来季のPGAツアー出場権(ポイントランク上位20名)を巡る過酷なサバイバル、「コーンフェリーツアー・ファイナルズ」。第2戦の「ネイションワイド・チルドレンズ・ホスピタル選手権」は、最終日に2時間35分に及ぶ雷雨中断を挟む波乱の幕切れとなった。上位陣は悪天候をものともしない激しい伸ばし合いを展開。B・ボタが18ホールの大会最少新記録となる「61」を叩き出せば、サンディ・スコットは72ホール最少記録を更新する通算18アンダー(266ストローク)で逆転優勝を飾った。この勝利により、スコットはポイントランク2位へ急浮上し、来季のPGAツアー昇格を確定させるなど、大会は歓喜に包まれた。

杉浦悠太はポイントランク「21位」へ後退、昇格圏外へ

勝者たちの光の裏側で、日本の杉浦悠太は非常にシビアな現実に直面していた。

首位と大きく離れた位置から上位フィニッシュ(ポイント獲得)を狙った最終日。杉浦は3バーディ・3ボギーの「71(イーブンパー)」とスコアを伸ばせず、4日間通算3アンダーの62位タイで終戦した。

大会前に18位だった杉浦のポイントランキングは、この結果により「21位」へと後退。来季PGAツアー出場権が与えられる「上位20名」という絶対的なボーダーラインの圏外へと、痛恨のランクダウンを喫してしまった。

スタッツの分析:初日と最終日の「逆転現象」と噛み合わないもどかしさ

なぜ、最終日にスコアを伸ばしきれなかったのか。今大会4日間のスタッツ(公式データ)を追うと、初日と最終日で課題が真反対に入れ替わる「技術の不噛み合い」が鮮明に浮かび上がる。

初日の杉浦は、パーオン率83.33%(15/18)を記録してショット貢献度(SG: Approach)も高い数値を出していたのに対し、パッティング(SG: Putting -3.043)で大きくスコアを落としていた。しかし最終日、杉浦のスコアメイクを支えたのは間違いなく「グリーン上」だった。パッティング貢献度は「+1.155」で全体22位を記録し、沈めたパットの総距離も「95フィート2インチ(全体13位)」と、4日間の中で最高の冴えを見せていたのだ。

画像: 下部とはいえ、ショットとパット、どちらも良くないと米国は好スコアにならない(写真は26年ソニーオープン・イン・ハワイ、撮影/岩本芳弘)

下部とはいえ、ショットとパット、どちらも良くないと米国は好スコアにならない(写真は26年ソニーオープン・イン・ハワイ、撮影/岩本芳弘)

ところが、最終日はその好調なパットを活かすためのショットとアプローチに誤算が生じた。パーオン率は「61.11%(11/18)」へと低下し(全体68位タイ)、ティーショットの貢献度(SG: Off The Tee)は「-0.642」、さらにグリーン周りの貢献度(SG: Around The Green)も「-1.591」とマイナス圏に沈没。ショットが冴えた日はパットに泣き、パットが覚醒した最終日はショットとアプローチでスコアを削られるという、ゴルフの噛み合わせの難しさを痛感させられるラウンドとなった。

残り2戦、ボーダーライン直下からの反撃へ

ポイントランク21位への転落。しかし、絶望するにはまだ早い。

現在の20位(ボーダーライン)とのポイント差は極めて僅かだ(20位のイアン・ギリガンとは約25ポイント差)。1打のスコア、順位を1〜2つ上げるだけで即座に圏内へと復帰できる超接近戦の只中にいる。ボーダーライン直下にいる杉浦にとって、自力での逆転は十分に可能な位置である。

最終日に見せた「パットの復調」という大きな武器は、次戦以降の強い光明となるはずだ。来週はPGAツアー主催の「プレジデンツカップ」開催のため、フェデックスカップ・フォールだけではなく、シニアツアーや下部ツアーのすべてが空き週となる。再来週の第3戦「コンプライアンス・ソリューションズ選手権」、そして最終戦。残り2戦となった過酷なサバイバルレースで、杉浦悠太がPGAツアーへの切符を再び奪還できるか。崖っぷちからの逆転劇に期待したい。

なお、最終戦「コーンフェリーツアー選手権」は、PGAツアー唯一の日本開催となる「ベイカレントクラシック by レクサス」と同週開催となる。昨年のJGTO「ACNチャンピオンシップ」優勝により日本大会の出場権を持つ杉浦にとって、第3戦で優勝などビッグスコアを叩き出して早期にPGAツアーカード(トップ20)を確定させれば、晴れて日本での「ベイカレントクラシック」へ凱旋出場する道も拓ける。夢のPGAツアーカード獲得と母国開催大会への参戦——二つの意味で第3戦は重要な試合となる。


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