晴れ渡る秋空のもと、気温23.3℃、風速2.0m/sという絶好のコンディションで行われた「ANAオープン」第2ラウンド。北の大地・札幌ゴルフ倶楽部 輪厚コース(7066ヤード・パー72)で、ビッグスコアが飛び出した。初日5アンダー(2位タイ)からスタートしたベテランの内藤寛太郎が、前半OUTコースを「33」で折り返すと、後半INコースでは12番パー5でのイーグルに続き、16〜18番の上がり3ホールを連続バーディで締めくくるなど圧巻の「30」をマーク。この日のフィールド最高スコアとなる1イーグル・9バーディ・2ボギーの「63」を叩き出し、通算14アンダーまで伸ばして2位タイ(通算10アンダー:佐藤大平、宋永漢)に4打差をつける堂々の単独首位へと浮上した。

「出来すぎ」の正体とパター変更のドラマ

今季のポイントランキングは73位と苦戦が続き、初日終了後にも「前半戦が悪すぎたので手応えはない」と静かに語っていた内藤。そこからの「63」爆発と単独首位浮上に対し、ラウンド後のインタビューでは「出来すぎです」と控えめに笑った。

しかし、この圧巻のV字回復は決して偶然の産物ではない。その明確な要因はグリーン上にあった。

「KBCオーガスタからパターを変えて、そのパターがずっと良い」と前日から手応えを口にしていたが、そのパター変更が2日連続で絶大な効果を発揮した格好だ。内藤の公式スタッツを見ると、2日間のトータル平均パット数が出場選手中トップの「1.4643(※第2ラウンド単体でも1.4000で2位)」という神がかり的な数字を記録。パーオンしたホールのほとんどで確実にワンパットで仕留めていた計算になる。

「昨日に引き続き、今日もパターが良かった。自分が思ったところに打てている」という本人の言葉。それは単なる感覚ではなく、スタッツ全体1位という客観的なデータが完全に裏付けている。ショットでチャンスを作り、それを狂いなく沈め切る「パット・イズ・マネー」を体現した完璧なラウンドだった。

本大会初の首位ホールアウトと平常心

画像: 内藤寛太郎(写真は26年東建ホームメイトカップ)

内藤寛太郎(写真は26年東建ホームメイトカップ)

本大会で自身初となる「単独首位でのホールアウト」。未知の領域に足を踏み入れた内藤だが、その心境は驚くほど落ち着いていた。

「まだ2日目なので」と、浮かれることなく冷静な姿勢を崩さない。

「(優勝を)考えたいですが、そんなに余裕があるわけではないので、一打一打ゆっくりやればいいかなと思っています」

2位に4打差をつけて決勝ラウンドを迎えるプレッシャーの中でも、自分を見失わない地に足の着いたメンタルコントロール。この「平常心」こそが、ビッグスコアの反動を防ぎ、週末も好調を維持するための最大の武器となるだろう。

悲願の初優勝へ向けて

「優勝したい気持ちはあります」

静かな口調の中にも、内藤にははっきりと初優勝への熱い闘志が宿っている。

「明日になってみないとわからないですが、緊張もするだろうし、そういう中で落ち着いてプレー出来たらいいなと思います」

スタッツが証明する絶好調のパッティングと、ベテランらしい謙虚で冷静なメンタル。悲願の初Vへ向けた内藤寛太郎の静かなる挑戦は、いよいよ勝負の決勝ラウンドへと突入する。

写真/姉崎正


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