男子ゴルフの今季国内ツアー第15戦「ドラッグストア・コスモスカップ」(2026年10月1~4日、静岡県・グランフィールズCC=7156ヤード、パー70)は45歳のベテラン岩田寛が初代王者に就いて閉幕した。最終日は3バーディ、3ボギー、1ダブルボギーの「72」で回った。優勝は6月の「BMW日本ゴルフツアー選手権森ビルカップ」以来の今季2勝目、通算9勝目。優勝した岩田をはじめ昨年フェアウェイキープ率1位の「曲がらない男」勝亦悠斗、香妻陣一朗、大型新人・中野麟太朗らが頂点を争った新規大会の熱闘4日間を振り返る。

【初日】37歳ベテランの阿部裕樹が「61」のロケットスタート

画像: 初日はベテラン阿部裕樹が飛び出す展開に

初日はベテラン阿部裕樹が飛び出す展開に

初日は9バーディ、ボギーなしの「61」をマークした37歳の阿部裕樹が単独首位に立った。先週からパッティングの意識を変えたのが奏功。「ここ何年かパッティングで悩んでいたが、先週の最終日から意識を変えてストレスなく打てるようになってきた。入らないかなと思ったものがラッキーで入ってくれた」と好発進を振り返った。

7バーディ、ボギーなしの「63」で1打差2位につけたのは地元・富士市出身の勝亦。オープンウィークにパターの重さをフェース側に寄せる変更をし「今までやっていなかったことを試したのが結果に出てうまくはまった。後半はピンチもありつつ、最後まで攻めていきましょうとキャディと二人三脚でいけた」と手ごたえを口にした。

画像: 初日「64」でラウンドした大堀裕次郎

初日「64」でラウンドした大堀裕次郎

中野、大堀裕次郎らが「64」で回って3位タイに並んだ。中野は「タフな出だしでのボギーをすんなり受け入れられた。残り大会が10を切ったので、自分の気持ちだけでも優勝に向かっていけるようにしたい」と気を引き締めた。

岩田は「66」で回り、5位タイでの滑り出しとなった。

【2日目】地元の勝亦悠斗が単独首位浮上!

2日目は2位から出た勝亦が6バーディ、3ボギーの「67」で回り、単独首位に立った。「風のジャッジに迷ってショットが荒れたが、パッティングが引き続き好調で何とかしのげた。週末は10打差くらいを追いかけるようなチャレンジャーの気持ちで攻めたい」と気合を入れた。

岩田が1イーグル、6バーディ、3ボギーの「65」をマークし、通算9アンダーで単独2位へ浮上。3番パー4では125ヤードからの第2打を52度で直接カップに入れてイーグル。「3番のイーグルは普通です。見ていて優勝争いは面白いと思うので、その1人になりたい。ここは得意ではないと水曜日に思い出したのだが、新たな気持ちでやる」と静かに闘志を燃やした。

画像: 今季初優勝を果たした砂川公佑は2日連続の「66」で3位で週末を迎えた

今季初優勝を果たした砂川公佑は2日連続の「66」で3位で週末を迎えた

砂川公佑が2日連続「66」を出し、通算8アンダーの3位。「長いホールでボギーを打たず短いホールでバーディを狙う組み立てが徹底できている。週末もいいゴルフをして優勝を目指したい」と意欲を見せた。

初日首位の阿部は「72」と崩れ、通算7アンダーの4位へ。今平周吾、中野も4位タイに並んだ。

【3日目】岩田寛が「64」猛チャージで5打差独走!

3日目は単独2位からスタートした岩田が7バーディ、1ボギーの「64」をマークし、通算15アンダーで首位に立った。10番から3連続バーディ、最終18番もバーディで締め「ラッキーも何個かあり、パターが入ってくれた。最終日も変わらずひとつずつ我慢してやっていきたい」と残る18ホールを見据えた。

勝亦はイーブンパー「70」で通算10アンダーの単独2位。出だしの1番でダブルボギーを叩く苦しいスタートからの踏ん張りを見せ「朝一から大ピンチでドタバタしたが、何とか立て直して前半を回れた。今日は岩田さんがうますぎて同じコースを回っているとは思えないほどだった。もったいないゴルフだったが位置は悪くないので、追いかける立場として明日頑張りたい」と巻き返しを誓った。

画像: 出身大学である早稲田のエンジ色に身を包んだ中野麟太朗は3日目を終え、3位タイで最終日へ

出身大学である早稲田のエンジ色に身を包んだ中野麟太朗は3日目を終え、3位タイで最終日へ

通算8アンダーの3位タイには「68」を出した木下稜介と「69」で回った中野が並んだ。木下は中盤の3連続ボギーから17、18番の連続バーディで盛り返し「中盤でくじけそうになったが、たくさんの応援のおかげで切り替えられた。トップと差はあるが可能性はゼロではないので、絶対勝つという気持ちでプレーしたい」と力強く語った。中野も「出だしや5番のパー5でボギーになり大変な1日だったが、何とか引きとめられた。強い風の中でしっかりとしたマネジメントを行い、自分の持ち味を出していきたい」と意気込みを見せた。

【最終日】岩田寛が18番劇的バーディ返しで初代王者へ

画像: 最終日、一騎打ちの展開になった岩田寛と勝亦悠斗

最終日、一騎打ちの展開になった岩田寛と勝亦悠斗

最終日は5打リードで出た岩田がバックナインで苦しみ、勝亦との一騎打ちの展開となった。13番をボギーとすると、15番は第1打を大きく右へ曲げてダブルボギー。17番もボギーを叩き、最大6打あったリードはわずか1打となった。そして迎えた最終18番、勝亦が先に手前から6メートルを沈めてバーディ。この時点で岩田に並んだが、岩田が右やや奥から3メートルのバーディパットを入れ返し、薄氷の勝利をつかんだ。

画像: 史上7人目の45歳以上で年間複数回優勝を達成した岩田寛

史上7人目の45歳以上で年間複数回優勝を達成した岩田寛

45歳以降に年間複数回優勝の達成者は杉原輝雄、青木功、尾崎将司、中嶋常幸、尾崎直道、藤田寛之に続き史上7人目。優勝インタビューでは「疲れました。大量リードっていうのが初めてだったので、今日どうなるか分からなくて。とりあえず追いつかれるまではこのままでいいやと思った」と「岩田節」で喜びを言葉にした。次戦は日本開催の米ツアー「ベイカレントクラシック by レクサス」(8日開幕、神奈川県・横浜CC)に出場する。

勝亦はあと1歩のところで悲願の初優勝を果たせず「最後のバーディパットを入れたのは成長かなと思います。でも、優勝できなくて悔しい気持ちが勝っています。勝てなくて反省しています」と天を仰いだ。

「66」で回った永野竜太郎が通算8アンダー3位、香妻、中野、藤本佳則、小田祥平、三島泰哉が通算5アンダー4位タイに並んだ。

今大会はジャパンゴルフツアー選手会副会長の堀川未来夢が5月の「中日クラウンズ」で優勝した際、親交があるコスモス薬品の横山英昭・代表取締役社長から優勝祝いを尋ねられ、新規大会の開催を希望したことがきっかけ。そこからわずか数カ月で開催にこぎつけたのは過去にないスピードだった。

男子ゴルフ国内ツアー第16戦は国内メジャー大会の「日本オープンゴルフ選手権」で、15日に滋賀県・タラオCC 西Cで開幕する。

写真/有原裕晶


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