北海道の札幌ゴルフ倶楽部 輪厚コース(7066ヤード・パー72)で開催中の「ANAオープン」第3ラウンド。香妻陣一朗がリーダーボードの最上位陣へ力強く食い込んできた。この日「66」の好スコアをマークした香妻は、通算15アンダーの単独3位へと浮上。本大会で2回目となる最終日最終組の切符を手にした彼は、ラウンド後の会見で「全体的に安定してゴルフができた。パッティングも良かったですし、ティーショットもすごかった」と、自身のプレーに確かな手応えを口にした。

3年越しの輪厚でのリベンジへ

香妻にとって、輪厚の最終日最終組には忘れられない悔しい記憶がある。前回この位置で日曜日を迎えた2023年大会、単独首位で最終ラウンドをスタートしながらも「74」と落とし、優勝争いから脱落したのだ。

本人も取材で「最近も最終日にあんまり伸ばせずに終わることが多い。ここ2試合くらいの経験も明日に生きてくると思う」と語る通り、狙うはただ一つ、3年越しとなる輪厚でのリベンジだ。

世界基準の飛距離と、後半10番からの怒濤のバーディラッシュ

画像: 計測ホールの9番(316.21ヤード)、15番(333.81ヤード)とともに300ヤード超のドライバーショットを披露した香妻陣一朗

計測ホールの9番(316.21ヤード)、15番(333.81ヤード)とともに300ヤード超のドライバーショットを披露した香妻陣一朗

昨年まで主戦場としてたLIVゴルフで培った力は、国内ツアーにおいて圧倒的な武器となっている。それを最も象徴しているのが「飛距離」と、攻守双方における圧倒的なスタッツだ。

第3ラウンドのドライビングディスタンスにおいて、香妻は「325.01ヤード」で全体1位を記録。とくに15番ホール(434ヤード・パー4)でのティーショットは「333.81ヤード」というビッグドライブをかっ飛ばし、このホールでの計測1位を記録してみせた。

さらにスコアメイクを加速させたのが、後半INコースでの集中力だ。10番から14番までの5ホールで4つのバーディを奪う怒濤のラッシュを見せ、一気にリーダーボードを駆け上がった。

平均パット数3位(1.6956)に加え、今季のスタッツでも「バーディ率3位(4.909)」、「サンドセーブ率2位(68.571%)」と、世界規格の飛距離だけでなく総合力の高さがデータで裏付けられている。

キャリア初V以来となる「逆転優勝」へのシナリオ

画像: 今季の香妻のパーオン時の平均パットは1.6956で3位。飛距離とグリーン上で死角は見当たらない

今季の香妻のパーオン時の平均パットは1.6956で3位。飛距離とグリーン上で死角は見当たらない

首位に立つ内藤寛太郎(通算19アンダー)とは4打差、2位の佐藤大平(通算16アンダー)とは1打差の単独3位(通算15アンダー)。「トップの内藤さんがちょっと抜けているので、明日いいプレーをしてちょっとでもプレッシャーをかけられたら」と、香妻は静かに闘志を燃やす。

伸ばし合いが必至となる最終日。香妻は勝負の鍵として「いかにティーショットをフェアウェイに置けるか」を掲げた。ツアー通算3勝のうち直近2勝は首位からの「逃げ切り勝ち」だが、今回はキャリア初優勝(2020年三井住友VISA太平洋マスターズ)以来となる「逆転優勝」をかけた戦いとなる。

世界を経験した男が放つ“333ヤード”の豪快なドライバーショット。最終日最終組、大ギャラリーの前で香妻陣一朗がどのような逆転劇のシナリオを描くのか、その一打一打から目が離せない。

写真/岡沢裕行


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