2026年10月4日、茨城県つくばみらい市の茨城ゴルフ倶楽部にて、ユニクロ主催のジュニア育成プログラム「Future Golfers Seminar 2026 with Adam Scott」が開催された。本イベントには、ユニクロのグローバルブランドアンバサダーを務め、PGAツアー通算14勝および2013年マスターズ優勝の実績を誇るアダム・スコットが登場。関東地区から集まった12歳から16歳の中高生ジュニアゴルファー26名に対し、ドライビングレンジでのグループレッスンからコースでのデモンストレーション、さらにトークセッションまで、約3時間にわたる特別なプログラムが行われた。

自分の体と対話し、ターゲットを極める打撃練習

画像: ジュニアの質問に身振り手振りを交えながらレッスンしたアダム・スコット

ジュニアの質問に身振り手振りを交えながらレッスンしたアダム・スコット

イベントはドライビングレンジでのウォーミングアップから始動。アダム・スコットは54度ウェッジから順にクラブを手にし、アライメントスティックを用いて目標設定を徹底する重要性を披露。

「朝のウォーミングアップは技術練習ではなく、その日の体の状態を知り対話する時間である」と語り、朝の段階で100%スウィングを試して、その日の感覚を把握する姿勢を示した。

続く4グループに分かれたレッスンでは、ショット練習ではターゲットを数球ずつ分散させるメリットや、スピンコントロール、インパクト時のヘッドの入れ方など、参加者の悩みに応じた実践的なアドバイスが送られた。

実践的なコースマネジメントと白熱のパッティング対決

画像: ここ数年、ストローク練習をしたことがないと話すアダム。パッティングも素振りをしないのがルーティンだという

ここ数年、ストローク練習をしたことがないと話すアダム。パッティングも素振りをしないのがルーティンだという

舞台を西コース1番ホールへと移し、コース上でのデモンストレーションを実施。1番ホールのティーショットでは、プレッシャーがかかる場面でのルーティンとして「ゆっくり歩き、ゆっくり呼吸する」ことや、危険エリアと風を冷静に把握するコースマネジメントを実演。111ヤードからのセカンドショットでは、54度ウェッジでのスピンコントロールと48度ウェッジやアイアンでの打ち分け、風や状況に応じて多様な球筋で「遊ぶ」経験が上達に繋がると説いた。

画像: アダム・スコットとのパッティング勝負に勝った八代鷹将(おうすけ)選手

アダム・スコットとのパッティング勝負に勝った八代鷹将(おうすけ)選手

パッティングの解説では、アドレスにおけるフェース向きの重要性を伝え、素振りをせず一定のリズムで、一度も止まることなく流れるように動くルーティンを披露。その後行われたジュニア8名によるパッティング対決では、スコットの20cmに対し、最後に登場した八代鷹将選手が18cmにつける見事な一打で見せ場を作り、サイン入りボールを獲得した。

自信と期待値のコントロール――ジュニアたちが得た確かな糧

後半のトークセッションでは、精神面やキャリアに関わる質の高い質疑応答が交わされた。スコットは「高校時代の自分に助言するなら、自分を信じる心(自信)を持つことだ」と強調。ラウンド中に調子を崩した際の対処法として「無理に正そうと『頑張らない』で自然な感覚に戻ること」や「期待値を適切にコントロールすること」の大切さを語った。

イベント後、参加したジュニアたちからは成長への確かな手応えと感動の声が聞かれた。

画像: セミナーに参加したジュニアを代表してメディア対応してくれた神永直輝選手(左)と阿部歩望選手(右)

セミナーに参加したジュニアを代表してメディア対応してくれた神永直輝選手(左)と阿部歩望選手(右)

16歳で埼玉栄高校に通う神永直輝選手は、海外ツアーで戦うためのドライバーのボールスピードについてスコットに直接質問し、「コリン・モリカワ選手のボール初速は172mph(約76.9m/s)くらいと教えていただきました。アダム選手から自信を持つことの大切さを教わった。最近は調子も良く実力もついてきている実感があるので、自信を持ってこれからも戦っていきたい。昨年の日本オープンでは同学年の長﨑大星選手がアダム選手と一緒に日本オープンで撮影した写真をみせてもらってうらやましかったので、来年は自分も日本オープンに出場したい」と力強く意気込みを語った。

また、13歳で東海大相模中学校2年目の阿部歩望選手は、コース移動中にパッティングルーティンについて尋ね、素振りをしない点に驚いたと振り返った。

「アダム選手のボール初速や音、球のコントロールなどレベルの違いに圧倒されたが、『自信を持つこと』と『期待値を自分でコントロールすること』はいますぐにでも実践できそう。焦ると歩くスピードが早くなってしまう癖があるので、アダム選手を見習いたい」と充実した笑顔を見せた。

セッションの終わりには、ジュニア代表の戸村空汰選手が「今日学んだことをこれからの練習に活かしていきます」と見事な英語で感謝のスピーチを披露。これに対しスコットは「10年ほど続けてきたこのセミナーの中でも、今回参加した皆さんの質問の質が一番高かった」と惜しみない称賛を贈った。

画像: セミナーの最後にはアダム・スコットを囲んで記念撮影

セミナーの最後にはアダム・スコットを囲んで記念撮影

世界トップクラスの技術と思想、そして温かい人柄に直接触れたジュニアゴルファーたち。今回得た学びと「自分を信じる」という強い姿勢は、彼らが将来日本の、そして世界のゴルフ界へと羽ばたいていくための大きな糧となったに違いない。(文/山口哲平)

写真/圓岡紀夫


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