
練習場のボールとコースボール、実際はどう違う?
飛距離は気にしないほうがいい
クラブフィッター小倉です。今回は、ゴルフ練習場のボールについてです。ゴルファーの誰もが利用するゴルフ練習場。そんな練習場のボールは、皆さんがコースで使用するボールとは、かなり差があるのをご存じでしょうか。
練習場のボールは、繰り返し使用することを前提に設計されており、練習場の環境によって様々なタイプがあります。皆さんが、コースで使用する通常のボールは、2~5層の多層構造になっています。これは衝撃の大きさ、つまりクラブの長さによるヘッドスピードの違いによって生まれる、ボールに伝わるエネルギーの違いに合わせて発揮される性能に変化をつけるためです。
対して練習場のいわゆる”レンジボール”は高い耐久性を維持するために1~2層と層を少なくしています。そのなかで、ネットとの摩擦に強いモデルや、硬い地面に落ちても劣化しにくいモデルなど、使用する練習場の環境に合わせたボールが選ばれています。
もちろん練習場のレンジボールにも性能の違いがあります。基本として、練習場のボールはコースボールよりも飛びません。具体的に言えば、ボール初速が低くなります。理由は、コストや耐久性を確保するうえで複雑な構造や高い素材を採用できないためです。
できるだけコースボールに性能を近づけようとすると、劣化がはげしくなり、頻繁にボールを交換しなければならなくなります。また打ち出し角やスピン量にも違いが出ます。これらの違いは皆さんが使用しているボールや使用するクラブによって、結果が異なるのですが、ドライバーであればほとんどの場合、レンジボールは、スピン量が多く、打ち出し角が低くなりやすいです。
最近は、弾道測定器を持つ練習場も増えていますが、ほとんどの場合、ボールの性能を加味した設定に調整されています。そのためコースボールとの差を感じにくくはなっていますが、それでも実際のコースでコースボールを打った時のデータと同じとはなりません。あくまで参考としてのデータとして使用するのが良いと思います。
インドアの練習場では実際のコースボールを使用できる施設もありますが、コースボールはそこまで耐久性が高くないため、ボール自体が劣化していることもあります。こちらも取れる数値は、完全に鵜呑みにしない方が良いでしょう。
個人的にゴルフ練習場では、飛距離を気にしないほうが良いと考えています。特に気温が低い冬の時期は、コースボールよりも練習場のボールの方が飛ばなくなる比率が大きいケースが多いため、「飛ばそうとして力み、スウィングを壊した」なんてことも起きやすいです。
普段当たるネットの位置に届かないと不安になってしまうのは、ゴルファーであれば当然だとは思いますが、その日の調子や状況のなかで、スウィングの再現性やテンポ、ボールをとらえる技術を磨くといったことを重視したほうが上達には効果的だと思います。
