毎年恒例となっているJLPGA公認「朝日インテック ドライビング女王コンテスト」が現在開催中の「住友生命レディス東海クラシック」の土曜日、全組ホールアウト後に1番ホールを使って行われた。昨年、アマチュアながら277.8ヤードで優勝を果たした後藤あいさんをはじめ、本戦でトップに立っている神谷そらや、現在ドライビングディスタンス1位の穴井詩など、7人の飛ばし自慢たちが参加。“もうひとつ”の熱き戦いがそこにはあった。

飛ばしはアマチュアゴルファーにとって憧れであり、永遠の課題でもある。いくつになったって「あの人より飛んだ!」と、飛距離に一喜一憂するし、なんならスコアが悪くたって「飛んだから気持ちがいい」と思ったりもする。プロはそうはいかないが、飛距離への思いは我々と同じか、それ以上だ。そんな“飛距離こだわり派7人”が参加したとあって、ここぞとばかりに振り回す、振り回す。見ているこちらまでとても気持ちがいい。

飛ばしと言えば、現在ドライビングディスタンス1位の穴井詩が真っ先に思い浮かぶだろう。昨年の大会では腰を痛めていて思うようなスウィングができなかったこともあり、今年にかける思いは人一倍強い。1球目は左のラフだったが、2球目に262ヤードをかっ飛ばす。「いい当たりだったんですけど、思ったより飛距離が出なかったですね」と穴井は言うものの、その時点でトップに立ち、残りの神谷そらと後藤あいの結果を待つ。

画像: 1人2球を持ち球とし、より飛んだほうを計測する。約30ヤード幅のフェアウェイに収まった打球のみ計測

1人2球を持ち球とし、より飛んだほうを計測する。約30ヤード幅のフェアウェイに収まった打球のみ計測

神谷は本戦で現在トップ。明日のプレーを考えるとマン振りはできないと、「7、8割でケガをしないように、明日のプレーに支障をきたさない範囲で頑張ります」と、やや控えめな発言。「そりゃそうか」と思いつつ、思い切り振ってほしいなぁとも思う……。そんな神谷だが、1球目も2球目もしっかりフェアウェイをとらえた。しかも、1球目で穴井の記録を超えるビッグドライブを放ったのだ。この段階で、神谷が1位、穴井が2位。残すは、ディフェンディングチャンピオンの後藤さんだけだ。

画像: 昨年の277.8ヤードには届かなかったものの、1球目で273.2ヤードを放ち連覇を達成したアマチュアの後藤あいさん

昨年の277.8ヤードには届かなかったものの、1球目で273.2ヤードを放ち連覇を達成したアマチュアの後藤あいさん

会場の雰囲気が変わる。昨年はギャラリーの人たちも「このアマチュアの子は飛ぶのかね?」と半信半疑だったのだが、それを後藤さんは素晴らしいスウィングと『277.8ヤード』という飛距離で黙らせてみせた。それどころか、そこにいた人たちはそのスウィングに魅了され、一気に『飛ばし屋・後藤あい』の存在を知らしめたのだった。そんな背景もあり、会場からは後藤さんを後押しする声援が数多く飛んでいた。

「心臓が飛び出るくらい緊張しています」と打つ前に話している姿はほんわかしていて、「アマチュアの女の子だな」と感じさせる。しかし、それが打つ直前になると目が変わる。“戦う目”になった後藤さんが放った打球は273.2ヤードを記録。一発で飛ばし屋先輩プロを追い抜き、見事に連覇を飾った。

「まぁまぁいい当たりだったので、(神谷)そらさんと同じくらいか、もう少し飛んでいるかなぁと思いました。でも、プロの皆さんの前で、これだけの緊張感の中で、こういう結果を出せたのは、本当にいい経験ができたと思っています」

ドラコンは後藤さんの優勝で幕を閉じたが、驚いたのは、女子プロも『270ヤード』という世界に突入していること。しかし、後藤さんのスウィングを見ていると、300ヤードすら想像させる。彼女にはそんな魅力が詰まっている!

写真/大澤進ニ


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