発表前からツアープロがこぞって使用し、発売されると、たちまち大ヒットとなっているオデッセイパター「TRTL(タートル)」。このパター、実は日本で企画され、アメリカで製品化された、稀有なモデルなのだ。そこで、このパターの発案者に話を聞きに行った。
画像: 発案者の石野氏が、2年前に一番最初に描いた「TRTL」のデッサン(右)。最初から六角形だったが少しずつモディファイされ、グローバルモデルとなり現在の形にたどり着いた(PHOTO/Hiroaki Arihara)

発案者の石野氏が、2年前に一番最初に描いた「TRTL」のデッサン(右)。最初から六角形だったが少しずつモディファイされ、グローバルモデルとなり現在の形にたどり着いた(PHOTO/Hiroaki Arihara)

ツアーで需要の高い
ミッドサイズマレット

このパターを発案したのは、日本のキャロウェイゴルフで、クラブ開発に携わってきた石野氏。

画像: オデッセイの「TRTL」は“名器”になる可能性大! 4つのウェイトで全ゴルファーにアジャストできる新時代パター【発案者インタビュー】【週刊GD NEW GEAR STORY】

石野翔太郎氏 キャロウェイゴルフ株式会社 アジアプロダクト マネジメント

「事の始まりは約2年前でした。ここ数年、ツアーで猛威を振るっているミッドサイズのマレット型のパターに対抗できるモデルがオデッセイには不在でした。なんとしても勝てる対抗馬を作りたい。その際、私の頭の中にあったのが、キャロウェイの『パラダイム』ドライバーで採用された『360度カーボンシャーシ』の考え方です」(石野氏・以下同)

「フェースよりも後ろのシャーシ部分を、360度全周カーボンとすることで、ヘッド中心部の重量を極限まで軽量化。その余剰重量を周辺に配分することで、重量配分の最適化を図るというものですが、これをパターに応用し、中央部分をできるだけ軽くして周辺に重量を配分すれば、ミッドサイズであっても高慣性モーメント(MOI)を生み出せるのではないかと考えました。

また、日本企画で誕生したロングネックの『ジラフ・ビーム』パターがあったため、冗談交じりで『次の動物シリーズを作ろう』という話も出ていました。そこで、真ん中を軽くして、四隅にウェイトを持っていって、軽くしたら耐久性が必要になるので六角形にして……なんて考えていたら、『あれ、カメっぽくなるな』と。

MOIが大きくて、動きが遅くなるのもカメに通ずるものがあるなって。それが一気に頭にバーンって入ってきて、すぐ1枚目のスケッチを描いたんです。それを上司に見せにいったら『面白いからすぐ企画化しよう』という話になりました。

当時のツアーからの要望で、パターのフィッティングは、ソールウェイトの調整が重要だと聞いていたので、四隅にウェイトを入れてアジャスタビリティ(調整機能)の幅を広げられないかというのも、最初から入れていたアイデアです。初期のデッサンは少し直線的過ぎたため、少し丸みを持たせて修正していくと、より構えやすく、さらにカメらしいルックスへと、進化しました」

日本企画から
グローバルモデルへ

画像: ロートルク”のスクエア2スクエア(左上)クランクホーゼル(右上)ダブルベント(左下)ショートスラント(右下)

ロートルク”のスクエア2スクエア(左上)クランクホーゼル(右上)ダブルベント(左下)ショートスラント(右下)

当初、「TRTL」は、「ジラフ・ビーム」同様、日本・アジア限定として考えられていたが、アメリカのキャロウェイ本社が高く評価し、グローバルモデルに格上げされた。

「そこからはアメリカの開発チームと、前後のバランスや後ろ足の形など、いろいろなバリエーションを考えました。彼らがこだわったのは、PGAツアーの硬いグリーンでもフェースが開かない据わりのよさ。そして、より構えやすい丸みのあるトップブレードと、ヘッド後方まで延びる2本の太い白ラインのアライメントも取り入れてくれました」

キャロウェイといえば、AIでの開発が得意だが、このパターはすべて人によって作られたという。

「AIに聞けば、いくらでも形を出してくれますが、いざ立体にして地面に構えたときのゴルファーの感覚というのは、まだまだAIでは、完璧に仕上げ切れない部分です。ただ、フェースは最新のAIフェースを採用しています。

当初は別のインサートを予定していましたが、『TRTL』は、高慣性モーメントゆえにストロークがゆっくりになりやすく、インパクト時のボール初速が少し足りないと感じたのです。

そこで、硬めのウレタンとアルミニウムの2層構造『Ai‐STARインサート』を採用しました」

オデッセイの新たな
スタンダードに向けて

「カメといえば六角形ですが、この『TRTL』は、パターに必要な「6つの要素」を高い次元でクリアしています。

周辺重量配分による①高慣性モーメント。『Ai‐STARインサート』による②スムーズな順回転、③ソリッドな打感と音、④高いボール初速。フラットなソールと安心感のあるアライメントによる⑤構えやすさと据わりのよさ。そして4つのウェイトによる⑥チューニング力の6つです。特にチューニング力は4つのウェイトにより、重心を浅くも深くも、トウ側にもヒール側にも自在に調整できて、どんなゴルファーのストロークにも合わせられるため、かつてないパターに仕上がりました。

今年2月のPGAツアー、AT&Tペブルビーチプロアマで、ミンウー・リー選手がいきなり実戦投入したときは、本当に驚き、そして興奮しました。

オデッセイには『2ボール』『ロッシー』といった、長年愛され続けている名器がありますが、この『TRTL』も、ゴルファーに長く愛される新たなスタンダードになってくれると確信しています」

画像: オデッセイ「TRTL」

オデッセイ「TRTL」

「すでに海外ツアーでは、未発売モデルの『TRTL』を使っているプロもいて、日本ツアーでの登場が待たれます。そのためにも今後、新たなニーズにも応えていく予定です」


This article is a sponsored article by
''.