「1ラウンド6時間」──マキロイを襲った不運
世界屈指のショットメーカーであり、常に完璧なプレーを見せるローリー・マキロイ。しかし、この日の彼は13番ホールで痛恨のダブルボギーを叩くなど、苦しい展開を強いられた。1アンダーの35位タイという結果で初日を終えた彼は、ラウンド後の会見で正直な疲労感を覗かせている。
「風の強さもさることながら、今日の最大の敵はプレーペースだった。1ラウンドに6時間もかかると、リズムに乗るのは非常に難しい」
プロのトーナメントにおいて、6時間というラウンド時間は異常だ。待ち時間が長引けば長引くほど、筋肉は冷え、集中力は削がれていく。「このコースは、流れに乗るのを許してくれない作りになっている。特に最初の2日間は出場選手が多いから、どうしてもストップ&ゴーの連続になってしまうんだ」とマキロイはこぼす。
痛恨のダブルボギーについては、「フェアウェイバンカーからのショットは私の得意分野ではない。大きめのクラブを持ちすぎて裏目に出てしまった」と自身のミスを潔く認めている。世界トップの選手であっても、寒さと極端なスロープレーに翻弄されれば、判断を誤ることがある。しかし、そこから崩れることなくアンダーパーで耐え抜いた点に、彼の底力が表れていた。
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x.com「自分史上最高」ローリーが見せた忍耐のゴルフ
マキロイと同じく地元の大きな期待を背負うシェーン・ローリーは、強風の中で3アンダー(暫定2位タイ)という見事なスコアをマークした。だが、彼もまた極限の忍耐を強いられていた。
「正直に言って、3サム(3人1組)でプレーした中で人生最長のラウンドだった。日没までにクラブハウスに帰れるとは思っていなかったよ」
タフな状況下でのラウンドをそう振り返るローリーだが、彼の表情に焦りはない。彼は開幕前の会見で「今、自分はキャリアの中で最高の状態にある」と語っていたが、その言葉通り、風が強く厳しいテストとなるインコース(後半)で着実にパーを重ねる圧倒的な集中力を見せた。
「前半の追い風のパー5でバーディを奪い、向かい風になる後半はとにかくパーを拾って一刻も早くクラブハウスに帰りたかった。その通りのプレーができたことに満足している」
リンクスの洗礼と、アイリッシュが見せた「耐える強さ」

国籍は違えど、アイルランド島出身で仲の良いローリー・マキロイとシェーン・ローリー。ともにナショナルオープンと話す今大会の初日をアンダーパーでまとめた(写真は26年全英オープン練習日)
「110ヤードの距離で7番アイアンを持たされるほどの強風だった」と他の選手が証言するように、自然の猛威だけでなく「1ラウンド6時間」という極限のスロープレーにも耐え抜いたアイルランドの英雄たち。華やかなショットの裏側で、彼がいかに見えない疲労やフラストレーションと闘っているかが浮き彫りとなった。
過酷なコンディションの中でサスペンデッドとなった初日。順延分の消化を含め、さらにタフな戦いが予想される2日目以降、彼らがどのようなメンタリティでリンクスコースを攻略していくのか。忍耐のゴルフは、まだ始まったばかりだ。
写真/R&A
