
佐藤心結が7バーディ1ダブルボギーで、4位タイに浮上した
怒涛のバーディラッシュと苦悩を物語るスタッツ
スタートホール1番で3メートルのバーディパットを沈めて幕を開けた第3ラウンド。特筆すべきは、前半に見せた「29」という怒涛のラッシュ。3番から6番まで4連続バーディを奪った。勢い止まらず、8番でもバーディを決め、前半だけで6つのバーディを奪い、小林光希や川﨑春花が残した9ホール(パー35)における最少ストロークタイ記録に並んだ。
この爆発力の裏には、今季彼女が抱えていたもどかしさがあった。ツアー通算1勝(2024年の「スタンレーレディスホンダ」)の実績を持つ佐藤。昨年はメルセデス・ランク22位(トップ10入り8回、うちトップ5入り4回)と躍進したものの、2勝目にはあと一歩及ばなかった。今季はここまで28試合に出場し予選落ちは10回にとどめているが、トップ10入りはわずか1回(「ニチレイレディス」の10位タイ)、メルセデス・ランキングは53位と低迷している。全体的にスタッツは全体的に落ちており、特に顕著なのがパーオン率で、昨季の73.53%から今季は68.77%へと約4.8%下げている。
「そこまで悪くないのに、結果につながらなかったんです」(佐藤・以下同)
そんなもどかしい思いが募るなか、迎えた大舞台で遂げた大記録。「1ホール1ホール気持ちを切り替えた成果が前半だった。『こういうゴルフを目指したい』という気持ちになりました」と語るほど、彼女を後押しするものとなった。
ギア変更の決断と試練のホールでのバウンスバック
他選手が風に悩まされ思うようにスコアを伸ばせないなか、こうしたプレーができた背景には、今週下した大きな決断があった。
「ラインは読めているのに届かないパットが多かった。決め切れず流れを作れないシーズンでした」
思うようなプレーができない現状を打破すべく、パターのインサートを従来の樹脂製から初めてアルミ製に変更したのだ。これにより「弾き感が出て、前へ転がってくれるようになった」と、グリーン上でのフィーリングが改善し、前半のようなバーディの量産につながった。
メジャー戴冠への思いと「今日の自分を超える」誓い
後半では10番では右のバンカーから「欲を出して寄せようと思った」結果、ダブルボギーを叩いてしまったものの、その後はパーセーブし続け、14番で再びバーディを奪取して、通算5アンダーの4位タイでフィニッシュした。
今季の不振から「結果が出ないのには何か原因があるんじゃないか」と自問自答を続ける日々を送っていた佐藤。しかし、このメジャーという大舞台での好プレーが、失いかけていた自信を取り戻すきっかけを作った。
「優勝は意識しつつ、(とにかく)自信を持ってプレーがしたい。明日は今日の自分を超えられるようなゴルフをしたいです」
苦しんだシーズンの中で見つけ出した一筋の光。取り戻しつつある“自信”を胸に、佐藤心結はメジャー初戴冠へ向けて最終日のティーグラウンドに立つ。
写真/岡沢裕行
