
今週開催の日本女子プロ選手権で山下美夢有のスウィングは生で見られる
青木功の盟友にして、現在は杉並学院高校ゴルフ部監督(08年就任)を務める鷹巣南雄。鷹巣の持論は「山下のスウィングは、いま世界一美しいと思う。タイガー・ウッズや佐藤精一に匹敵します」と。
「一言で言えば、こまがくるっと回るようなスウィング、よどみが全くなくワンピース。軸が不動だからこそ可能で、特徴がないとも言えます。ボールがどこに置いてあるかも全くわからない。円弧のなかにボールが吸収されてしまって、素振りと全く同じテンポ。言葉では表現できないほど流麗です。タイガーは若い頃はちょっと力感があったが、全盛の頃は流れるようなテンポ、リズムがあった。私の師匠の佐藤も早打ちの印象が強いですが、重心が体の真ん中にあって、こまが回転するようなスウィングでした。3人が違うのは身長だけ。タイガー185cm、佐藤160cm、山下150cmだが、スウィングが重ね合わせられるほど似ています」と鷹巣は絶賛する。
タイガーのスウィングは世界中に知れ渡っていて、分析も山ほどされているので割愛。佐藤のスウィングを紹介したい。佐藤は1932年生まれ。1966年日本オープン、1970年には日本プロ制覇。「振り回すのでなく、ヘッドを落とすだけ、引力に逆らうな」という脱力スウィングだった。あのジャンボ尾崎のアプローチの“先生”でもあった。構えたらサッと打つので「早撃ちマック」という異名。
「深いラフから高いボールで止める、今で言うロブショット、私らはエクスプロージョンと言ってましたが、佐藤はこれが抜群に上手かった。実はこの腰を“切る”ショットがスウィングの核なんです。尾崎が佐藤を先生と呼んだのはこれがあったからです」(鷹巣)
山下のコーチは父親の勝臣さん。自身はアベレージゴルファーだが、教えることの巧みさは美夢有が認め、全幅の信頼を置いているという。いち早くトラックマンを購入し、フォーム映像を分析しながら父娘で作り上げたスウィング。
鷹巣のいう「世界一美しいスウィング」で、これからどこに向かうのか、注視していきたい。
※週刊ゴルフダイジェスト2026年9月22日号「バック9」より
