
初日4アンダー4位タイスタートの桑木志帆と1アンダー13位タイの山下美夢有(撮影/岡沢裕行)
18番はチップインバーディ

18番のチップインアプローチ(撮影/岡沢裕行)
10番からスタートした桑木の初日のラウンドを支えた最大の要因は、冴え渡るアプローチだった。12番ではボールがラフに沈んだピンチから、48度ウェッジで22ヤードを90センチにピタリと寄せてギャラリーを魅了。前半14番からの3連続バーディで一気に波に乗ると、前半締めくくりの18番では見事なチップインバーディを奪ってみせた。ピンまで9ヤードの深いラフから58度のウェッジで放った打球がカップへと吸い込まれたのだ。

岩本砂織コーチが桑木のアプローチを指導
この初日のアプローチ精度を陰で支えていたのが、約1年前から指導を受ける岩本砂織コーチとの地道な取り組みだ。スタート前やホールアウト後の練習場で、桑木は入念なアプローチ指導を受けていた。
その技術の具体的な中身について、桑木自身は「ないしょ」と笑って口を閉ざすが、練習風景には明確なポイントが凝縮されていた。

桑木が右手で左手をあてがったウェッジのシャフト中央を岩本コーチが支えながら、アプローチを指導
一般的なスウィングチェックでは正面や後方から動画撮影を行うことが多いが、岩本コーチは桑木の背中側に立ってスマートフォンを構える。さらに桑木の背後に立ち、左手を左肩、右手を右腰にあてる形で、アドレスからハーフウェイダウンまで前傾姿勢をキープさせながら、トップの振り幅における体幹と上体・下半身の捻転バランスを細かくチェックしていた。
加えて桑木は、左手前腕あたりを右手で押さえた「左手主導」の片手アプローチを繰り返し、岩本コーチがダウンからインパクトまでクラブを支えながら、ハンドダウンでボールを押さえ込む動きや、フォローでクラブを一気に立ててあげるロブショットの練習を丹念に反復していた。
「ないしょ」とされるアプローチの全貌は明かされていないものの、この質の高いアプローチ練習こそが、片山津の深いラフを攻略する最大の武器となっていることは間違いない。

2人の全英女子オープンチャンピオン(撮影/岡沢裕行)
昨年のAIG全英女王・山下とのラウンドについても、「全部のリズムが一定なので、参考にしながら回らせてもらいました」と刺激を受けつつ、終始良いテンポでプレーを楽しんだという桑木。
メジャー覇者としての品格と高度な小技を胸に、「コースが難しいので、ダボを叩かないよう1ホールずつ慎重にマネジメントしていきたい」と語り、明日以降のさらなる激闘を見据えている。
