アイアンの乱れを救った驚愕の数字「21パット」
杉浦はなぜ、ムービングデーに「63」というビッグスコアを出すことができたのか。スタッツ(データ)を紐解くと、初日・2日目とは全く異なるゴルフの内容が見えてくる。
実は第3ラウンドの杉浦は、決してショットが好調だったわけではない。初日にフィールド全体1位(3.683)を記録した得意の「SG: Approach to Green(グリーンを狙うショットの貢献度)」は、この日「-1.737(同日66位)」へと急降下。パーオン率も55.56%にまで低下し、ショット面では苦しい状況に立たされていた。
しかし、その苦境を補って余りあるのが魔法のようなパッティングだった。この日の「SG: Putting(パットの貢献度)」は「6.025」でフィールド全体1位に君臨。18ホールでの総パット数はわずか「21パット」、沈めたパットの総距離は実に「144フィート3インチ(約44メートル)」に達した。パーオンホールの平均パット数も「1.3(全体1位)」という無双ぶり。アイアンショットの乱れを、グリーン上の神がかり的なプレーでねじ伏せ、スコアを「63」へとまとめ上げたのだ。

驚異の21パットを見せた杉浦悠太。2打差の4位タイで最終日を迎える
歴代覇者と「同組」で直接対決! リーダーボードにひしめく猛者たち
首位と2打差の4位タイで迎える運命の最終ラウンド。最終組の1つ前の組に入った杉浦悠太は、すぐ頭上の単独3位(通算18アンダー)につけるラント・グリフィンとの2人1組(ツーサム)での直接対決に挑む。グリフィンは2017年の今大会覇者であり、PGAツアーでの優勝経験も持つ強豪。第3ラウンドで「61」を叩き出して勢いに乗る歴代覇者と、同じ組で火花を散らすことになる。
さらに、杉浦と同じ4位タイには、現在ポイントランキング1位を独走する絶対的な存在、ロス・スティールマン(今季2勝)が並んでいる。スティールマンは、明日優勝すればファイナルズ規定の「3勝プロモーション」が適用され、PGAツアーへ即時昇格となる特別なモチベーションを胸に秘めている。
PGAツアーカード獲得ラインであるトップ20の順位を死守するため、あるいは優勝して600ポイントを獲得し、来季の切符を確実なものにするため、極限のプレッシャー下での18ホールが始まる。
絶好のコンディションで迎える運命の18ホール
日曜日の現地天気予報は「晴れ(最高気温33度)、風は穏やか」と、スコアを伸ばすには絶好のコンディションが整っている。
上位陣によるさらなるバーディ合戦が予想される中、ショットを立て直した杉浦が再び爆発するのか、それともパットの魔法が続くのか。PGAツアーという夢の舞台へ。運命の最終ラウンドから目が離せない。
写真/Getty Images
