今年で3回目となる本大会。参加大学は、アメリカからディビジョン1の強豪、ニューメキシコ大(男子)とテキサスクリスチャン大(男女)、その他フロリダガルフコースト大(男女)、シアトル大(男子)、サンノゼ州立大(女子)、カリフォルニア大ロングビーチ校(女子)、イギリスからは強豪校のセントアンドリュース大(男女)、韓国からは韓国体育大学(男子)、韓国合同チーム(女子)、台湾からは国立体育大学(男女)、そして、日本からは日本大学(男女)、東北福祉大学(男女)、中部学院大学(男女)、中京大学(男子)、東海大学九州(男子)、明治大学(男子)、早稲田大学(男子)、駒澤大学(女子)、福井工業大学(女子)の、男子14チーム、女子12チーム、合計130人が参戦した。
昨年は台風の影響で最終日が中止となったが、今年は雨をかいくぐり無事完走。勝負の行方は最後までわからない展開となった。

団体アベック優勝は日本大学。「チーム一丸となって男子3連覇、アベック2連覇を達成できて本当に嬉しく思います。来年も後輩が引き継いで連覇を伸ばしてくれると思います」(隅内雅人・4年)「海外選手と一緒にプレーできてとても勉強になりました」(山本瑠奈・4年)と両キャプテン
結果、団体戦は男女とも日本大学が優勝。男子2位はニューメキシコ大、女子2位はテキサスクリスチャン大に。個人戦は今年も“ミックス競技”で行われ、優勝がジョニー・クラーク(ニューメキシコ大4年)、2位は清水蔵之介(日本大3年)、3位は泊隆太(日本大3年)。女子の最上位(5位タイ)は倉持凪(日本大3年)となった。

試合前、玉ノ井部屋を訪ね、親方から本気のスカウトを受けたという193cm・127㎏のジョニー・クラーク。日本のラーメン「一蘭」が好き。「アメリカでも食べたことはあるけど味が全然違って、完全に別物でごく美味しかったです」。好きなプロはキャメロン・スミス。「パターがすごく上手くてどんなことがあっても落ち着いていまう」
個人戦優勝のクラークは、18番で8フィートのストレートパットを沈めてバーディとし、逆転優勝。
「これ以上ない喜びです。狭いコースだけど今日はドライバーがすごくよくて、昨日から調子がよかったアイアンの調子も維持できて、全体的にいい内容でゴルフできました」
キャリー315ヤードの飛ばし屋だが「アイアンの距離感が一番武器です」と語る。
「今シーズンの初戦で、秋、春と続く試合に向けていいスタートを切れましたし、この大会の経験を通して、PGAツアーに行きたいという夢への距離も少し縮まったかなと思います」
この優勝で、同じグランフィールズCCで行われる10月初旬のJGTOレギュラーツアー「ドラッグストア・コスモスカップ」への出場権が与えられたが、こちらは前向きに検討中。また日本でプレーする姿を見せてほしい。

女子最高位の倉持凪。今回獲得した女子ツアーに出場して、昔から好きだという青木瀬令奈と回りたいが「会えるだけでも嬉しい」。青木の、身長は小さいながらUTを駆使して、いつも上位で戦うプレーを見てみたいという
女子最上位の倉持凪は、「嬉しいですけど悔しい」と女子では7打の圧勝も、“狙っていた”個人戦優勝を3打差で惜しくも逃し、ちょっぴり残念そう。しかし、10月のJLPGAレギュラーツアーの「NOBUTA GROUP マスターズGC レディース」への出場資格を獲得し、「(ツアー出場は)初めてです。上手くできるかわからないけど、やるからには頑張りたいです」。
今回、海外の選手と回って「英語は全然話せなくて。でも2日目の選手はフレンドリーで話しかけてくれました。私も初日に『どこに住んでいるんですか?』と聞くと『アリゾナ』と返ってきました」と、ゴルフを通した新しい経験もできたようだ。
本大会は、競技を通して心身・技量の成長を図るだけでなく、国際的な視野を身につけるのも目的としている。今年もコース上はもちろん、会場の内外で多くの交流が行われた。

早大チーム。「海外の選手と毎日交流させていただいて。ゴルフをしながら、というのがすごく新鮮で楽しかったです」(加藤唯央・4年)。ゴルフ部から4人が通訳(同時通訳)として参加。立派に役目を果たしていた
大会運営には、本コースで日々練習している日大ゴルフ部の学生中心のボランティアも数多く参加。
「各組に2人ずつ日大の学生さんがサポートに付いてくれたり、昨年はレックス(倉本)と私が行った司会も、英語の堪能な早稲田の学生さんにやってもらったり。また前夜祭では、それぞれのチームのロゴ入りステッカーをプレゼントしながら歩き回り一気に和んでいました。試合後のフェアウェルパーティーも学生さんメインでの運営でした」と大会事務局の倉本みほさんは頼もしそうに語る。

偉大な父を持つクリス・クーチャー(左)。チャーリー・ウッズ(タイガー・ウッズの息子)やジョン・デーリーⅡ(ジョン・デーリーの息子)たちとも仲がいいという。「お互い、たまたまゴルフが上手な父のもとに生まれただけです」。隣は通訳をしてくれた米山拓哉さん
PGAツアーで長く活躍するマット・クーチャーを父に持つクリス・クーチャー(テキサスクリスチャン大1年)は、父が何度もプレーした日本での経験をこう語る。
「トヨタワールドカップにアメリカ代表で来たことがあって、そのときもゴルフ場の皆様の優しさ、そしてホスピタリティにも心をうたれて。今回ももともといい経験になることはわかっていたんですけど、改めて日本に戻って来てみると、いいゴルフができて気持ちいい景色も見られて、美味しいご飯が食べれてよかったです。
日本選手の何人かとは英語やグーグル翻訳を使って楽しい時間を過ごしました。ゴルフの印象は、マネジメントがすごく上手で、あまりアップダウンの少ないゴルフをすること。どんなに苦しい場面でも、しっかりパーを取って、最終的にはいいスコアでまとめてくるというイメージです」
今回の自身の成績は40位タイとふるわなかったが、目標は「世界一のゴルファーになりたい。そういう気がない人が、この場にいるのはよくわからないですね(みんなそういう気持ちだと思いますよ)」ときっぱりと言い切って、ニコニコしながら会場を後にした。

セントアンドリュース大のミューア監督と倉本みほさん(左)
また、海外から参加チームは、日本の文化も堪能した様子。613年の歴史があるという“ゴルフの聖地”セントアンドリュース大のイアン・ミューア監督に話を聞いた。
「今回初参加で日本に来るのも初めてです。コースは素晴らしい。アップダウンはあるけどゴンドラみたいな動く歩道があって面白かった。フラットで風が吹いている私たちの地元のコースとはまったく違います。女子は今シーズン初めての試合ですごく頑張ってくれた。月曜日から学校が始まるんですよ。個人戦の女子で2番目によかった選手(C・リム/4年生)もいるのでそれもすごく嬉しいです。こういう経験は、後になって振り返ったとき、今の自分に活きているなあということがわかると思いますので、とても大事です」

日本文化を堪能する選手たち(右)。「今回のような経験を、これからの人生に生かしてほしいです」(監督)
実は試合前に4日間東京に滞在、日本文化を堪能したという。
「スカイツリーをはじめいろいろなところに行ってよい時間を過ごしました。着物を着てお茶会にも行って、渋谷のスクランブルスクエアにも行き、スーパーマリオカートにも乗りましたよ。食事もすべて美味しかった。お寿司とラーメンです。目の前で作ってくれました。でも、ずっと歩いていたので太ってはいませんよ」
興奮気味に話をしてくれるとこちらも嬉しくなる。そして、最後にはゴルフについて、「ゴルフをするなかで、いいショットをしたらすごくいい気持ちになるし、達成感や試練など多くのことが起きてきます。どれもいい経験で学びがあります。よいことも悪いことも両方経験ができる素晴らしいスポーツだと思います」と締めてくれた。
ゴルフという共通言語を通じてあちこちで交流という花が咲く。“真のゴルフ国際人”は、こうして育まれていくのだろう。
写真/スポーツニッポン新聞社、弊社記者

