一番出たかった全米女子OP予選会での大きな“勘違い”
今季、米女子ツアーに昇格し、8月までで19試合に参戦。予選落ちは8回あるがトップ10入りも4回、CMEグローブポイントランキングは41位(9/10現在)と、ルーキーとして健闘が続く。「ルーキー・オブ・ザ・イヤー」も狙えるのではという周囲の期待の声には「一生に1回なので、取れたらうれしいなという感じではありますが」(原、以下同)としながら「でも、ルーキーたちだけで戦っているわけではなく、この舞台(米女子ツアー)にいるみんなと戦っている。そこでいい結果を出していけば自ずと(賞も取れる)と感じています」と冷静というか、ひょうひょうとした原節だ。そもそも「ルーキーと呼ばれるのが恥ずかしい(笑)」。日本では日本女子オープン2回を含む、メジャー戴冠3回。“ベテラン”の域に足を踏み入れようとしていた27歳だ。

原英莉花
米女子ツアーでは、アメリカだけでなくヨーロッパやアジアなど世界を転戦するが「芝が違うんですよねえ」と話す。「メキシコは芝もコース全体も沖縄っぽかった」「ニューヨークは良かったな。芝がこうネチッとしている。北海道っぽかった」「好きなのはミシガンの芝」「あ、公園の芝みたいなところもありましたよ」と、「大変だ」とは言いつつ、新しい環境を楽しんでいるようにも見える。
しかし、実は、シーズン前半は“目”にかなり苦労していたという。
「一昨年ぐらいだったかな、眼科で『乱視』と言われて。普段は眼鏡をかけるようにしているんですけど、眼科で『コンタクトにしたほうがいいかもね』と言われていて」
眼鏡をして試合に出ると「“ぐらん”とすることがけっこうありました。見え方も違って、右が高く見えるんだけど、実際はフラットだったり」。グリーン上でのライン読みでは「足で感じている分、目は頼っていないというか……」。
大変なのは「アドレス時。ここではやはり目がすべてだから」。しかし、ヨーロッパ転戦に向かう前、コンタクトを着用すると「めちゃ読めるようになったんですよ! 今は、自分の目だとは信じられないくらい見えています」という。全米女子オープンの予選会で本選出場を逃した週にアメリカの眼鏡店で作ったというコンタクトレンズが大きな助けになっている。
原の大きな目標の一つだったのが6月の全米女子オープン出場。5月11日にニュージャージー州で行われた予選会に臨んだが、本選出場は叶わなかった。
「めちゃくちゃ出たかった試合だったんで、すごく落ち込みましたし、なんていうか……どん底って感じになりました」と振り返る。原が参加した会場では予選通過者は上位4人だったのだが、原は「2人だと勘違いしていた」と言う。
それゆえ「もっとバーディが必要だと思って無理な攻めが結果ボギーになったり、後から考えると『もったいないことした』というプレーがありましたね。あと2ラウンド目がトップスタートで、後ろが2サム。何だか追いかけられている感じもあって、プレーのペースが気になりだして。気になる材料が多すぎるのと疲れもあって、なんかこう思考がね……ちょっとなんだろう……。“前に前に”と、急ぎ気味に変わってしまったのも、もったいなかったですね」。
結果、4位タイにつけ4人目の通過者を決めるプレーオフに臨んだが、敗退。「反省と後悔と、なんかいろんな感情で……」と、つらい内容の話をしながら「もう地獄の気分でしたよ。アハハハ」と、笑い飛ばす“原らしさ”も健在。そして、この経験から“自分との闘い”と言われることも多いゴルフを「周りを意識した戦いやスコアへの意識も必要だなと改めて感じましたね」と、新たな糧を得た様子。
原英莉花の2026年成績

FM選手権までの戦績
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全米女子オープン予選会での悔しすぎる錯覚と失意のどん底、そして視界を激変させたコンタクトレンズとの出合い——。トラブルすらも持ち前の笑いとタフネスで糧に変えてきた。続く後編では、過酷な米ツアーを戦う原英莉花の「より深い素顔」と「覚悟」に迫ります。
- 「渋野日向子との強い友情」
「しぶこは大事な人」「お互いに高め合えている」。オープンウィークを共に過ごし、練習場で技術を語り合う同級生・黄金世代の特別な関係性とは? - 「桑木志帆の全英制覇と、ダサい走り方のシャンパンシャワー」
1打差で予選落ちした悔しさを抱えながらも、後輩の快挙に駆けつけたAIG全英女子オープン。初体験のシャンパンシャワーで見せた、素顔の感動ドキュメント。 - 「暗くなったら寝る。人間の本能で生きてます(笑)」
タフな転戦を生き抜く規格外のメンタルと、理想のショットを追い求めてオフに挑むグリップへの葛藤。
苦しみながらも前を向き、泥臭く、そして最高にチャーミングに世界へと挑み続ける原英莉花。読めば誰もが彼女を応援したくなる、必見の後編へ続く!
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写真&取材/南しずか
