
先々週行われた公式戦「ソニー 日本女子プロゴルフ選手権大会」を棄権した阿部未悠が好発進(撮影/有原裕晶)
進化を証明するスタッツと怒涛の連続バーディ
1番(367ヤード・パー4)での鮮やかなバーディ発進で幕を開けた阿部の第1ラウンド。特筆すべきは、前半に見せた怒涛のラッシュだ。6番(377ヤード・パー4)から圧巻の3連続バーディを奪い、一気にスコアを伸ばしてみせた。好スコアの要因を、本人は次のように分析する。
「ショットの調子もまずまずで、パターも距離のあるバーディパットも多かったんですが、入ってくれたパットが多かったのでスコアを作れたのかなと思います」(阿部・以下同)
この力強いプレーを裏付けているのが、昨季から大きく向上したスタッツだ。ドライビングディスタンスは238.60ヤード(49位)から242.40ヤード(33位)へと飛躍。パーオン率を69.8653%(29位)から69.7691%(16位)と高水準でキープしたまま、平均バーディ数も3.2020(19位)から3.4675(11位)へと上昇している。飛距離のアドバンテージと決定力の高さが、この日のバーディ量産劇を生み出したと言える。
負傷の苦難と難関ホールでのバウンスバック
後半に入っても11番(179ヤード・パー3)でバーディを奪うが、続く12番(410ヤード・パー4)でこの日唯一のボギーを叩く。12番は平均スコア4.2685と、全18ホール中2番目の難易度を誇る難関ホールだ。しかし、阿部はこの試練に崩れることなく、14番(517ヤード・パー5)、17番(350ヤード・パー4)できっちりとバーディを奪い返し、首位タイへと並んでみせた。
実はここ数カ月、彼女は手の痛みに悩まされていた。「2〜3カ月前から手の調子というか痛めたりもしていて、選手権では棄権をしてしまったんですが、いい休みを先週いただいて、治療したり練習したりトレーニングしたりというふうに調整に当てることができたので、今日もいいプレーができたのかなと思います」と、手負いの状態から見事な復活を遂げた心境を明かした。
止まらない勢いと「仙台」での勝利へ
7月の「明治安田レディスゴルフトーナメント」で優勝を手にして以降も、彼女の勢いはまったく衰えていない。その後も3度のトップ10入りを果たし、今季のトップ10入り回数は堂々の8回となっている。
現在の状態については「『めちゃくちゃ調子がいいか』と言われたらそうでもないんですけど、本当にショットとパターの調子が噛み合ってくれているなと感じています」と冷静に客観視しつつも、心の中には静かな闘志が燃えている。
「前回、2勝目を挙げたのもこの仙台という地だったので、今週も勝てたらすごく縁があるなと思いますし、自分自身ができるベストなプレーをして皆さんに楽しんでもらえたらと思います」
自身の進化を証明するスタッツと、苦難を受け入れて乗り越えるタフな精神力。首位タイで迎える週末、阿部未悠は縁深い仙台の地でさらなる飛躍を誓う。
