「飛行機で痛めた」コルセット姿の首位発進
シニアゴルファーの多くが共感するであろう腰痛の悩み。中山にとっても、それは深刻な敵だった。
「今年は(腰の)状態が良かったんですけど、福岡への直行便で3時間ぐらい飛行機に乗っていたら、やっぱり痛めてしまって。福岡のお医者さんのところへ行ってきたんです」
コルセットを着用してのラウンド。当然、ショットは万全ではない。本人が「フェアウェイが狭いのに、飛んでないし、あんまりフェアウェイに行ってない」と苦笑いするほど、ティーショットは苦しんだ。
しかし、この日の彼には強力な武器があった。
「ショットは良くないけれど、パターがいっぱい入ってくれたんです」

コルセットを着用しながらのプレーだったが、65のビッグスコアで首位タイ発進した中山正芳
前週のJGTO覇者・砂川公佑に教わった「最新パット術」
腰痛に耐えながら、中山は3〜4メートルの「嫌なライン」を次々と沈めてみせた。その好調なパッティングの裏には、世代を超えたプロ同士の温かい交流があった。
「先週のレギュラーツアー(シンハンドンヘオープン)で初優勝した砂川公佑に、パターのヒントをもらったんです。そしたら結構いいですね。やっぱり最新の打ち方はいいんじゃないですか?(笑)」
砂川は、中山の旧知の仲である寺西明の弟子にあたり、高校・大学時代からよく知る後輩だ。中山は前週の砂川の初優勝を「YouTubeを見ながらずっと応援していました。自分のことのように嬉しい」と目を細める。勢いに乗る20代の若手から教わった最新パット術が、50代のベテランを強力にアシストしたのだ。
さらに、この日は運も味方した。前半の18番(パー5)、残り40〜50ヤードからの3打目がアンラッキーもあり、奥のバンカーへ。大ピンチかと思いきや、「バンカーからチップインだったんですよ。僕がラッキーゴルフですから」と笑顔で振り返った。
無欲で挑む2日目以降
満身創痍の体と、若手から授かった最新パット術。そして、ベテランならではのポジティブな「ラッキーゴルフ」。それらが噛み合い、見事な首位発進を決めた中山だが、その姿勢はあくまで無欲だ。
「まだ初日が終わったばっかりなんでね。まずは予選を通れるように頑張りますよ(笑)」
気負うことなく、楽しむように語る中山正芳。腰痛と戦う同世代のアマチュアゴルファーに勇気を与える彼のプレーから、2日目以降も目が離せない。
写真/大会提供
