
女子ツアー屈指の飛ばし屋の穴井詩プロのスペックを試打!(撮影/姉﨑正)
今回取り上げるのは、ツアー屈指の飛ばし屋で迫力のあるスウィングが特徴的な穴井詩プロ! 今季も【ドライビングディスタンス:260.70Y(1位)】と、圧倒的なパワーと飛距離でギャラリーを沸かせている。彼女の持ち味は、速いヘッドスピードから放たれる力強いフェードボールだ。
今回完全再現した穴井プロのスペックは、ヘッドに直進性と高初速性能を備えたテーラーメイド「Qi4D (9度)」、シャフトは素直なしなり戻りと強い押し込みで初速を稼げると評判のフジクラ「SPEEDER NX GOLD(50S)」という組み合わせ。今回もグリップのフィーリングまで本人仕様に合わせたスペシャルな1本を用意した。
試打環境はインドア、計測器はトラックマン4、計測用ボールは室内測定でも高精度に測定可能なタイトリスト「ProV1 RCT」ボールを採用

トラックマン4、タイトリスト「ProV1 RCT」を使用
「直進性・高初速ヘッド×走り系中調子」の飛距離特化セッティング

画像:「Qi4D(9度)」、シャフトは「スピーダー NX ゴールド(50S)」 ※プロはクラブを替える頻度が高いため、バランスは一般的なD2程度で試打
ツアーNo.1の飛距離を誇る彼女がこのセッティングを選んだ理由に、堀越プロと編集部が迫る。
試打者/ほりこし・よしかず 試打経験に裏打ちされた豊富な知識と確かな試打技量で、大手メーカーのシャフトやヘッドの開発にも携わる。クレアゴルフフィールド所属
編集部:穴井プロといえば、今季もドライビングディスタンス1位(260.70ヤード)に君臨する圧倒的な飛びが代名詞です。ツアー会場で目の当たりにしましたが、スウィングスピードがとにかく速く、迫力満点の強弾道を打っていたのが非常に印象的でした。そんな穴井プロのドライバーが「Qi4D(9度)」に「SPEEDER NX GOLD(50S)」というセッティングなのですが、この組み合わせの印象はどうですか?

大きなスウィングアークで飛ばす穴井詩
堀越プロ:飛びとともに方向性も担保しているような組み合わせに感じますね。ヘッドの「Qi4D」はミスヒットに強く直進性がありながらも、強い打球で前へ押し出してくれるモデル。そこに合わせる「SPEEDER NX GOLD」は、手元から中間にかけて素直にしなりつつ、スピーディにしなり戻ってインパクトでボールを力強く弾き出してくれるシャフトです。切り返しで深いタメを作って一気に振り抜く穴井プロのスウィングに対して、ロフト9度で低スピンのベースを作り、シャフトの走りで球を持ち上げ、初速をさらに引き上げる感じでしょうか。
「適度なしっかり感とタイミングの取りやすさ」(堀越プロ)
編集部:飛ばし屋の穴井プロだからこそ、直進性の高いヘッドを選んでいるんですね! 構えた時の印象はいかがですか?
堀越プロ:顔つきが非常にニュートラルで良いですね。逃げてもつかまり顔でもなく、目標に対して真っすぐ構えやすい。「SPEEDER NX GOLD」もワッグルすると手元〜中間の滑らかさを感じるので、力むことなく素直に振り抜けそうです。
実際に試打を開始!
堀越プロ:これはすごい初速感ですね。 ドンと強く打ち出されて、バックスピンが抑えられた強い弾道で球が伸びていきます。ロフト9度ですが、シャフトがインパクトでスムーズにしなり戻ってくれるので、しっかり高さが出てキャリーが伸びていますね。コアモデルの分、多少スピンが入るのでドロップすることなく、中~高弾道で飛ばしていけます。
編集部:トラックマンのデータはどう出ていますか?
堀越プロ:ボール初速61.6m/s、打ち出し角13.5度、バックスピン量は2421rpmです。キャリーで227.2ヤード、トータル飛距離は256.7ヤードまで伸びています。シャフトの走りと押し込み性能が見事に噛み合って、効率よく飛距離に変換されていますね。
編集部:フェードでこのロースピンと伸びは魅力的ですね!
堀越プロ:「Qi4D」の高い反発力と直進性に、「SPEEDER NX GOLD」の素直でスピーディなしなり戻りがプラスされることで、右へ滑るミスを防いでいます。強く振りにいってもシャフトが応えてくれるため、穴井プロのような迫力あるスウィングのエネルギーをロスなく初速へ変えられているのが分かりますね。
一般的なアマチュア男性ゴルファーを想定し、平均ヘッドスピード42m/s前後で試打
※10球試打したうちの平均値を算出
●キャリー/227.2Y
●総飛距離/256.7Y
●ボール初速/61.6m/s
●打ち出し角/13.5度
●スピン量/2421rpm
堀越プロの総評

今回の穴井プロのセッティングは、まさに「バランスの良いコアモデル(Qi4D)ヘッド×スピーディにしなり戻る強弾道シャフト」が非常にマッチしているセッティングでした。
「Qi4D」の高い直進性とロフトが立った9度で低スピン・高初速を狙いつつ、そこに「SPEEDER NX GOLD」のスムーズなしなり戻りを合わせることで打ち出し角とボール初速を高めています。キャリー226ヤード超え、トータル256ヤードオーバーを叩き出せるのは、スウィングのエネルギーが効率よく伝わっている証拠ですね。適度な剛性感もあるので、スウィングスピードが速い方でも、頼りなさを感じることはないでしょう。
そして、前回の永井プロは低スピン、操作性の高い「Qi4D LS(ロースピン)」の9度を使用していながら、しなりを感じれるシャフトで飛距離を稼いでいました。一方で穴井プロは剛性感のあるシャフトと直進性の高いヘッドで、飛距離をキープしつつ方向性も底上げしているような組み合わせに。とかく飛ばし屋の穴井プロが「LS」を使用するイメージですが、打ちたい弾道、目的が明確だからこそ、「ハードヒッター=ロースピンのLS」という一般的なイメージにとらわれないヘッド選びをしているんです。
穴井プロの場合、LSだとスピンが減りすぎて球が上がりきらず、キャリーを落としてしまうリスクがも考えられます。だからこそ、適度な打ち出し角を作れる「Qi4D(コアモデル)」を選び、スピーディにしなり戻る「SPEEDER NX GOLD」でボール初速と最高キャリーを叩き出しているわけです。
一方で、前回の永井プロは、「左へ行かせたくない」という目的から、あえてスピンが少なく左を消せる「Qi4D LS」を選び、打ち出し角、スピン量をシャフトのしなりでカバーしていました。
「ヘッドで左を消し、シャフトで高さを補う」永井プロと、「ヘッドで高初速・高打ち出しを作り、シャフトで推進力を足す」穴井プロ。同じロフト9度であっても、自分のスウィングの特徴とクラブに求める役割を完璧に理解しているからこその、見事なセットアップと言えますね。
次回の「女子プロドライバーほぼ完コピ試打」もお楽しみに!
協力/トラックマン、テーラーメイド、フジクラ、クレアゴルフフィールド

