世界トップクラスの強豪たちが集結したDPワールドツアー(欧州ツアー)の旗艦大会「BMW PGA選手権」は、4日間の激闘が幕を閉じた。桂川有人は通算10アンダーの27位タイ、金子駆大は通算4アンダーの62位タイでフィニッシュ。世界の厚い壁に挑んだ彼らがいかにしてスコアをまとめ上げたのか。最終日の公式スタッツ(データ)を読み解くと、2人に共通する「ショートゲームの技術力」という明確な武器が浮かび上がってくる。

桂川有人:スコアを支えた見事なリカバリーと巻き返し

初日こそ「73(1オーバー・93位タイ)」と出遅れたものの、2日目「67」、3日目「68」、そして最終日も「70」のアンダーパーで回り、3日連続アンダーパーを揃えて27位タイまで浮上した桂川有人。彼の鮮やかな巻き返しを支えていたのは、グリーン周りでの驚異的な粘り強さだった。

特筆すべきは、パーオンを逃したホールでパー以上を拾う確率を示す「スクランブリング(リカバリー率)」だ。最終日の桂川のスクランブリングは「85.7%」を記録し、これはフィールド全体で5位タイという突出した数値をマーク。さらに、グリーン上のパフォーマンスを示す「パット数」も「26」に抑え、全体8位という好成績を残した。

欧州の難セッティングにおいて、ショットでピンチを迎えることは避けられない。しかし、桂川はアプローチとパターの技術で確実にパーを拾い続け、スコアの崩れを最小限に食い止める堅実なゴルフを展開していたことが、このデータから証明されている。

金子駆大:マキロイらに並ぶ最終日「68」をマークした底力

一方、3日目に「75」と大きくスコアを落としていた金子駆大だが、最終日は5つのバーディを奪う猛チャージを見せ、「68(4アンダー)」と意地の好スコアをマークして大会を締めくくった。この「68」というスコアは、ローリー・マキロイやアダム・スコットらの最終日スコアと肩を並べるビッグスコアであり、前日の苦戦から見事に立ち直る修正能力の高さを示している。

順位こそ62位タイにとどまったものの、この最終日のプレー内容は数字の上でも高く評価できる。そして、その原動力となったのもやはりグリーン周りの技術だった。

最終日の金子のスクランブリングは「83.3%」を記録してフィールド全体6位タイにランクインし、パット数も「27」で全体18位につけた。桂川と同様に、リカバリーで耐えてチャンスをパットで確実に沈めるというショートゲームの冴えが、この日の「68」という鮮やかなV字回復を生み出した。

データが示す確かな手応え

画像: BMW PGA選手権の木曜、金曜の予選ラウンドを同組で回った桂川有人(右)と金子駆大(左)

BMW PGA選手権の木曜、金曜の予選ラウンドを同組で回った桂川有人(右)と金子駆大(左)

欧州のトッププロたちでさえ苦しむタフなコースコンディションの中で、桂川(5位タイ)と金子(6位タイ)の双方がスクランブリングでフィールドトップ6入りを果たし、パット数も20台後半という立派なスタッツを最終日に残したことは、紛れもない事実である。

スコアや順位だけでは見えてこない、彼らの「ショートゲームの通用度」。この欧州最高峰の舞台で得た経験と客観的なデータは、次戦以降の彼らの戦いをさらに上のレベルへと押し上げていくはずだ。

写真/Getty Images


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