国内女子メジャー第2戦「ソニー日本女子プロゴルフ選手権」(片山津GC白山C)の最終ラウンドが行われ、首位と2打差の4位タイからスタートした世界ランキング6位の山下美夢有が、9アンダーで並んだ吉澤柚月とのプレーオフを制して今季国内初優勝を飾った。米ツアーから参戦し、大会トップランカーとして実力を発揮した。
画像: 日本女子プロ選手権を制し、初の日本タイトルを手にした山下美夢有(撮影/岡沢裕行)

日本女子プロ選手権を制し、初の日本タイトルを手にした山下美夢有(撮影/岡沢裕行)

パッティングに苦戦も、100ヤード以内の精度が優勝を引き寄せた

画像: 吉澤柚月とのプレーオフを制す(撮影/岡沢裕行)

吉澤柚月とのプレーオフを制す(撮影/岡沢裕行)

4日間を通して「タッチとラインがなかなか合わなかった」と語る通り、グリーン上では本来のパッティングに苦戦を強いられた。それでも崩れなかったのは、アイアンやウェッジショットの精度と、コースマネジメントがあったからだ。

16番パー5では100ヤードから48度でピン手前30センチにつけるベタピンバーディ。正規の18番パー4では、ティーショットを右ラフに入れたものの「100ヤード以内は今週ずっと安定していました。ラフから無理せず、自分の得意な距離に残すこと」を徹底。184ヤードの深いラフから確実に刻み、3打目の88ヤードを52度でピンそば1メートルにつけてパーセーブを果たした。

続く吉澤柚月とのプレーオフ1ホール目でも、ピンまで186ヤードのセカンドを4番ユーティリティでピン奥6メートルに乗せ、パーをセーブ。吉澤のミスも重なり、1ホール目で決着した。

今大会が開催された石川県は、母・有貴さんの出身地(七尾市)という縁の深い土地。「今年に入って現地で優勝を見せられていなかった」という母が会場で見守る中、見事な優勝劇を演じてみせた。表彰式で涙を流す母の姿を目にし、「日本で応援に来てくれて、目の前で優勝できたことが本当にうれしい」と笑顔を見せた。大勢のギャラリーや地元ファンからの熱い歓声も大きな力となった。

グランドスラムに王手だけど……

画像: アイアンやウェッジショットがスコアメイクを支えた(撮影/岡沢裕行)

アイアンやウェッジショットがスコアメイクを支えた(撮影/岡沢裕行)

今回のメジャー勝利により、2022年「ワールドレディスサロンパスカップ」、22&23年「JLPGAツアー選手権リコーカップ」(2勝)に続く国内メジャー4勝目を達成。国内ツアー14勝目となった。

残る国内メジャータイトルは「日本女子オープン」のみ。メジャー4冠(生涯グランドスラム)へ王手をかけたが、「メジャータイトルは特別で気持ちも入るが、目の前の1打に集中して自分のプレーをするだけです」と自然体を貫く。

特別なメンタルトレーニングは「まったくしていない」という山下。ティーショットが乱れても「そういうときもある」と気持ちを切り替える強さを持つ。海外メジャーのAIG全英女子オープン優勝や今季米ツアー2勝など世界のタフなセッティングにもまれた経験が、プレッシャーを集中力へ変える糧となっている。

勝者でありながら、自身の4日間の自己評価は「80点」。スウィングのイメージや再現性が高まっている手応えを感じつつも、さらなる精度向上を見据える。世界トップレベルの技術と揺るぎないメンタルを兼ね備えた25歳が、日本ゴルフ界の歴史を塗り替え続けていく。


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