福岡県にる玄海ゴルフクラブ(6875ヤード・パー71)で「日本シニアオープンゴルフ選手権」の初日が開催された。8バーディ・2ボギーの「65(6アンダー)」を叩き出し、宮本勝昌や岩本高志らと並んで首位タイに躍り出たのは、58歳の中山正芳だ。 華やかなスコアとは裏腹に、ラウンド後の中山からは意外な事実が明かされた。なんと彼は、持病の腰痛を悪化させ、コルセットをきつく巻いた満身創痍の状態で強行出場していたのだ。

「飛行機で痛めた」コルセット姿の首位発進

シニアゴルファーの多くが共感するであろう腰痛の悩み。中山にとっても、それは深刻な敵だった。

「今年は(腰の)状態が良かったんですけど、福岡への直行便で3時間ぐらい飛行機に乗っていたら、やっぱり痛めてしまって。福岡のお医者さんのところへ行ってきたんです」

コルセットを着用してのラウンド。当然、ショットは万全ではない。本人が「フェアウェイが狭いのに、飛んでないし、あんまりフェアウェイに行ってない」と苦笑いするほど、ティーショットは苦しんだ。

しかし、この日の彼には強力な武器があった。

「ショットは良くないけれど、パターがいっぱい入ってくれたんです」

画像: コルセットを着用しながらのプレーだったが、65のビッグスコアで首位タイ発進した中山正芳

コルセットを着用しながらのプレーだったが、65のビッグスコアで首位タイ発進した中山正芳

前週のJGTO覇者・砂川公佑に教わった「最新パット術」

腰痛に耐えながら、中山は3〜4メートルの「嫌なライン」を次々と沈めてみせた。その好調なパッティングの裏には、世代を超えたプロ同士の温かい交流があった。

「先週のレギュラーツアー(シンハンドンヘオープン)で初優勝した砂川公佑に、パターのヒントをもらったんです。そしたら結構いいですね。やっぱり最新の打ち方はいいんじゃないですか?(笑)」

砂川は、中山の旧知の仲である寺西明の弟子にあたり、高校・大学時代からよく知る後輩だ。中山は前週の砂川の初優勝を「YouTubeを見ながらずっと応援していました。自分のことのように嬉しい」と目を細める。勢いに乗る20代の若手から教わった最新パット術が、50代のベテランを強力にアシストしたのだ。

さらに、この日は運も味方した。前半の18番(パー5)、残り40〜50ヤードからの3打目がアンラッキーもあり、奥のバンカーへ。大ピンチかと思いきや、「バンカーからチップインだったんですよ。僕がラッキーゴルフですから」と笑顔で振り返った。

無欲で挑む2日目以降

満身創痍の体と、若手から授かった最新パット術。そして、ベテランならではのポジティブな「ラッキーゴルフ」。それらが噛み合い、見事な首位発進を決めた中山だが、その姿勢はあくまで無欲だ。

「まだ初日が終わったばっかりなんでね。まずは予選を通れるように頑張りますよ(笑)」

気負うことなく、楽しむように語る中山正芳。腰痛と戦う同世代のアマチュアゴルファーに勇気を与える彼のプレーから、2日目以降も目が離せない。

写真/大会提供


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