来季のPGAツアー出場権(ツアーカード)をかけた最終決戦「コーンフェリーツアー・ファイナルズ(全4戦)」がいよいよ開幕する。9月10日~13日に開催される初戦の舞台は、ボブ・カップとトム・カイトが共同設計したヴァンダービルト・レジェンズクラブ・ノースコース(7197ヤード・パー70)。この「シモンズバンクオープン」には、過去8名の歴代覇者は、全員がそのシーズンの終わりにPGAツアー昇格を果たすという強力なジンクスが存在する。ラント・グリフィン(2017年覇者)やキャム・デービス(2018年覇者)など、のちにPGAツアーでも優勝を飾る実力者を輩出した登竜門。出場資格を持つ156人のうち、実際のフィールド枠147人が集うこの地(欠場者補充なしのルールのため)に、日本から杉浦悠太と石川遼の2名がエントリーしており、彼らはここから「1打が人生を左右する過酷なシステム」に直面することになる。

リセットなし!「156人→60人」へ削られるデスマッチ

ファイナルズにおける最大の目標は、全4戦終了後にポイントランキング「トップ20」に入ることだ。この上位20名のみが、夢のPGAツアーカードを手にすることができる。

2022年まではファイナルズ進出時にポイントやランキングの扱いが実質リセットされるシステムだったが、フォーマットが刷新された2023年以降は、1月からのレギュラーシーズンのポイントがそのまま累積されるガチンコ勝負となっている。

さらに選手たちに重圧を与えるのが、試合を追うごとにフィールドが強制的に縮小されるというシビアなルールだ。今週の第1戦は156人が出場するが、第2戦に進めるのは132人のみ。第3戦は100人となり、最終戦のチケットを掴めるのはわずか60人しかいない(最終戦は予選落ちなし)。初戦での予選落ちなど、たった一度のミスが致命傷になりかねない、まさに生き残りを賭けたサバイバルなのだ。

【杉浦悠太】「29アンダー」を叩き出した爆発力。トップ20までわずか「14.5pt」

今季すでにコーンフェリーツアーでツアー初優勝を飾っている新星・杉浦悠太は、夢の舞台まであと一歩のところに迫っている。

現在の彼のポイントランキングは23位(731.722pt)。昇格ラインとなる20位(746.25pt)との差は、わずか約14.5ptしかない。今季ルーキー優勝者の1人である杉浦の最大の武器は、他を圧倒する爆発力だ。8月に「アドベントヘルス選手権」を制した際には、通算29アンダー(259ストローク)、4日間でわずか101パットという驚異的な数値を叩き出している。

昨年大会の優勝スコアが23アンダーに達したように、ヴァンダービルト・レジェンズクラブはバーディ合戦が必至のコース。ロースコアを叩き出す能力を持つ杉浦にとって、非常に相性の良い舞台と言える。ファイナルズでは優勝ポイントが通常の500ptから「600pt」に跳ね上がるため、初戦で上位に食い込めば一気にトップ20圏内へと躍り出る絶好のチャンスだ。

【石川遼】39位からの逆襲。今季3位タイ&ホールインワンの勢いで上位へ

一方、ベテランの石川遼は現在ポイントランキング39位(536.733pt)につけている。昇格圏内の20位までは約210ptの差があり、決して容易な道のりではない。

しかし、今季の石川はアメリカの地で確固たる実績を残している。6月の「オキュネットクラシック」で最終日に優勝争いを演じて3位タイに入るなど、上位に食い込む実力を証明。さらに「BMWチャリティプロアマ」第3ラウンドでは見事なホールインワンを達成するなど、極限のプレッシャーがかかる場面でのショット精度とスター性は健在だ。

石川にとって今週の絶対条件は、第2戦に出場できる「上位132人」の枠に残ること。まずは初戦で手応えのあるフィニッシュを果たし、フィールドが100人、60人と絞られていくシビアなサバイバルを生き残って、ポイント配分の高い最終戦での大逆転を狙うシナリオが期待される。

1打の重みとPGAツアー昇格への挑戦

画像: いま現在は最終戦に進める順位にいる杉浦悠太と石川遼。少しでも上位でフィニッシュして弾みをつけたい

いま現在は最終戦に進める順位にいる杉浦悠太と石川遼。少しでも上位でフィニッシュして弾みをつけたい

歴代覇者がもれなくPGA昇格を決めてきた「シモンズバンクオープン」。アメリカの地で、人生をかけて1打と向き合う2人の日本人選手。極限のプレッシャーの中で彼らがどのようなゴルフを見せるのか、週末のリーダーボードから目が離せない。

写真/岩本芳弘(杉浦悠太)、有原裕晶(石川遼)


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