「あっぱれって感じです」香妻陣一朗

LIVゴルフを経験したことですべてがレベルアップ。なかでも飛距離は国内最強レベルに成長したが、内藤寛太郎のショートゲームに屈した形となった香妻陣一朗
最終日を首位と4打差の3位からスタートし、最終組で内藤と直接対決した香妻陣一朗。今大会のドライビングディスタンスでは連日300ヤード超を連発し、第3ラウンドの15番ホールでは333.81ヤードで全体1位を記録するなど規格外のパワーを見せつけていた。しかし、逆転を狙った最終日は「今日はあまり良いところもなく、出だしのボギーで流れが悪かった」と、スコアを伸ばしきれず「68」でのフィニッシュとなった。
同組で間近に見た内藤のプレーについて問われると、香妻は潔く白旗を揚げた。
「内藤さんが素晴らしいゴルフをしていて、途中は耐えるところをすごく耐えていた。あれだけいいゴルフをされると、どうやっても今日は追いつかなかったかなと思います。本当にすごいいいゴルフで、あっぱれって感じです」
圧倒的な飛距離を誇る香妻のパワーをもってしても、パットとアプローチでスコアを作り続けた内藤の堅実なゴルフの前に、つけ入る隙は見い出せなかった。
旧大会記録タイでも届かなかった現実、佐藤大平

旧・大会最少ストローク記録に並んでも勝てなかった佐藤大平
同じく同組で内藤の猛烈なバーディラッシュを追いかけていたのが佐藤大平だ。
佐藤は4日間を「66-68-66-68」という驚異的な安定感で回り、通算20アンダー(268ストローク)を記録した。このスコアは、1994年の尾崎将司、2024年の岩崎亜久竜が記録した「旧・大会最少ストローク記録」に並ぶ大記録である。
優勝を意識したかという問いに対し、佐藤は「位置的にはね。でもちょっと届かないですよね。最終日、離れてトップにいる選手があれだけいいプレーをすると」と率直な敗戦の弁を述べた。
しかし、佐藤の凄みは「全然戦える状態ではなかった」という不調の中で、これだけのスコアを出したことにある。本人が不調を痛感しながらも、4日間72ホールで叩いたボギーはわずか2ホールのみ(ボギー率2.7%、パーキープ率97.2%)。さらにパー5ホールでは16ホールで「11アンダー」を叩き出すなど、驚異的なリカバリー能力がこの20アンダーを支えていた。
「これだけスコアが出たので、何かしら得たものもあります。でも明確にはショットのどこが悪いとかは見えていないので、ゴルフを見つめ直さないといけないと思いましたね」
敗者たちの次戦への決意
歴史的スコアで逃げ切った内藤への心からのリスペクトと、それぞれの胸に残った悔しさ。

2年前も優勝争いしたANAオープンで今年も上位フィニッシュした大岩龍一
同じく通算19アンダーで3位タイに入った大岩龍一も、昨年膝の怪我で欠場した無念を乗り越え、最終日「67」をマーク。「ショットが荒れる展開だったがパッティングが入って価値のある5アンダーだった。後半に向けて早めに1勝したい」と手応えを語った。
「体の調子を整えられたら来週も頑張りたい」(香妻)
「来週以降練習して考えなきゃいけない」(佐藤)
異次元のスコアの伸ばし合いという過酷な現実を受け止め、トッププロたちはすぐに次週のトーナメントへと気持ちを切り替えていく。
写真/岡沢裕行
