
ペアルックで現れた荒木優奈(左)と、妹の七海。実は「たまたま被っただけ」らしい。二人の姿を写真に収めたいファンに囲まれていた
偶然の“ペアルック”。情報共有し合う二人

七海の強さを「安定しているところ」と語り、自分が褒められる番になると「褒めてね!」とお茶目な面を見せた姉・優奈
練習日、コースには偶然にも黄色のウェアでお揃いになった姉・優奈と妹・七海の姿があった。
「揃えたわけじゃないんです! 今朝気づいたら一緒で『ペアルックじゃん!』ってなりました」と笑う優奈。明日から始まる試合では、声を揃えて「絶対違うウェアを着ます」と宣言。七海が「LINEで共有しよう」と相談すると、優奈は「いや、君が持っていないウェアを選ぶから大丈夫!」。息ぴったりな仲良し姉妹の様子がうかがえた。
この快調な会話の掛け合いは、コース攻略においてアドバンテージとなっている様子。
優奈は「メジャー大会らしくラフが長くて入ると出すだけになってしまうので、しっかりフェアウェイをキープしたい。短いホールはチャンスホール。やっぱり欲しいタイトルなので、取れるところで取って頑張りたい」と意気込み、七海は「グリーンの縦幅がなく難しいホールがあったので、距離感が気になり『何番で打った?』って確認したり、今日は姉によく相談した」と冷静に分析したことを明かした。
対照的なプレースタイルが互いを高める

終始姉のことを「すごいなぁ」と褒め、尊敬している様子を見せた妹・七海
2人はお互いのプレーをどのように感じているのか。
優奈は七海を「技術面では波が少なく大崩れしない。淡々と回れるところがすごい強み」と評価。対する七海は姉を「私は守りに入るところがあるので、最後まで攻め切れるところがすごい。ちなみに私は意外とバーディを獲ると結構ニヤけちゃう。姉のほうが変わらずにフラットでいられている」と笑う。
プレースタイルは優奈が直感的(おおざっぱ)、七海が几帳面(気にしい)と対照的だ。
一方、日常生活では「私がおおざっぱで、物を全部出しちゃう」と七海が語り、「汚い!」と優奈がツッコむなど、等身大のやり取りが微笑ましい。
中学までは「仲が悪くて、毎日一緒にいるから喧嘩ばかり。一緒にラウンドしても聞き合ったりはせず、個々で戦っていた」そうだが、高校進学で寮と実家に生活が分かれたことで適度な距離感が生まれた。今ではほとんど同じ飛距離だからこそ、番手選びの相談をしたりと、互いを高め合う関係性が築かれている。
ツアー優勝とプロテスト合格。それぞれの高みへ
プロとして戦う優奈は現在、確かな手応えを感じている。
先週は予選落ちを喫したものの、今年は2位に複数回入るなど安定した成績を残しており、「ここ3週間は調子が悪い部分もあるのでまずはしっかり予選通過を目指しつつ。でも早く今年の初優勝……昨年は優勝できたけど短縮された大会だったので、通常の大会で早く通算2勝目を挙げたい。それがこの大会だったら本当にすごく嬉しいなと思う」と闘志を燃やす。
一方のアマチュアである七海にとっては、プロテスト 第2次予選<C地区>を8位タイの成績で突破し、最終テストを控えるプロテスト(自身2回目)が重要なテーマだ。
「昨年は実績がないくせに無駄な自信だけで行ってしまい、ミスショットしたら『はぁ……』と落ち込んで精神的に崩れた」と振り返るが、今年は悪いショットが出ても立て直せる精神的な安定感を得たという。
さらに優奈からも「飛距離、伸びた? 練習ラウンドしたらなんか勝てなくて(笑)。5ヤードくらいおいていかれた」と嬉しい告発が。体幹トレーニングなどの成果や、父親からの「悪くなった時に最後まで振り切れていない」とのアドバイスを受け「曲がってもいいからとにかく振る」と考えるようになったとたん、方向性が安定し飛距離も約10ヤード伸びて平均240ヤードに達する進化を遂げた。
「本番ではアドレナリンが出ちゃう。1番手下げないとオーバーしちゃうくらいなのでそこは気をつけつつ、4日間アンダーで回り切ることと、ローアマを取ることを目指して頑張りたいです」(七海)
それぞれの目標を掲げる荒木姉妹。互いの実力を認め合い、リラックスした絆で結ばれた2人の戦いに大きな期待が集まる。
撮影/岡沢裕行
