
武居振一 1952年生。英国300コース(リンクス100)行脚。リンクス研究家。R&A会員。JGAゴルフミュージアム参与
そのコースは、スコットランドで最も南に位置することからサウザネスGC(Southerness Golf Club)と名付けられた。ソルウェイ湾の静かな海辺にひっそりと佇む同GCは、鮭の薫製小屋などが点在するリゾート地にあり、ゴルファーにはほとんど知られていない。
創設は1947年。設計はフィリップ・マッケンジー・ロス。「全英オープン」を開催したことのあるトランプターンベリーを再設計したことでも有名。パー69ながらコースレート73と難コースである。
私(武居)が惹かれたのはすべてが自然であること。ルートはシンプルながら戦略的。原野が見つけてくれるのを待っていたかのような趣で、完全に自然によって形作られたリンクスランドの原点そのもののコースといえる。
スコットランドの伝統的アウトアンドバックスタイルで、オープニング7ホールは放牧地に沿ったホール建て。左側にバンカーとクリークがある5番は最長のホールで、特徴は高く盛り上がった跳馬のようなグリーン。6番は狭い小川を越える2打目が待っている。その後はソルウェイ湾に向かって折り返し、クリフェル山を背景に強い風の中、2打目はアイアンよりウッドが求められよう。8番から海に向かって進み、12番はドッグレッグのパー4で壮観なロケーションが出現する。ソルウェイ湾の眺めを最大限に生かしたグリーン位置の“演出”に感動してしまった。
13番は横風、向かい風と風の応酬。16番はハリエニシダとヒースが待ち受け、18番はラウンドを締めくくるような、これでもかという風が吹き荒れる。OB(岩場)はグリーン奥からわずか2歩の距離に。
地形、荒天、時空、むき出しの自然を楽しみたいゴルファーにお薦めの場所。Genuine(本物)の虜(とりこ)になること請け合い。
※週刊ゴルフダイジェスト2026年9月22日号「バック9」より


