男子ゴルフの今季国内ツアー第13戦「ANAゴルフトーナメント2026」(9月17~20日、北海道・札幌GC輪厚C=7066ヤード・パー72)は44歳のベテラン・内藤寛太郎の初優勝で幕を閉じた。最終日は単独トップから出て8バーディ、2ボギーの6アンダー66で回り、大会記録を5打更新する通算25アンダーで逃げ切った。福島県勢初の優勝で、44歳123日での初優勝は史上5番目の年長記録となった。内藤をはじめ、2位に入った佐藤大平、3位タイに並んだ大岩龍一、香妻陣一朗らが名門コースを舞台に持てる力をぶつけ合った4日間を振り返る。

初日:「66」で単独首位に立った佐藤大平

画像: 初日「66」で単独首位に立った佐藤大平

初日「66」で単独首位に立った佐藤大平

初日は佐藤が1イーグル、6バーディ、2ボギーの6アンダー「66」で単独トップに立った。イーグルはインから出て最後のホールとなった9番パー5で奪った。ラフからの2打目をグリーン左端に乗せ、右端に切られたカップに沈め「びっくりしました。ほぼ端と端。20メートルはあったかな」と自分のプレーに目を丸くした。

今季は昨年の「フォーティネット プレーヤーズカップ」以来の通算2勝目が目標。7月までの5試合でトップ10入り5回を記録するなど好調を維持していたが、後半戦が始まった8月からは3試合連続予選落ちを喫していただけに、今週は巻き返しを期している。「輪厚は好き。これを機に明日からまたいいゴルフができれば」と2日目以降を見据えた。

1打差の5アンダー2位には内藤、M・ヘンドリー、伴真太郎、山下勝将、木下康平、ソン・ヨンハン、高野碧輝、岩﨑亜久竜の8人が並んだ。

プロ20年目で未勝利の内藤は7バーディ、2ボギーで回り、出場2試合連続のトップ10で滑り出した。今季はファイナルQT24位の資格でツアー参戦中。これまでに予選通過がわずかに3回と苦戦しているが、7位に食い込んだ8月の「Sansan KBCオーガスタ」で投入した新パター(オデッセイ「TRTL」 Square 2 Square ZT パター)が今週も好調を維持しているそうで「今週もショットはよくないけど、パットがいいからチャンスにつけばバーディを取れているし、グリーンを外しても気持ちに余裕を持って攻められる」と好スコアの要因を自己分析した。

画像: 初日は「68」で回った浅地洋佑

初日は「68」で回った浅地洋佑

さらに1打差の4アンダー10位にはLIVゴルフから参加した浅地洋佑ら12人が並んだ。

2日目:内藤寛太郎が自己ベスト「63」で一気に単独首位へ

2日目は内藤が混戦から抜け出した。1イーグル、9バーディ、2ボギーの9アンダー「63」をマークし、通算14アンダーで単独首位に浮上。63は自己ベストを1打更新するスコアで「これ以上はない。上出来です。もちろん、優勝したい気持ちはあります」と自分自身に気合を入れるように話した。

画像: 2日目に「66」を出し、上位争いに参加した大岩龍一

2日目に「66」を出し、上位争いに参加した大岩龍一

初日首位だった佐藤は68で回ったが、ソン・ヨンハンと並ぶ通算10アンダーで2位へ後退。大岩龍一と香妻陣一朗がともに66を出し、通算9アンダー4位へ上がってきた。

3日目:内藤が大会最少ストローク新記録(19アンダー)で単独首位を死守

3日目は内藤が単独首位を死守した。5バーディ、ボギーなしの「67」で2位に3打差の通算19アンダーまで伸ばし、「朝イチで7、8メートルくらいのいいのが入ってくれたので、2番も難しい下りスライスだったし、いいスタートができたのでよかったです」と振り返った。2006年にプロ転向してから21年目で迎えたビッグチャンス。勝負の最終日へ向け「明日もこの3日間と同じでいいパターが入ってくれればチャンスがあると思います。でも、そのあたりは深く考えずにやりたいです」と冷静な口調で話した。

画像: 調子が悪いといいながらずっと上位でプレーした佐藤大平

調子が悪いといいながらずっと上位でプレーした佐藤大平

逆転優勝に一番近いのは通算16アンダー2位の佐藤。「今週は予選を通ればいいやと思ってやっていたのに、3打差ですけど、優勝争いができる位置にいられるっていうのは、本当にゴルフって分からないなって気持ちです。今から調整して明日に向けていいプレーができればなって気持ちです」と独特の表現で逆転Vを見据えた。

最終日:腰痛を乗り越え、通算25アンダー大会新で内藤がツアー初V

画像: 2位に5打差をつけて初優勝した内藤寛太郎。JGTO史上5番目の年長記録だった

2位に5打差をつけて初優勝した内藤寛太郎。JGTO史上5番目の年長記録だった

最終日は内藤が初優勝の重圧からかショットがブレたが、それをパッティングでカバーした。前半は2番でバーディ先行。4、5番で連続バーディを奪って独走態勢を固め、後半の15、16、17番で圧巻の3連続バーディ。最後は2位に5打差をつけて初Vゴールへ飛び込んだ。

44歳123日の初優勝は史上5番目の年長記録で、通算25アンダーは昨年暮れに亡くなった尾崎将司らの通算20アンダーを塗り替える大会新記録。優勝決定後はツアー仲間から祝福のウォーターシャワーを浴び「今まで本当に苦しかったんですけど、あきらめないでゴルフを続けてきてよかった」と喜びに浸った。

優勝記者会見では3日目朝の練習中に腰痛を発症していたことを明かした。

「なんで今、と思ったけど、痛み止めを飲んで、緊張しているヒマはなかった。今日も朝から痛くてテーピングしてもらって、ごまかしながらやっていくしかないなと思っていました」

悲願の初優勝は腰痛をも乗り越えての栄誉だった。

初日首位発進の佐藤は4バーディ、ボギーなしの「68」で回ったが、5打差の通算20アンダー2位。「最終日トップの選手(内藤)にあれだけいいプレーをされると届かないです。でも、今週は状態がよくない中でいいスコアを回れたことは本当によかった。もちろん、勝ちたかったですけど」と冷静に敗戦を受けとめた。

画像: 「あっぱれです」と内藤の強さに脱帽した香妻陣一朗

「あっぱれです」と内藤の強さに脱帽した香妻陣一朗

4打差から出た香妻は7バーディ、3ボギーの「68」と出入りの多い内容のゴルフで逆転優勝はならず、通算19アンダー3位タイ。「内藤さんが素晴らしいゴルフをしていたので、どうやっても今日は追いつかなかったと思います。本当にすごくいいゴルフで。あっぱれって感じです」と脱帽した。

大岩は「67」で回って3位タイ。「バーディチャンスが少なくて、その中でパッティングがめちゃめちゃ入った。昨日と同じ5アンダーでしたが、今日の方がはるかに価値があると思います」と自己評価した。

男子ツアーの次戦は第14戦の「リシャール・ミル チャリティートーナメント」で24日に石川県・朱鷺の台CCで開幕する。

写真/岡沢裕行


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