大歓声に包まれたアイルランド西海岸のドンベッグ。シェーン・ローリーの17年ぶりのナショナルオープン制覇にアイルランド中が沸き返る中、もう一人の主役であるローリー・マキロイは、最終日を「67」で回り、通算1アンダー(41位タイ)で大会を終えた。盟友の歴史的快挙を誰よりも喜ぶ一方で、自身はグリーン上で苦闘を強いられた一週間だった。世界王者は自らの不調をどう分析し、次戦へと繋げようとしているのか。

「読んだラインと合わなかった」グリーン上のギャップ

ショットメーカーであるマキロイが、今大会でなぜ上位争いに絡めなかったのか。その理由は、彼自身の言葉からはっきりと読み取ることができる。

「アイアンのプレーはずっと良くなったし、ウェッジのプレーも今週は大部分でかなり良かった。でも、明らかにグリーン上で苦戦したよ。それが優勝争いに加われなかった理由だ」

画像: 最終日はパーオン時の平均パットは1.5(全体3位)、パット数は27で全体8位とパッティングスタッツも向上。次戦への弾みとなった(写真は26年全英オープン)

最終日はパーオン時の平均パットは1.5(全体3位)、パット数は27で全体8位とパッティングスタッツも向上。次戦への弾みとなった(写真は26年全英オープン)

彼を苛立たせたのは、純粋なストロークのミスではなく、リンクスのグリーン特有の「読み」の難しさだった。自分の読んだラインと、実際にストロークしたボールの転がりが全く合わない。視覚と結果のギャップが疑心暗鬼を生み、パッティングへの自信を奪っていったのだ。どんなに完璧なショットでピンに絡めても、グリーン上で不気味な魔物が待ち構えている。トッププロであっても容易に陥ってしまうパッティングの罠の恐ろしさが、マキロイの苦闘から伝わってくる。

328.5ヤードで全体1位! 次週ウェントワースへ向けた手応え

しかし、マキロイは決してこの結果を悲観してはいない。むしろ、不調の原因がグリーン上にあると明確に分かっているからこそ、次へ向けたポジティブな手応えを感じている。

「全体的に見て、今週は自分を勇気づけるのに十分なポジティブな要素を見つけることができた。望んでいたような結果の週ではなかったけれど、本来の自分のゴルフからそれほど遠く離れているとは感じていないんだ」

数字を見ても、彼の復活への手応えは明らかだ。3日目に「74」と苦しんだものの、最終日はドライビングディスタンスで平均328.5ヤード(全体1位)を叩き出し、パーオン率(GIR)も72.2%まで急回復させた。

パットの不調という明確な課題に対し、彼は「ここ数日、パッティンググリーンで少し時間を過ごして、ウェントワースのグリーンに再び慣れるようにするよ」と冷静に修正プランを語る。ショットの圧倒的なキレが戻っているからこそ、パットさえ噛み合えばいつでも勝利を手繰り寄せられるという自信が窺える。

盟友への心からの賛辞と、父親としての顔

自身のホールアウト直後、まだコース上で首位を走る盟友ローリーの勝利について問われたマキロイは、祝福と確信の笑顔を見せた。

「彼が勝つなんて、絶対に素晴らしい出来事だ。私を含め、国全体が彼がやり遂げるのを心から望んでいたんだから」

さらにマキロイは、「シェーンは今年前半のコグニザント・クラシックで大チャンスを逃した後、シーズン全体の勢いが少し削がれて苦しんでいた」と言及。単に勝利を喜ぶだけでなく、すぐそばで親友の葛藤を見守ってきたからこそ、ローリーの復活劇に深い感慨を抱いていたのだ。

そして、盟友の戴冠を確信しながらひと足早く会場を後にする理由を問われると、ひとりの父親としての柔らかな素顔を見せた。

「ロンドンにいる娘たちに会いに行くんだ。早くそこへ向かって、来週の準備をするよ。自分のベッドで寝られるのが楽しみだね」

次週開催される「BMW PGA選手権」は、DPワールドツアー(欧州ツアー)の年間最高峰となるフラッグシップ大会だ。ロンドン近郊のウェントワースに自宅を持つマキロイにとって、過酷な連戦の中で「自分のベッドから通える数少ないホーム大会」でもある。愛する家族のもとでリフレッシュを果たした王者が、ホームの舞台でどんな反撃を見せるのか期待が高まる。

写真/R&A


This article is a sponsored article by
''.