2028年から「チャンピオンシップシリーズ」と「チャレンジャーシリーズ」の2層構造へと劇的な制度改革を迎えるPGAツアー。トップ90名しか生き残れないエリート層の戦いが激化する一方で、ゴルフ界ではある壮大な構想が動き出している。それは、PGAツアーCEOのブライアン・ロラップ氏が、ツアー選手権終了後の秋に「6〜8試合規模の国際シリーズ」を欧州ツアーと共同構想中であると明かした、「グローバル化」の動きだ。

激動のPGAツアー改革と「秋のグローバル化」

トップ選手たちも、この「秋のグローバル化」を前向きに捉え、歓迎している。アレックス・ノレンは「アメリカとグローバルなスケジュールの両立を望んでいる。世界規模の競争はすべての大会を成長させるだろう」と語り、世界中のファンにプレーを届ける重要性を説いている。

ローリー・マキロイもまた、同様の期待を寄せている。「年末(秋から冬)にかけて、インターナショナルなゴルフへのコミットメントが高まることを望んでいる。それが国際的なビッグイベントの育成に繋がるはずだ」と語るように、秋は世界の舞台でゴルフを盛り上げる絶好の期間となりつつある。

ジャスティン・ローズが名指しした「日本への熱きリスペクト」

画像: かつて本間ゴルフと契約するなど、日本との縁もあるジャスティン・ローズが日本でのプレーを望んでいるのは嬉しい限りだ(写真は26年キャデラック選手権)

かつて本間ゴルフと契約するなど、日本との縁もあるジャスティン・ローズが日本でのプレーを望んでいるのは嬉しい限りだ(写真は26年キャデラック選手権)

そんな中、日本のファンにとって非常に胸が熱くなる話題がある。世界ランク1位にも輝いた名手、ジャスティン・ローズが、日本でのプレーを熱望しているというのだ。

DPワールドツアーの旗艦大会「BMW PGA選手権」の公式会見の席で、「DPワールドツアーで新しく行ってほしい場所はあるか?」と問われたローズは、迷わずある国を名指しした。

「個人的には、過去にプレーしたことのある日本とオーストラリアで、もっとプレーしたいね。素晴らしいゴルフの歴史、遺産、そして熱狂的なファン層がある素晴らしい舞台だ。でも、少なくともここ10年、私は日本でプレーする機会がなかったんだ」

数々の栄冠を手にしてきたレジェンドが、日本のゴルフの歴史とファンの熱狂を心からリスペクトし、「日本でプレーしたい」と熱望してくれている。これほど嬉しい事実はないだろう。

本命となるか? 希少な「ベイカレントクラシック」

もしローズやマキロイらが「日本に行きたい」と言ってくれた時、彼らを迎える相応しい舞台はどこになるのか。

その最大の受け皿となり得るのが、2025年より日本で開催されるPGAツアー「ベイカレントクラシック」だ。特筆すべきは、この大会が「PGAツアー自身が主催する希少な大会」であるということだ。米欧共催となる「秋の国際シリーズ(6〜8試合)」の候補として、PGAツアー自社主催の大会がその核となる可能性は十分にあるだろう。ローズやマキロイといったスーパースターたちが、米欧共催の目玉として日本に降り立つ未来は現実味のある話だ。

ナショナルオープンへと繋がる「秋の日本・黄金の2週間」

さらに、このグローバル化は日本の伝統ある大会にも波及する可能性がある。ローズ自身も「各国のナショナルオープンには独特のスペシャルな伝統がある」と熱弁するように、欧州ツアーは各国のナショナルオープンを尊重し、世界的な価値を高める手法に長けている。

2026年の「日本オープン」は、「ベイカレントクラシック」(10月11日終了)の翌週、10月15日から18日にかけて開催される。もし日本オープンの秋開催がズレず、ベイカレントが米欧共催の「国際シリーズ」として世界中からトップ選手を集めることになれば、すでに日本に滞在している選手たちが、そのまま「日本オープン」へと流れていく完璧な動線が完成する。

今年は未確定ながら、昨年の日本オープン優勝者には「マスターズ」への出場権が与えられるなど、その権威は世界的に重要視されている。マキロイやS・ローリーらが躍起になって挑む「アイルランドオープン」でさえマスターズの出場権が付与されないことを踏まえれば、日本のナショナルオープンが持つポテンシャルの高さが窺えるだろう。それゆえ、この連戦に出場するトッププロが現れてもおかしくはない(もちろん厳格な出場規約により人数制限はかかるが)。

PGAツアー自社主催の「ベイカレントクラシック」、そして日本の伝統と格式を誇る「日本オープン」。この2つの大会が連動する「秋の日本・黄金の2週間」が誕生すれば、日本のファンは世界最高峰の狂宴を二度も目撃できることになる。

PGAツアーの改革がもたらす「秋のグローバル化」。マキロイやローズが日本のフェアウェイを歩く——そんなワクワクする未来を期待してもいいだろう。(文/山口哲平) 写真/岩本芳弘

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