮影/岡沢裕行)

両腕を目いっぱい伸ばし、全身が反り返る大バンザイ。9番ホールはギャラリーの地鳴りのような大歓声が響き渡った。

2日目の最終9番パー4。左ラフの深い逆目から、残り138ヤードをピン右奥20メートルに乗せた大山志保。カップの手前で止まるかに見えたパットは、最後の一転がりでコロンとカップに吸い込まれた。その瞬間、体の痛みを忘れた大山の代名詞とも言える両手バンザイが飛び出した。

「打った瞬間、あー強すぎたって思ったら、あれ? ライン乗ってる! って。もうバンザイでした。ウィニングパットみたいでごめんなさい(笑)」と大山は興奮気味に笑う。

大声援の中には、同い年で大学時代から交流の深い近藤智弘の姿もあった。プロアマ日に、ウェイティング1番手から大山の急遽出場が決まったのを知り、ギャラリー応援を約束。応援は人生初めてという近藤は、初日から2日間ロープの外から声援を送り続けた。「本当に勇気をもらう。あんなガッツポーズやバンザイ、俺はしたことない」と驚く親友に、大山は「近藤君のおかげで頑張れた。いいものを見せられました」と微笑む。

直前の8番で3パットのボギーを叩き1アンダーへ後退。「これを入れないと予選を通れない」という強い思いを込めて放った20メートルの執念のパットだった。

治療法が確立していない原因不明の難病で2年半近くツアーを離脱し、今も足の裏などの激痛を抱える。だが、満身創痍の49歳を支えるのは「気持ち」。胸の中心を指先で押さえながら「ここが元気。心が弱くなったら引退。痛みは気持ちで抑えないと」と言い切る。

この日は同じ宮崎出身の21歳・菅楓華、23歳の神谷そらと同組。女子ツアーのトップを走る2人に「ワクワクしてた」と胸を躍らせ、お母さん世代ながら、鮮やかな赤のウェアと「戦闘モードの証し」のバイザーで対抗。「49歳はまだ若い」と闘争心を燃やした。前日も、娘のような18歳ルーキー伊藤愛華にピンクのウェアで対抗した。

気持ちが負けたら立っていられない状況でも、ギャラリーを沸かせる大山の姿は若手にも響く。

菅は「大山さんが49歳でこれほど熱いゴルフをしているのが本当にすごい。自分が40歳を過ぎてツアーでゴルフをしているか分からないです」とリスペクトする。

2006年賞金女王、ツアー18勝の消えないエネルギーは、最終日もギャラリーを大いに沸かせるはずだ。


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